最後の夜
七日目の朝起きると、昨日の労働の結果、全身が筋肉痛で痛んだ。街歩きは体力的にきついので、外出は近くのコンビニだけにして、屋内で静かに過ごした。今日も一日酒を断つことにした。明日は断酒できるか分からないけれど、ひとまず今日一日だけならできるような気がした。そのことをサクさんに伝えると、
「じゃあ、明日小柴君は関東に帰る。そして酒は控えるってことで、今夜はコーラでパーティーしよう」と、サクさんが夜にちょっとした送別会みたいなものを開こうと言ってくれた。
「それじゃ、明日関東に帰る小柴君の今後の幸運を祈って、乾杯!」
「乾杯!」みんな乾杯し、ぼくはコーラをあおった。みんなは焼き鳥やスパムなどのおつまみを美味しそうにぱくついている。みんなが楽しく食べている流れで、
「おれ、引きこもりだったんです」と、自分の過去をぽろっと打ち明けた。みんながこちらを向いた。
「え?」場が、しんとなった。
「那覇に来るまで、半年以上自宅にこもってました」
「そうだったんだ」サクさんは特に驚きもせずに返した。
「会話も、ろくにできなくて。皆さんに、迷惑かけたかも」
「いや、割とできてたよ?」サクさんがフォローしてくれた。
「こっちが質問したら答えてくれるし。ゲストハウスのルールは守るし。別に迷惑だなんて感じなかったよ」
「そうそう。ちゃんと言うこと言ってたし、自信持ちなよ」クリスがフォローしてくれた。
「嘉手納行ったの、楽しかったよ守」杏奈が楽しそうに答える。
「なに?デート?」クリスが興味津々にきいてくる。
「違うってば」二人が同時に答えた。楽しい会食が再び始まった。アルコールを飲まなくても飲み会は楽しく感じ、午前0時ころにお開きになった。




