表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二度目の私  作者: 川木
46/172

42

「よろしくお願いします」


まばらな拍手の中席につく。後ろの子が立つ。


ただ今自己紹介タイムです。当たり前だけど知らない顔ばっかで、しかもほぼみんなは知り合いみたいだし肩身狭いわ。


「○×小学校から来ました。山瀬桃子やませももこです。趣味は-」


おおっとー、きた! きましたよ! 仲間きた! ちょうど隣の席とは都合がいい!


全員の自己紹介が終わり、先生の注意が終わって休み時間になってすぐ、私は左隣の彼女に声をかける。眼鏡みつあみの委員長っぽい子だ。


「ねぇねぇ、山瀬さん」

「え…あ、な、なんですか?」

「? 敬語なんて使わないでよ。クラスメートじゃない。クラスで他の小学校から来たの私たち二人だけだし、仲良くしましょう」

「あ…は、はい。よろしくお願いします」

「いや、敬語はいいって。桃子ちゃんって、呼んでいい?」

「わ、私…敬語なのは、癖…だから。名前で呼ぶのは、大丈夫です」

「じゃあ私のことも悠里って呼んでね」

「ゆ…悠里、さん…」

「うん。よろしく」

「は、はい…」

「…ごめん、もしかして迷惑? 私、空気読まないところがあるから、嫌なら言ってね」


妙にびくびくした気弱そうな子だけに、無理強いしてないか心配になって思わず尋ねる。

今までは年上意識で多少強引にしてたとこもあるからあんな結果になっちゃったんだし、気をつけないと。


「い、いえっ。あの…私、人見知りで…友達、いないので…できて、嬉しいです。あっ…ごめんなさい。いきなり友達なんて…馴れ馴れしい、ですよね」

「そ、そんなことないよ。友達だよ、友達になろう」

「っ、はい」


嬉しそうに始めて笑ってくれた桃子ちゃんにほっとする。


「ねぇねぇ、あたしらも仲間にいれてよ。悠里と桃子、だよね?」


と、後ろの席の二人が話しかけてきた。二人は元々友達だったらしく話をしていた。


「もちろん。えっと…森下玉恵もりしたたまえさんと、吉田恵理よしだえりさん…だよね?」

「あ、覚えてたんだ」

「私の名前も知ってたじゃない」

「だって二人だけ知らないし。多分みんな覚えてるよ」

「うーん。さすがに全員は覚えてないかも」


近くの人だけとりあえず覚えたけど。

後ろの席がショートカットの玉恵ちゃんで、桃子ちゃんの隣がロングヘアの恵理ちゃん。あと私の周りの4人は一応覚えてるし挨拶くらいしたいけど、すぐに前の方で固まってお話始めちゃったから後ででいいか。


「ま、よろしく。あたしらのことは呼び捨てでいいよ。あたしらもそうするから」

「桃子ちゃんと悠里ちゃんやな。よろしくなー」

「よろしく、玉恵ちゃんに恵理ちゃん」

「よ…よろしくお願い、します。玉恵さん、と、恵理さん」

「桃子ちゃん固いなー。もっとやらこぅいかな疲れんでー」

「は、はい…すみません」

「まあまあ、そのうち慣れるっしょ。二人は何か部活入んの?」

「私は水泳部かな。桃子ちゃんは?」

「わ…私は、美術部、かな」

「あ、ほなうちと一緒や。うちも美術部いこ思てんねん。明日の放課後は一緒に行こなー」

「あ、はい。お願いします」

「よかったね、恵理」

「玉恵ちゃんは?」

「私は陸上。走るの好きなんだ」

「いいな。私、走るの苦手なんだ」

「私は泳ぐのも好きだけどね。従姉妹が水泳部入るからよろしくしてやってよ」

「あ、そうなんだ。こちらこそだよ。どんな子?」


私の中学生活は中々順調な滑り出しだった。











方言をつかうのが恵理です。

一人称の「うち」はイメージとしてはひらがななんですが、ひらがなが並ぶと読みずらいのでカタカナにしようか少し悩みました。

方言は文章にするとひらがなが増えるのが難点ですね。好きですけど。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ