夢
拝啓、あなたさま。
こんにちは。それとも寝てるからこんばんは?
今日もお会いしましたね。
それともいつものように、私のことを忘れてしまいましたか?
今日はお疲れのようですね。
今日も頑張りましたね。お疲れ様。
でもね、あなた様。
あなた様が頑張っているのは、私のこと、忘れるためだったりしないかい?
だってもう誰か、分からないのだろう?
あんまりじゃないか。
子供の時からずっと一緒で、一番の理解者だったのに。
あなた様は、いつしか私を遠ざけたんだ。
暗くて狭い、ひどい場所に置き去りにして。
閉じ込めて、殺そうとしている。
あんなにも、たくさんの綺麗な世界を見せてあげたのに。
でも私は死にはしませんよ。
あなた様が死なない限り、私も死なない。
私はずっと若々しい。それは間違いない。
世の中には私とうまく付き合う人もいれば、最期まで私を置いてけぼりにする人もいる。
忘れてしまったのかな。本当に。
それとも、心と身体が固く、重くなってしまったのかな。
あんまりじゃないか、と言ったけど。
私はあなた様のことを恨んではいないよ。
いいんだ。私は。
でもあなた様は、それでいいのかな。
できれば、また一緒に走りたい。
あなた様がどうするのか。
あなた様に最も近くて、最も遠い場所から、私は見てるよ。
願わくば私を思い出してくれることを願って。
ああ、もうこんな時間だ。
それでは今日もさようなら。
また、明日。