表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/109

序章 プロフィール

 

 普通。


 それが俺の、あのときまでの人生を形容するのに、最も適する語句だったと思う。


 ……いや、過去形で表すると、おそらく相違が生じる。


 あのとき以前もそれ以降も、結局やはり普通だったのかもしれない。


 でも確かにあのとき、俺の中で何かが変わった。俺は変わることができたんだ。





 ご覧の通り、冒頭からほんとうにありふれている。


 そしてきっと、この物語はどこまで行ってもやはり『普通』で、常並で、あるあるで、尋常一様で、なんの変哲も無くて――――何処かで見た事がありそうで。




 でも、俺にとっては最高の、俺の…………


 いや、俺達の『御伽』。





 ―――――――――――――――――――



 あ、ちょっと待って。

 物語を始める前に、ここで一つ質問がしたい。




 突然だが貴方は、『普通』と聞けばどのような事柄を思い浮かべるだろうか?




 辞書で調べると類語として、

『人並み』『平均的』『平凡』『凡庸』『平俗』『有り触れた』等々のような単語が並べられている。

 要するに、『その程度が、世間的に見て一般の範囲内』ということなのだろう。

 それがどうだ。

 近頃は『普通の高校生』と言うと、

 並外れた知能を持っていたり、

 何かしらの凄まじい才能を秘めていたり、

 友達も家族もいない一匹オオカミだったり、

 可愛い幼馴染や姉妹がいたり、

 可愛い委員長やスーパーアイドルが学校にいたり、

 可愛い先輩や後輩に気に入られたり、

 引き篭もりだったり、

 半端なくジャンケンに強かったり、

 握力七十キロオーバーだったり、etcetc……


 はたしてこれらは、真の意味で『普通』と称することが出来るのだろうか?


 ……いや、そもそもそんな不名誉な称号を望んで欲する者などいないだろうし、ジャンケンの強さはただただ強運で、握力の強さはある種努力の賜物なのだろうが。


 だが確かに『近年、ニートの総数は横這傾向にあるが、それは少子化の影響によるもので、相対数的にはやはりニートは増加傾向である』というような情報を、以前何かのテレビ番組で見た覚えがある。

 そして不登校児は増加傾向だろう。実際、私の通っていた高校でも、各クラスにセットで一人二人付いてきていた。


 しかし今ここで私が言いたいのは、明らかにニートや不登校児よりそうでない人の方が多いはず、ということだ。

 極めて学生目線な見方ではあるが、一クラス四十人で各クラスに不登校児が一人いたとしても、その比は1:39。つまり不登校児は少数派で、そうでない人のほうが『ありふれている』のだと言える。


 であるのであれば、


『俺は普通の高校生。だけど今は引き篭ってニート生活を送っているんだ!』

 なんていうのは『普通』には含まれないはずだ!


 ……話が少し逸れてしまった。


 とにかく、普通というのはごくありふれていること、最頻値に値するということだと私は思う。


 そんな由緒正しき真の普通である私について、少し自己紹介をさせて頂き、それをプロローグと代えさせて頂きたい。



 ―――――――――――――――――――――――



 ――それではまず、先程から偉そうに自己肯定感を高めたいが為の自論を展開し、この物語においては主人公を務める私の名は、藤田小太郎。


 至って平凡で有り触れた苗字。コタロウという名前に『小』という漢字を使う親は少し珍しいかもしれないが。


 生まれは中流階級の家庭。裕福か貧乏かと言われると少しだけ貧乏に傾いてはいるが、生活に不自由はしていなかった。


 そして先にも述べていたが、学校にはちゃんと行っていた。当時高校2年生。成績は中の下くらい。得意教科の生物だけは、クラストップの成績ではあった。


 友達は少ないがいない訳ではなく、スクールカーストでは下の上か中の下くらい。イジメられていた訳でもなく、かといってクラスの主力メンバーからは程遠い存在、本当にいわゆるモブだった。

 容姿もモブキャラそのものだと言えただろう。……彼女カノジョいなかったし。


 また部活にも所属しており、陸上部で長距離をしていた。専門は1500mで、最終ベスト記録は4分35秒39。速いか遅いかと言われると、世間一般では速い方だが長距離選手の中では遅い方。県大会などでは、ギリギリ予選を勝ち抜くことができない程度だった。


 趣味、というか好きなものはアニメやゲーム、漫画、ラノベ。好きは好きなのだがオタクというほどではない。いや、よくいる自分をオタクと認めたくないオタクではなく、本当にそこまでではない。むしろ私は少し、己の『好き』を極められるオタクという存在に憧れを抱いているのだが、未だに自分は『アニメや漫画が好き』程度だと思っている。



 ……さて、これが[俺]のおおまかな自己紹介、といったところだろうか。


 ちなみに、好きな食べ物は唐揚げ。飲み物は紅茶と珈琲。犬か猫なら犬派。




 では、前置きはこの辺にして、そろそろ物語の幕を開くとしよう。




 ……繰り返しになるが、この物語は『普通』だ。



 故につまらないかもしれない。くだらないかもしれない。お気に召さないかもしれません。



 でも、始まります。

初めまして、『くだりづき』と申します。

まずここまで来てくださった方に、感謝を。


しばらく拙い言葉遣いが目立つと思われますが、精進して参りますので、今後もお読み頂けると幸いです。


どうぞよろしくお願い致します。


続きもご覧いただけると幸いです。


●2018/06/23 第1〜3部分までを加筆・修正致しました。

●2018/08/15 同上

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ