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二度目の私  作者: 川木
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4時からイルカショーがあるようなのでここで時間を潰して見に行こう、という話に決まった。


「葉子はどうするの?」

「…一緒に行く」

「あ…そうなの。ふぅん」

「?」


なんで玉恵ちゃん、葉子ちゃんにはわざわざ確認したんだろ。


「なぁなぁ、まだ時間あるし売店見ような」

「そうだね。私もお土産買いたいしね」

「あたしはいいわ。疲れたし」

「私も…もうちょっと、休みます」

「ぶー。えーもん。悠里ちゃん、行こ」

「うん」

「待って」

「ん? どしたの葉子」

「私も…見てくる」

「え…あ、そう…珍しいわね」

「ん」

「? じゃあ、行こう」

「ん」


売店を見たいという葉子ちゃんに何故か玉恵ちゃんが驚いている。もしかして中学以前は凄い協調性なかったとか? 葉子ちゃんも密かに中学デビューしてるのかな。


3人で売店に向かう。私はまず一番近くのお菓子コーナーで足を止める。


「ほなあとで」


恵理ちゃんはささっとぬいぐるみコーナーへ向かった。


「何を買うの?」

「チケットくれた先輩にね。お土産。一緒に見ようか」

「ん。付き合う」

「ありがとう」


お饅頭やクッキーの定番をいくつか見てから小物コーナーへ移動。


「むむ…このハンカチにしようかな」


イルカやペンギンという人気のある生き物がかかれた可愛いハンカチだ。あ、クラゲもいる。それぞれリアルバージョンとデフォルメキャラクターバージョンとがある。


「クラゲ」

「うーん。クラゲ…クラゲ、お揃いで買おうか。記念だし」

「…ん。じゃあ、これ」


葉子ちゃんはクラゲのリアルバージョンを手にとった。


「それ私が買うよ。さっきのお礼で」


イルカとペンギンのデフォルメバージョンを一つずつとリアルクラゲの私の分をとって、葉子ちゃんに手を向ける。

でも葉子ちゃんはフルフルと首を横にふると、さっさとレジに行って買ってしまった。

むむう…中々ガードが固い。こうなったら意地でもなにかプレゼントしよう。


「悠里、まだ買わないの?」

「…もうちょっと探してみるから、葉子ちゃんは先に戻ってて」

「? 付き合う」

「いいからいいから」

「…わかった」


葉子ちゃんを追い払い、私は彼女へのプレゼントを選ぶことにした。

次に見たのはぬいぐるみコーナーだ。ぬいぐるみは…少しばかり高い。かさ張るし。

いくつか見て頭を撫でてから次のキーホルダーコーナーへ。


「…うん」


これにしよう。


「あ、悠里ちゃんもキーホルダー買うん?」

「うん」

「クラゲかぁ。顔あると結構可愛いなぁ」


私が選んだのはデフォルメされた10cmくらいのクラゲの人形がついたキーホルダーだ。


「うちはなぁ。ペンギンや。ペンギン可愛いなぁ。さっきもペンギン見ててん。悠里ちゃんペンギン見た?」

「ゆっくり回ってたからペンギンはまだ見てないんだ」

「そうなんや。また後で見るん?」

「ううん。あんまり遅くなってもあれだし。また今度先輩と来るから、次の楽しみにとっとくよ」

「そーかぁ。ペンギンなぁ、赤ちゃんがいっとう可愛かったで、オススメや」


恵理ちゃんの方言は、なんだか聞いててほわっとする話し方だなぁ。










イルカショーを見て、時間は5時過ぎだ。そろそろ帰ろうとなった。


「さっきのすごかったよね。あんな高くとぶもんなんだ」

「そうですね。私、始めて見ました」

「確かー、イルカって元々ジャンプする習性があるらしいで」

「そうなんですか。へぇ、恵理さんって博識なんですね」

「ややわ。照れるわぁ」


会話からは完全にはぐれてる葉子ちゃんの隣に並んでこっそりさっき買ったキーホルダーを渡す。


「?」

「お礼。返却は認めないから。本当に楽しかったんだから、お礼くらいさせてよ」

「…ん。大事にする」

「うん」


小さく、葉子ちゃんが照れたようにかすかに笑った。

そういえば、葉子ちゃんが笑うの、始めて見たかも。嬉しいな。










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