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再び旅に出る

 2025年3月24日、朝早くのぼくの長い回想は、これで終わりだ。ぼくはこれから母と一緒に上海へ旅行に行く。ぼくが大好きになった旅に出られる喜びと、大学で勉強した中国語を活かせるチャンスが来た喜びが相まってウキウキしていた。

 あれから、ぼくの大学生活は大変だった。復学したのは良かったものの、その翌年の2月に新型コロナウィルスが世界中で大流行した。ぼくら学生は大学に通えなくなり、就職活動なんて絶望的だった。それでもぼくは前向きに考え、やれることからやろうとした。休学した分も含めて大学の勉強に真面目に取り組み、就活はうまくいかなかったとしても卒業はしようと決めた。結局苦学の末に5年かけて大学を卒業した。コロナ禍のせいでどこにも旅行にいけなかったけど、勉強する時間だけはできた。ぼくの両親は卒業できたことをものすごく喜んでくれて、就職できなかったことに関しては気にしなくていいと言ってくれた。ぼくが一人で沖縄を旅できたのも、大学を卒業できたのも両親の応援あってのことだった。

「守、早く乗りなさい。バスが出ちゃうよ」母親がぼくのことを呼んだ。これからぼくと母親は宇都宮駅から成田空港行きのバスに乗る。今回は成田から上海への飛行機に乗る。宇都宮駅までは父親が送ってくれる。ありがたいことだ。

「今行く!」

ぼくの旅は、まだ始まったばかりだ。

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