ひねくれ彼女と僕
天気の良い休日、僕は公園内を彼女と歩いている。
そこに、2才くらいの小さな男の子がヨチヨチと歩いていた。
母親であろう女性が、かがんだ姿勢でその子を受け止める。
平和だ。癒される光景である。
僕はちょっと和むような気持ちになっていた。
その時だ。横にいた彼女が言う。
「サトシ、他人の子供で、ほのぼのしてんじゃねーよ。」
いやいや、…はい??
「あと、言っとくけどね。
あーゆー小さい子どもを見て『きゃあ、可愛い。』とか言った上に愛しげな顔をする女のリアクションを、私に求めないでよね。」
はい、求めません。
「やつらだって、知らない女から『私って子供好きな優しい女の子なの』アピールに使われたって迷惑だろうが。」
やつら、とは子供のことか…。なるほどね…。
彼女は、今日たまたま苛立っている訳ではない。
これが彼女の平常運転なのだ。
僕の彼女は、ひねくれている。