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二度目の私  作者: 川木
23/172

23 小学生

「ぐすっ…うう」

「ちょっと、泣かないでよ。お母さん」


気持ちはわからないでもな…まぁわからないけど、卒園式でも泣いてよくまた泣けるよね。


今日は入学式。

年甲斐もなくランドセルにわくわくしたけど、幼稚園からの知り合いが3分の1だしそもそも私、全員知ってるしね。

さすがにフルネームとかはあやしいけど、仲良くなれる子が分かるから特に不安もない。


「悠里ちゃん、お友達にいじめられたら言うのよ?」

「お母さん…いくら何でも大丈夫だよ。幼稚園でだって水泳教室でだって何もなかったでしょ?」

「…確かに、幼稚園ではボスだったけど…でもね、小学校は違うのよ?」

「うん、わかって……ん? ボス?」


なに言ってるの? ボスって…幼稚園のリーダーならたけし君だよね?

やんちゃでなかなか手がつけられないけど、ちゃんと言えばごめんなさいができるいい子だ。


「…我が子ながら……まぁともかく、大きくなったわね…うぅ」

「ちょ、繰り返さなくていいよ!」


全く…お母さんたら。私たちのことになると涙腺がゆるむんだから。まぁ…悪い気はしないけどさ。


「悠里ちゃーん!」

「あ、まきちゃん。お母さん、ちょっと遊んでくるね」

「ええ」


手をふっていた槇ちゃんにかけよると、見覚えのある女の子…あ、もしかして


祐巳ゆみちゃん?」

「え? そうだけど…あなた私のこと知ってゆの?」


あ…ヤバい。祐巳ちゃんは小学校からの友達なのに名前言っちゃった。

いやだって、凄い懐かしくてつい。


「槇ちゃんが呼んでたでしょ」

「あれぇ? そうだっけ?」

「そうだよ! とにかく祐巳ちゃん、私悠里。よろしくね!」

「うん、よろしく、悠里ちゃん」


しっかりと握手をしながら誤魔化せたことに安堵する。

何とかなった。危ない危ない。


「ゆーぅりー!」

「ん? あ、武君、こんにちは」

「こんにちはじゃねーよー。式終わったのになんでオレに会いにこねーんだよー」


走ってきて私の肩を乱暴につかむ武君。

いたた。武君は発育がいいから力強いんだよね。


「え、あー、探してたけど見つからなくて。卒園以来だね。会えて嬉しいよ」


とりあえず肩にある手をとってにっこり笑う。

小さい子に懐かれて悪い気はしない。


「お、おう。そうだろーと思ったぜ」


悠里はとろいからなーという武君。まぁ確かに、私の方が早く生まれてるのに武君の方が大きいからねぇ。

……もしかして私、武君に妹的に思われてる? …う、わー…それは嫌かも。


「武君も遊ぶ?」

「悠里が遊びたいなら、付き合ってやってもいーぜ」

「うん。じゃあ祐巳ちゃん、この子は武君。武君、この子は祐巳ちゃんだよ」

「んー、よろしくな」

「うん、よろしくね」


仲良きことは美しきかな。

てか私、普通に馴染んでるよねぇ。体が小さいと心も幼くなる…ということにしよう。







「ねーね、どこいってた?」

「は?」


家に帰ると何故か頬をふくらませた優生に詰問された。正座で。


WHY?


「どこ、いってた?」

「が、学校です」

「うそだ!」

「は、えぇえ? ど、どうしてですか?」

「こんなにおそいはずない! おひるにはかえらなきゃめーだよ!」


…む、無理です。幼稚園じゃないんだからさぁ。


「優生、悠里ちゃんに無茶言っちゃ駄目よー」


晩御飯の用意をしながらお母さんが言う。

優生はお母さんを振り向いて『めー!』と言った。


「だめーなのぉ! ねーねはゆーきとおひるたべるのー!」


…可愛すぎて負けそう。でもごめんね、優生。


「お昼休みだけじゃ、往復してご飯食べる時間がないの。わかって、優生」

「むぅー!」

「…悠里ちゃん…甘やかしすぎ。時間があっても帰るんじゃありません。給食を食べなさい」


う。お母さんがいうのが正しいとわかってる。けど仕方ないじゃない! 優生が可愛いんだもの!


優生とは家では一緒にいるけど、遊びに行く時にも普通に見送ってくれてたから大丈夫だと思ってた。優生なりにルールがあったのね。

幼稚園では殆ど午前中だけだったし気付かなかった。


「ごめんね、優生」


でもまぁ、いくら可愛くてもこんな我が侭を聞くわけにもいかない。

私は丁寧に優生に説明して、夕方までは帰らないことを伝えた。

皆と遊ぶのも仕事のうちなのだ。勿論楽しんでますけどね。


「悠里ちゃん、お茶碗だしてー」

「はーい」


とりあえず、日々平穏に過ごしてます。



主人公は意識してませんがさりげなくまとめ役だったので大人の間ではリーダー的に扱われてました。


ちなみに彩ちゃんと実代ちゃんは学校が違いますがちょくちょく遊んでます。


しかし、結構飛んだ気がします。幼稚園での描写皆無ですし。


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