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リッチの中間報告

 本日リッチの定期的な報告会になっていた。

「結局天使ちゃんのほうは安心してよかったかもしれないわ」

 リッチは本日穏やかだ。

「やり手の侍女さんが常に付き従っているみたいで、うちの馬鹿が手を出す隙はないみたい」

「制裁計画は進んでいるの?」

 最近入り浸るようになったフクロウが尋ねる。

「もちろん、周りから制裁の包囲網が着々と敷かれつつあるわ、それ以上はちょっと言えないけど」

 リッチは腕組みしてえへんと胸を張って見せた。

 かわいいウサギの姿なのであまり威厳がない。

「それでその情報はどこから出たの?」

「部下に尾行させたの、そう簡単に見破られるようなへまをする人間じゃないから安心している」

「証拠固めか」

「それと、実際に天使ちゃんに良からぬことをしようとしたら血祭りにあげていいと命じている。天使ちゃんがどうもあの馬鹿のことをわかっていない気がして」

 そうしてリッチは軽く眉間に手を置いた。

「なんとなく子供のころ知り合いのお兄ちゃんに懐いている気がする。あの馬鹿の下心に気が付いていないのかも」

「それ、大丈夫なの?」

 猫が慌てる。

「もしそうなら大丈夫じゃない、だがあの馬鹿のこと以外では私にできることはない。それにそのあたりも自己責任という者だろう」

「まあそうねえ」

 そう言いながら深い深いため息をついた。

「そう考えると哀れかもしれないわね」

「これから賢くなるしかない、間に合うかは運次第だろう」

 そんなことを言いながらリッチは自分も人のことを言えないなと苦笑した。


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