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リッチの決意表明

 水晶玉にウサギが映った。

 ウサギの目は座っていた。

「リッチです、これから旦那を血祭りにあげる準備ができました」

 その声音は静かでまるで感情がうかがえない。

「血祭りですか」

 猫が平たんな顔で問いかける。

「ええ、血祭りです」

 静かな湖面のように抑揚のない声でそう繰り返す。

「あの阿保、ここまで外道だと思わなかったわ、もはやきっちり始末して子供たちにはお父さんは死んだと伝えるしかない」

 小刻みに震えている。

「どっかに埋めるの?」

 猫がちょっとだけ引いた感じで聞いてきた。

「ひと思いに殺しません。いっそ殺してくれという目にあわせます、それはもうじっくりと己の所業を公開しながらゆっくりと朽ち果ててもらいたいです」

 淡々と恨みつらみを語り続ける。

 むしろ。半狂乱で泣きわめくより怖い。

「夫の外道ぶりは制裁が終わった後にお知らせします。ただ、情報がばれる可能性がわずかでもあるならば今お話しするわけにはいきませんので」

 ひよこさんが尋ねる。

「ばれるわけにはって」

「やっぱり多少裏を取っている方もいらっしゃると思うんですよ、ですから行動を起こすまでは情報を出すわけにはいかないのですよ」

「そうなんだ」

「なるほど」

 周囲の人間もちょっと引いていた。

「でも。相談に乗ってくれたことは感謝しています。おかげで味方がたくさん見つかりましたから」

 そしてウサギは深々と頭を下げた。

「次はあの馬鹿を血祭りにあげた後報告に参ります」

 そしてウサギは掻き消えた。



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