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二度目の私  作者: 川木
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「ごめんなさい、悠里。今週は土曜日都合が悪くなっちゃったの」


今週の土曜日はチケットをもらったと彩ちゃんが言うので水族館に行く予定だったのだけど、無理なら仕方ない。

私は申し訳なさそうな彩ちゃんに笑ってフォローをいれる。


「そうなんだ。いいよ、気にしなくても。忙しいなら仕方ないもん」

「うん…でも、ごめんなさい」

「私は大丈夫だから一緒に…と言いたいけど、諸事情でそう言うわけにはいかないの。ごめんね」

「? うん…諸事情はよくわからないけど、大丈夫だよ」


そういえば、3人で遊ぶばかりでそれぞれ2人きりで遊んだことってないなあ。私の中では2人はいつもペアだから、彩ちゃんが駄目なら自動的に実代ちゃんも駄目って考えるし。


「本当、ごめんね。お詫びと言ってはなんだけど、チケットは私たちの分もあげるから、友達と行ってきなさい」

「あ、ありがとう」

「ちゃんと友達と行くんだよ? 優生君離れも程々にしないと、またハブられちゃうからね」

「う…反省してます」


女の子との友達付き合いがあまり良くなかった自覚はある。高学年になっても昼休みの武君たちや優生たちとは外で遊ぶから、室内での女の子のお話とかにはあんまり参加してなかった。それもハブられた原因なんだろう。

この二人とくらいに親友!といえる相手がいなかったからなぁ。今度はちゃんと同い年で親友つくらなきゃ。


「でも二人かぁ…」


同じクラスだと桃子ちゃんと玉恵ちゃんと恵理ちゃんだ。桃子ちゃんをハブるわけにはいかないし、だからって正直に3人に2人をと誘うと桃子ちゃんは遠慮するだろうし。

聞いた話で桃子ちゃんはイジメられっ子だったらしい。そんな話をする程度には親しくなったけど、まだおどおどが残ってるからこれを機会に親しくなりたい。

玉恵ちゃんと恵理ちゃんはフレンドリー過ぎる感じですでにかなり仲良しになれたと思うけど、この2人は仲良し過ぎて片方だけは誘えない。

部活で誘うほどの友好があるのは葉子ちゃんだけだし……従姉妹だし葉子ちゃんと玉恵ちゃんにしようかな? でもなー。


「なに? 悠里悩むほど友達いるの?」

「います。ちょーいますぅ。失礼な」

「悠里ちゃん、何人誘おうと思ってるの?」

「4人が候補」

「じゃあ…」

「ええ」


質問に答えると、実代ちゃんがアイコンタクトを向けてそれに彩ちゃんが頷いて、二人で私ににっこり微笑んだ。


「あと2枚もらってきてあげるから、その4人誘いなさいよ」

「ええ? そんなの悪いよ」

「悪くないわよ。いいから。チケットあった方が誘いやすいでしょ。来月のGWにはなくても遊んでもらえるようにちゃんと仲良くなるのよ」

「…あ、ありがたいけど…私のこと馬鹿にしすぎじゃない? 私だって友達くらいできるもん」

「へぇ? じゃあ聞くけど…小学校の時女の子の友達は何人?」

「うっ…い、いや…3人は私に懐いてる子いたよ」

「どうせ年下でしょ」

「う…何故それを」

「ハブられたーって泣きついてきたくせに同級生に友達いるわけないでしょ。見栄はらない」

「泣いてないから」


むしろ今の状況に泣いていい? 私は二人の娘ですか。過保護なママにもほどがある。


「私たち、心配してるんだよ。ね? 行っておいでよ」

「わ…わかったよぅ。ありがとう、二人とも」

「うん」

「しっかりやんなさいよ」


とは言え、ここまでやって予定あったりして断られたら嫌だなぁ。水族館って、みんな好きかな。











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