リッチは悩んでます
「なんだかやばいことになりそうで」
リッチは再び通信で相談し始めた。
「なんだか相手の元婚約者というのも面倒くさいので天使ちゃんと呼ぶことにします」
天使ちゃんという名を出した後リッチはそれはそれは深いため息をついた。
「本当に天使ちゃんですよ、それはそれはいい子で、玉の輿に乗って図に乗って馬鹿やるような薄っぺらい子でもないんですよね」
そのままリッチはめり込んでしまう。
「それで、なんだかうちの夫にもそれはそれは愛想よく、まあ子供のころからよく知っている親しい人のスタンスで」
絞り出すような声、そしてリッチは呻く
「それで、うちの阿保はそれで舞い上がっちゃって、あの馬鹿定期的に会う約束取り付けちゃったんですよお」
もうリッチは半泣きだった。
「うわあ、それは」
ひよこさんが呻く。
「あの、その天使ちゃんはその、子供のころの知り合い以上の気持ちは」
「多分、親戚のお兄ちゃんくらいの気持ちしか持っていないと思いたいです」
リッチはどんよりとした顔でいた。
「まあ、でもそこまで落ち込むこと、どうせ捨てる男でしょう」
子供のために離婚はしなくても制裁の後は別居する予定だろう。
「だって、あの馬鹿旦那性病疑惑まだ残っているんですよ」
「リッチは感染してなかったんでしょう」
「やることやっても感染しないこともあるそうです。所詮は運ですって」
陰隠滅滅とリッチは呟く。
「もし、うっかり関係をもって天使ちゃん経由で侯爵様にまで感染させちゃったら、うちは終わる。巻き添えで実家までやられるかもしれない」
癇癪を起すリッチに誰も何も言えない。




