表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二度目の私  作者: 川木
25/172

25

「最初はぐー」

「じゃんけん」

「ぽん」


声を揃えて私たちはそれぞれに手を出した。


「やった、あたしの勝ちね」

「おめでとう」

「ふふん、苦しゅうないわ」


彩ちゃんは胸をはる。


何をしているかと言えば、今日は何をして遊ぶかと言うことだ。


好みが違うのでじゃんけんで勝った人が決めることになってて、彩ちゃんは5回連続で負けてたから久しぶりに勝てて嬉しそうだ。


まだ小3の二人と私だから、おままごととか鬼ごっことか、普通の子供がする遊び。

二人がお嬢様と言えど、やることは変わらない。まぁ、私に合わせてくれてるのかも知れないけどさ。


「今日は、おままごとよ! あたしがママで、悠里は子供ね」

「あー、うん」

「私はー?」

「実代は、シュウトメよ」


えー? ちょ、普通そこはパパでしょ。


「うん、わかったー」


しかもわかっちゃうの!?

母と子と姑とかバランス悪いし、どんな事情でそんな家族構成になったのか聞きづらいわ!


「あー、二人とも、ちょっといいかな?」

「なによぉ?」

「どうしたの?」

「いや、父親役は?」

「人数足りないんだからしょうがないじゃない」


え、

「姑」って主要人物なの? そこは父親優先じゃないの?


「……あ、そうだ。優生君は?」

「え?」

「優生君、パパにしたらいいんじゃないかなぁ? 今はいないけど、出張中とかにしてさ」

「実代かしこい! それなら悠里も文句ないわよね?」

「まぁ…いいけど」


文句って言うか…疑問だったんだけど…別にいいか。


「じゃあいくわよ。はーいよしよーし、いい子でしゅねー」

「ば、ばぶー」


どちらかと言えば、子供=赤ん坊な設定を止めてほしい。

リアル赤ん坊プレイを卒業したのに、何が悲しくて小学生の赤ん坊にならなきゃならないんだろう…はぅぅ。


「彩乃さん、ちゃんとお掃除してますか? こんなに埃がたまってますよ」

「ごめんなさい、お母様」

「悠里ちゃんは私が見ますから早くお掃除なさい」

「はい、ただいま」


…微妙にリアルというか、昼ドラの影響を多大に受けてるなぁ。


「だーうー」


体動かすやつならまだ私も楽しいのになー。







「悠里、学校楽しい?」

「うん、楽しいよ。二人は?」

「勿論! 楽しいわ…けど…悠里がいればもっと楽しいのに…」


彩ちゃんの言葉に苦笑する。

私が小学生になってそろそろ半年たつんだから、いい加減諦めたらいいのに…。


「彩ちゃん、無理言っちゃ駄目だよ。悠里ちゃんの意見で変えられるものじゃないんだから」

「わかってるわよ…でも…」


好かれるのは嬉しいけど、彩ちゃんはいじけると長いんだよね。どう言おうかなぁ。


「彩ちゃん」

「何よ…」

「高校生になったら彩ちゃんと同じとこに行くから、我慢して。ね?」

「そんなの、ずっとずっと先じゃない!」

「そんなことないよ。10年もないでしょ」

「悠里ちゃん…せめて中学からは無理なの?」

「う、う〜ん…じゃあ、お母さんに聞いてみるよ」


というか、今から進路決定ですか。まあ…いいんだけどね。


「やぁだ! いますぐ一緒がいい! あ、そーだ! 悠里、うちの子になってよ。あたしの妹になったらずっと一緒にいられるでしょ? ね? そうしよーよ!」


ええー。いやそんな、名案思いついた!みたいな笑顔で言われても…。


「あ! それいい! 彩ちゃんのお家なら、お向かいだからすぐに会えるもんね」


賛同しちゃったー! 待って待って!

うわー、子供の発想って恐いわー。


とにかく二人を説得してご機嫌直してもらったけど、それだけで殆どその日は終わった。


はうー、可愛いんだけど、手のかかる妹分だよねー。



次、再び時間が飛びます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ