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二度目の私  作者: 川木
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「はーい、それでは悠里先生主催、ドキドキ☆秘密教室を始めまーす」

「……」

「お兄ちゃん、ノリが悪いぞー」

「い、いえーい…。てゆーか、そんな言葉どこで覚えたの?」

「テレビだよテレビ」


私はため息をついてから3枚重ねの座布団に座る。

全く、お兄ちゃんは教師の時もだけど中学生のくせに真面目すぎる。


ここはお兄ちゃんのお部屋。私は自分が持ってきた絵本を四角いちゃぶ台の端において、お兄ちゃんの教科書を覗き込む。

わー流石中1、簡単だー。


「じゃあ行くよ。どこが分からないの?」

「てゆーか、何で絵本持ってきたの? 英語は読めても日本語できないとか?」

「これはね…」


ガチャ―


タイミングよくドアが開いて、お兄ちゃんのお母さんが私ににっこり笑いかける。


「やっぱり悠里ちゃんね、遊びに来たの?」

「こんにちわー、あのね、悠里、お兄ちゃんに、あいうえお教えてもらいに来たのー。自分で本読むのー」


言いながら絵本を見せる。

え、この為だけの小道具ですが何か?


「あらー良かったわねー。高文、モテないからって妹分に手ぇ出すんじゃないわよ。しかも幼児」

「するかっ」

「じゃあね悠里ちゃん、後でおやつあげるから勉強頑張ってね」

「はーい」


バタン。ドアが閉まる。

お兄ちゃんとの関係はうちのお母さんも公認の兄妹関係なので、わりと自由にお兄ちゃんと遊べるのだ。


「さ、勉強勉強。頑張ろうね」

「あいうえおの勉強?」

「やだ。そんなわけないじゃない。悪いけど私、勉学に関してはお兄ちゃんより博識な自信があるわ」

「……5×6は?」


お、さすがにここまで言われては怒ったのかな? けどもうお兄ちゃんには素でいくことにしたし。遠慮はしないよ。


「30。いい国つくろう?」

「か…鎌倉幕府。えっと、じゃあ−5−2=?」

「−7。ってか、確か中1って−の習い始めだっけ。んじゃ、−4×−2×−3は?」

「え、えーっと、−と−だと+だから…にしがはち…はちさん…24!」

「ぶー。正解は−24。残念だね。確かに−と−をかけると+だけど、もう一つあるぶん、+と−をかけて−になるんだよ」

「…じゃあこれ、何て読む!?」

「《バラ》。まぁ薔薇はね、書けないけど読むくらいなら………あー、お兄ちゃん、私が特殊だから落ち込まないでよ。ね?」


ちょっと大人気なかったかな。お兄ちゃんにすれば私、幼児だしダメージおっきいよね。


「…うん。そうだね。どうせ悠里ちゃんなんて、さっきの会話の意味も分かってるんだよね」

「10年たって彼女がいないなら私が初めてもらってあげようか?」

「……勉強、しようか」


あ、逃げた。

でもよく考えたら10年後って私中1でお兄ちゃんは社会人…あ、ないな。

お兄ちゃんロリコンになるし。


「これなんだけど…」

「えー、これは訳すと『彼はケンです。ケンは私の友達です。』だよ。何が分からないの?」

「えーっと、そもそもこのisって何?」


私はぺんをくるりと回して説明をしだす。

えっと、isは三人称単数のbeで…



勉強のレベルに関してはテキトーです。

たぶん中1になりたてなら、こんなもんじゃないですかね。


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