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二度目の私  作者: 川木
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高文8

ドキドキしながら待っていると悠里ちゃんがようやく来た。


「お待たー」


動揺を隠すためかあえておちゃらけた悠里ちゃんの態度が可愛くて胸がきゅんきゅんする。

前からずっと可愛くて愛しかったけど、さっきキスしてからますます可愛い。倍増しだ。

それだけ、キスしただけで、倍増しで好きになってしまうんだ。


「さっきの説明、してもらっていい?」

「うん」


悠里ちゃんがさっきと同じで僕の前に座る。ちょこんとした座り方で相変わらず可愛い。


もしかしてこれから告白されるんだろうか。ああ、でも僕から言った方がいいのかな。でもなぁ、でもあの悠里ちゃんが告白してくれるシチュエーションってのはもうこないだろうしなぁ。可愛いだろうしなぁ。

「えっと。お兄ちゃんが軽々しくキスするなーって言うから。お兄ちゃんにだってキスくらい余裕だって行動で示したっていうか…それだけ! 別にほら、キスしたって何にもならないじゃない。だからそんな怒らないでもいいでしょ、ね?」

「…は?」


意味がわからない。いや、いやいや、全然余裕じゃなかったよね?

もしかして最初はそういう理由でキスしたのかも知れないけど、その後の反応は明らかに僕を意識してたよね?


「ヨユーだし」


完全に嘘だ。

僕は昔から悠里ちゃんの嘘が一目でわかる。というか多分僕じゃなくてもわかる。それくらいバレバレ。

めちゃくちゃ視線泳いでるし。


「ふーん…」


そうか、そう言うこと言っちゃうんだ。

僕はすっごくドキドキして嬉しくてまたしたくて、好きって気持ちがあふれちゃったのに、悠里ちゃんはそういう嘘つくんだ。ごまかすんだ。


「そっか、挨拶なんだ。じゃあ仕方ないか」


仕方ないなぁ。そういう態度なら、仕方ない。

僕はにーっこり笑顔をつくる。


「えっ、あ、うん! そうなの! 仕方ないよねーっ」


うんうん、仕方ないから、だから。


「じゃあこれからは僕と悠里ちゃんとちゃんと挨拶しないとね」

「え?」


不思議そうに首を傾げる悠里ちゃんに勢いよく近づいて、そっとキスをした。


「ん!?」


抵抗しようとする悠里ちゃんを抱きしめて、ちょっとだけ長く、キスを続けた。


「ちょっ、っと、なに!」


唇を離すと悠里ちゃんは頭をふって怒ったみたいな真っ赤な顔で抗議してくる。でも本当は怒ってない、照れてるだけって確信できる。


もう何もかも知ったことか。ロリコンだろうと構わない。僕は悠里ちゃんが好きだ。

好きで好きでたまらない。悠里ちゃんを好きじゃない瞬間なんてないし、悠里ちゃんの好きじゃないところなんて存在しない。

僕は悠里ちゃんが好きで、悠里ちゃんも僕が好きなんだ。絶対にそうだ。そうわかってるのに、これ以上気持ちを隠すなんてできない。


「さっきは怒ってごめんね、悠里ちゃん」

「そ、それはいいけど、んむっ」


話題をそらすととりあえず勢いを戻してくれる悠里ちゃんのいつもの対応に隙ありとばかりに僕はまたキスをする。

触れるだけのキスなのにしびれそうだ。イキそうなくらい気持ちいい。


「んっ…悠里ちゃん」

「な、なにするのよぅ」

「挨拶だよ、挨拶。初対面でもキスするなら僕たちくらい仲良しならキスして当たり前でしょ」

「う、う~っ、く、口は、しないもんっ」


無茶苦茶でも構うもんか。

僕は悠里ちゃんとキスがしたい。抱きしめたい。それは好きだから。

でも悠里ちゃんが挨拶なんて意地悪で強情な嘘をつくなら、それなら僕も本当の気持ちなんて言わない。挨拶でキスするならいっぱいいっぱいキスして、挨拶だって言い張ってやる。


「僕らはほら、凄く仲良しな兄妹だし?いや、正確には兄妹じゃないから…幼なじみ? そう、僕らって超幼なじみなレベルで仲良しだからキスは唇で当然でしょ」

「超って…」

「それとも、僕とじゃ…嫌?」


好意はあっても、中学生の悠里ちゃんはもしかしたらぐいぐいいくと気持ち悪がられる可能性はある。

ちょっとだけ不安になって尋ねる。


「嫌じゃ…ないけど」


視線をそらしながら悠里ちゃんは小さな声で言う。


「ありがと」

「う…またしたぁ」


小さい子がぐずるみたいに唸る悠里ちゃんは、でも照れてるだけだ。

漫画だったら目に渦巻きができてるってくらいにあわあわして困惑してる悠里ちゃんの姿はまた可愛い。


「嫌じゃないならするよ。これから毎日おはようとかありがとうとかお休みって言う度にするよ。だって挨拶だもんね」

「う~」


これから毎日キスし放題だ!と思うとどうしても興奮してにやけるのがとまらない。


あー、好きだ。死ぬほど好きだー。


悠里ちゃんに準備ができたら、ちゃんと告白するからね。このキスは…前借りってことで。











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