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二度目の私  作者: 川木
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「速いのね」

「小さい時からやってたので」

「そうなの。あなたみたいに速い子が入ってくれて嬉しいわ」


褒められた。てへへ。まあ、ただスタートの違いだとはわかってますけどね。


生理が始まってからスイミングスクールは止めたけど、それから月に二回は趣味で泳いでたから最低限は体力も落ちずにすんだ。


入部届けをだしてすぐに順番に泳がされ、しばらく待ってるように言われた。

と、私より先に泳ぎ終わってた子の胸には森下という名前がある。もしかして玉恵ちゃんが言ってたのは彼女かな。


「森下葉子さん?」

「? …誰?」

「私、玉恵ちゃんの友達。松山悠里。といっても昨日知り合ったんだけどね。クラスメートなの」

「玉恵の…そう。何か、用?」

「用っていうか…せっかく同じ部活だし友達繋がりだし…友達になりたいなーって」

「…そう。わかった。よろしく」

「うん、よろしく」


無表情で言葉数が少ないというのは前情報通りなので別に怒ってないらしいから、友達になれた…よね?


「葉子ちゃんって呼んでいい?」


並んで壁際のベンチに並んで腰掛けて、他の子が泳ぐのを見ながら話しかけてみる。

「いい」

「私のことは悠里でいいからね」

「わかった」


嫌がられてはないみたい。こういう寡黙なタイプも新鮮だし、仲良くなれたらいいな。それに、葉子ちゃん結構可愛いし。私、男女問わず可愛い子に弱いんだよねー。


「水泳好き? いつからやってるの?」

「好き。6歳」

「何が得意?」

「クロール」

「私と同じだ」

「そう」

「そういえば、葉子ちゃんは何組? 私1組」

「2組」

「あ、じゃあ体育は合同だよね。よろしく」

「ん」

「体育と言えばさ、後期は選択になるの知ってる?」

「知らない」

「バレーと卓球だよ。どっちが好き?」

「卓球」

「私、バレー嫌いじゃないけど手が痛くなるから苦手なんだ。卓球は得意なの?」

「同じ」

「ん? …ああ、私と同じでバレーが苦手だから卓球を選んだってこと?」

「そう。声だすの、嫌い」

「掛け声ってちょっと恥ずかしいよね。でもしないとぶつかって危ないから仕方ないんだけど」

「ん」

「でも実は私、卓球も苦手なんだけどね。消去法で選んだだけだし。水泳以外はからきし苦手なんだ。でも葉子ちゃんはバレー苦手でも体動かすスポーツは全般できそう」


声出すのは嫌いかも知れないけど、何でもできそうな感じ。クールな感じとか、手足長いし、なんとなくなんだけど。


「できなくはない」

「やっぱり。水泳の次に好きなのは?」

「バスケ」

「カッコイーね。もしかしてスリーポイントとかできちゃう?」

「3回授業で」

「体育の授業のバスケで今まで3回いれたってこと? 凄いね」

「……悠里も」

「ん?」

「悠里も、かっこいい」

「え? 何が」

「さっき、泳いでた」

「あ、本当? 私も実は葉子ちゃんの泳ぎ綺麗だなって思ってたから、葉子ちゃんに褒められると嬉しいな」

「…ん」

「一年ー、集まってー」

「と、集合だ。行こう」

「ん」


聞いてた通り、中々素直でいい子だな。知り合えてラッキー。











葉子は平坦で控えめな声量で話します。


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