表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

(1)キャラクターを作ろう!

色々な意味で危ないんで、なるべく暖かい目でご覧下さい。

「そんなわけだから、PBWで遊ぼうと思うの」

 それはとある日の放課後の事だった。部室に顔を出した俺に、部長はしたり顔で宣言した。

「……どんなわけなのかわからんが……そもそもその、ぴーびーだぶりゅーというのは何だ?」

「PBWっていうのは、プレイバイウェブの略よ。よかったわね、また少し賢くなれて」

 読みかけのラノベ文庫本を閉じ、ゆっくりと顔を上げる。実は今この瞬間まで部長の顔は見ていなかったのだが、予想通りのどや顔であった。

「俺が知りたいのはPBWが何の略称なのかって事じゃなくて。そのPBWってやつはその、一体何なんだって事だ」

「あら、やっぱりPBWに興味があるのね。そうねえ、そんなに知りたいって言うなら教えてあげない事もないけど~?」

「……いや、別にそんなに興味があるわけじゃないから、俺は帰って寝るよ」

 椅子を引いて立ち上がるとほぼ同時。部長は俺の腕をがしりと掴んでその場に留まらせる。

「どうしてそこで帰って寝るという選択になるのか全く意味不明なんだけど。君はギャルゲーでもそういう選択肢を選ぶわけ?」

「仮にこの世界がギャルゲーだとして、目の前に居るのがヒロインの美少女であるとして、そういう仮定が罷り通るなら勿論この場に残るよ。でもこの世界はギャルゲーじゃないし、あんたはヒロインじゃない。つまりそういう事だ」

 ひらひらと手を振って一歩踏み出す。すると女は形振り構わず俺の脚にすがり付いてきた。

「ちょっと待ちなさいよ。一応これも我らTRPG部の活動の一環なんだからね」

「……男の足にがに股で縋りつくヒロインがどこにいるんだ……。それで? つまり、PBWっていうのは、TRPGと関係があるのか?」

「ないわけではないわ。ただ、あるとも言い切れない……ああちょっと! とりあえず一度席に着きなさいよもう!」

 仕方ないので溜息混じりに席に着く。部長も乱れた着衣を整えつつ、咳払いと共に席についた。

 さて、まず我らTRPG部について説明する必要があるだろう。一体誰に対して説明しているのかは俺にもわからないが、そんな事はどうでもいい。

 我らTRPG部は部員数五名の超弱小部である。ここで説明をやめておけばまだ一応部活としての体裁を整えられるような気がしないでもないが、残念ながらこのTRPG部というのは様々な問題を抱えていた。

 まず、厳密にはTRPG部なんてものは存在しない。ラノベの中にありがちなウルトラフリーダムな私立校なら兎も角、うちは誰がどう見たって普通の公立高校だ。故に、TRPG部なんてわけのわからん部活動を学校が許可する筈も無かった。

 ではTRPG部……(仮)……いや、自称TRPG部とは何なのかというと、部員数がゼロになりつつあった文芸部を部長が勝手にそう呼んでいるだけの事である。

 彼女、黒井千代子が潰れかけの文芸部をどのようにして乗っ取ったのか、その経緯については俺も明るくない。というか別に興味も無い。

 一つ重要な事が有るとすれば、俺はこの部活動に参加する際、文芸部だと思って入ったと言う事だ。

 要するに俺は騙されたのだ。理由はシンプル。部活動を成立させる為に必要な最低限の人数を確保する為、である。

 俺がこの女に騙されてTRPG部(笑)に強制参加させられるまでの事はあまり思い出したくないので、この場では割愛する。

 TRPG部……もとい文芸部の部員数は五名。その内三名は幽霊部員で、事実上この部活に参加しているのは俺と部長の二人だけと言う事になる。

 名だたる文芸部の先輩達も、まさか自分達が青春を過ごした部室がTRPG部に乗っ取られるとは思いもしなかった事だろう。

 この狭くて埃っぽい部室の隅に並べられた文芸部の広報誌を読む度、俺はなんとも言えない、非常に申し訳ない気分になる。

「さて、私達は漸く話し合いという名のテーブルについたわけだけど」

「このテーブルはそんな名前だったのか……それで、PBWってのはなんだ?」

「簡単に言うと、インターネットを使ったTRPG……かな?」

「それはTRPGのオンラインセッションとは違うのか?」

 我らがTRPG部である以上、俗に言うTRPGのセッションというものには経験があった。

 その時は幽霊部員の中から一人、比較的かわいそうな奴を捕まえて面子にした。もう一人参加者が居た気がするが、そいつは部長が校内のどこかから引っ張り出してきた素性の知れない人物であった。

 そんなわけのわからん面子で行なったTRPGは、そりゃあもうわけのわからん展開の連続であった。そもそもこの部長がGMなのだから、真っ当な冒険など望めるべくもないが。

「うーん、オンラインセッションとはちょっと違うかなー。というか、厳密な意味ではTRPGではないのよね。あ、TRPGについてはテキトーにググってね」

「ありえないだろその不親切さ。しかしそれならTRPG部の部活動に該当しないんじゃないのか?」

「うーん、そうなんだけど……まあ、実際にやってもらえば共通項が多い事もわかると思うわ。そんなわけで、早速やってみましょう」

 立ち上がる部長。俺はもう怪訝な表情をするしかない。とりあえずネットを使用するらしい事だけはわかったが……。

「って、待て。この部室にネット回線なんて来てないぞ。どうするつもりだ?」

「どうするって、来てる場所に行けばいいじゃない――」


 満面の笑顔で俺を連れ出した先。そこは続に言うコンピューター室であった。

 放課後、この部屋はコンピューター研究部の連中が使用している。彼らは比較的真面目に部活動に勤しんでいるらしく、日夜プログラム言語がどうとか、自作パソコンがどうとかという話をしているとか。いやそれが真面目な活動なのかどうかは俺には判断しかねるが。

「で、何で俺達はそのコンピューター部の部室で、彼らが使用していたパソコンを奪って使っているんだ?」

「だってしょうがないじゃない、うちの部室にパソコンなんかないんだから」

「パソコンがないなら奪えばいいじゃない~? っていうのは最悪の発想だぞ。貴様はハルヒか」

「嫌ねぇ、ちゃんとお願いしたんだってば。第一パソコンはこんなに沢山あるんだから、一台くらい私達が使ったところでなんの問題もないでしょう?」

 確かに、彼らの部活動を妨害しているというほどの事ではないかもしれない。まあ……こちらを恨めしげに見ている子が若干名存在しているが。

 自分達のテリトリーである部室に、いきなり他の部がやってきて居座り、ペラペラと喋っているのだから普通は落ち着かないだろうな。

「さてと、それでは早速開きましてはPBWの公式サイト……っと」

 部長は慣れた様子でキーを打ち込んでいく。ちなみに俺はと言うと、タイピングは学校の授業以外ではやった事がないド素人だ。

 今のご時勢、仮にも文芸部なら文字入力くらいは出来て然るべきだとは思うのだが……なれないものはなれないのだから仕方ない。

 そうこう考えている内に部長はページを開いてしまった。そこにはでかでかとゲームのタイトルが記されている。

「【鏡面世界デュリスフィア】……?」

 サイトのデザインはオンラインゲームに近いだろうか。カラフルな色使い、昨今のラノベにありがちな雰囲気のイラストで、ファンタジックなキャラクターたちが描かれている。

「見るからにファンタジー系のゲームみたいだな」

「そうそう。まあ凄くざっくばらんに言うと、舞台は日本。異世界からやってくる悪い魔物をやっつける、というだけの話」

 めちゃくちゃざっくばらんじゃねえか。まあしかし、わかりやすいと言えばわかりやすいか。

「つまり、これはオンラインゲームなのか?」

「うーん……オンラインゲーム……とも言えるのかな? オンラインで沢山の人と関わりながらプレイするRPGという意味でならそうかもしれないわ」

 ここまで来ても全く何をするゲームなのかわからん。ざっとサイトを見た限りでは、普通のオンラインファンタジーRPGのように見えるのだが。

「君が考えているようなオンラインゲームっていうのは、本当にこう、如何にもゲームですって感じでしょ? 3Dマップを自由自在に走り回り、あちこちに転がってる敵を叩いてレベルを上げて~、みたいな」

「なんだ、違うのか?」

「違うわね。えーと、その実際のゲームプレイ部分をTRPGに差し替えた感じ……かな?」

「……要するに、GMと喋りながらシナリオを進めていくって事か?」

「いやー、そうじゃないんだけど……その辺をもっとシステマチックにした感じというか……」

 まったく要領を得ない。

 そもそもPBWなんて聞いた事もない。TRPGというドマイナージャンルのゲームを知っている俺でも聞いた事がないのだから、更にマイナージャンルの遊びなのだろう。

「全然わからん……というか驚いた。サイトを見てもまるで何をするゲームなのかわからないなんて、そんなジャンルが存在したのか……」

「た、確かに初心者にとっては物凄く取っ付き辛いゲームである事は事実ね。マイナーな遊びである以上ある程度は仕方ないんだけど……こういう遊び! って実際にパっと見てわかる要素が少ないというのも問題なのよね」

 腕を組んで一人で頷いている部長。要するに初見殺しって事じゃねえか……と考えつつ、仕方が無いので世界観というページをクリックしてみる事にした……。




 ――西暦2010年。突如として日本上空に巨大な映像が映り込む事件が発生した。

 【ビジョン】と呼ばれたこの現象は日本各地で発生。多くの人々がこのビジョンを目撃する事となった。

 空に映りこんだ映像は上下が逆様であり、そして現代日本とは全く異なる景色であった。多くの目撃情報が寄せられ、専門の調査チームが組織されるまでにそう時間はかからなかった。

 ビジョンについて調査が進む中、状況を一変させる事件が発生した。ただの映像に過ぎないと思われていたそこから、未知の生命体が飛来したのだ。後に【第1次越境防衛戦】と呼ばれる事件の始まりである。

 未知の生命体に対し、日本は自衛隊で抵抗。しかし襲撃者達は異常なまでに強固な肉体を持ち、通常兵器での殲滅には相当数の戦力が必要であった。

 日本の窮地に対し、世界各国から支援の手が伸べられた。これにより、ビジョンから出現した未確認生命体の一応の撃退に成功。第一次越境防衛戦は終了した。

 しかしその後も度々小規模ではあるものの、未確認生命体による襲撃は行なわれ、日本は具体的な対策を打ち立てられないまま日々を過ごしていた。

 そんな時である。ビジョンより出現した【人間】がコンタクトを試みて来たのである。後に【空人】と呼ばれる彼らは、人間とは若干異なる身体的特徴を保有していた。

 そして彼らから齎された知識により、空に映りこんでいる世界が【デュリスフィア】と呼ばれている事、彼らがデュリスフィアからやって来た人間であると言う事。そしてデュリスフィアは【レギオン】と呼ばれる生命体により滅びに瀕しているという事が明らかになった。

 デュリスフィア人とも言うべき空人達は、空に浮かんでいる【境界線】を超え、こちらの世界に逃げ込んだのだという。

 日本政府は空人を保護する事を決定。同時に彼らの知識を取り込み、レギオンへの対策を練り始める。

 1年後、2011年。日本は大規模なレギオンの境界線突破を確認。【第2次越境防衛戦】の始まりである。

 1次と比較し数倍の戦力で押し寄せたレギオンに日本は甚大な被害を齎された。最早国家としての成り立ちすら危うくなった日本ではあったが、希望の光はあった。

 異世界からやって来た空人から齎された【魔道技術】、そしてレギオン出現とほぼ同時期に現れた【覚醒者】の存在である。

 覚醒者の多くは第一次越境防衛戦時に被害にあった少年少女であった。彼らの身体には覚醒者の証である【スティグマ】が出現。人知を超えた異能の使い手として、レギオンに対抗する力を得たのである。

 第2次越境防衛戦は空人達の魔道と覚醒者の活躍により、一応の決着を見る。しかし日本各地に散らばったレギオンはその後も日本に残り、人々を苦しめ続ける事となった。

 2012年春。日本政府はその中枢機能を比較的被害の少なかった九州へと移し、そこに覚醒者養成の為に組織を設立する。

 【要塞学園都市シャングリラ】。そこは人類がレギオンに対抗する為に生み出した技術の結晶。そして、世界を救う最後の希望であった――。




「…………なっげー!!」

 思わずマウスを放り投げそうになってしまった。

「なっげえよ! こんなに冒頭から行き成り説明全部ぶっこむなんてラノベだってやらねーぞ!」

「一気に読むのが悪いんでしょ? どうせやってればわかる事なんだから、斜め読みでいいのに……っていうか読まなくてもいいのに」

 何ィ、読まなくてもよかったのか……そういう事は早く言ってくれ……。

「まあ、このゲームは異世界からやってくる脅威、【レギオン】をやっつけるゲームね。プレイヤーは要塞学園シャングリラの生徒になって、覚醒者や空人として敵と戦うわけ」

「……ありがちな設定だな。そこはかとなく色々なゲームやラノベのパクリっぽいような気がする」

「それは否定出来ないわね。でもこういうゲームの場合【●●っぽい】っていうのは結構重要なのよ。ただでさえわけわかんないゲームなんだから、すんなり入り込めるようなわかりやすい設定は必要なわけ。場合によってはそれがパク……インスパイアと呼ばれる事もあるわ」

 ん、んー……まあ、そういうものなのか……。確かにTRPGも結構●●のパクリだろ……っていうのはあるよな。逆にロールプレイする側としては遊びやすいのだが……。

「さてと。とりあえずざっくり世界観がわかったら、キャラクターを作ってみたら? アカウントは取得しといたから」

「キャラクターを作るもんなのか。というか俺はまだこのゲームがなんなのかよくわかっていないのだが……」

「こまけぇこたぁいいんだよ。いいからとっとと作れ!」

 手を置いていたマウスの上に自らの手を重ね、強制的にキャラクターメイクを開始する部長。俺はその様子を死んだ魚のような目で見ていた。

「……ちょ、ちょっと! 何気安く手に触ってるのよ!」

「お前が置いたんだろ……」

「そ、そうだっけ? と、とにかく! この空いてる所に色々と入力して行くだけだから!」

 慌てて飛び退く部長。理不尽だ……圧倒的理不尽だ。しかしまあ、いちいちそれにつっこんでいては身が持たない。だから俺はあえて思考を鈍らせる。

「名前、性別、年齢……おっ? 選べる年齢の範囲がかなり限られてないか?」

「このゲームに出てくるプレイヤーの化身、【覚醒者】っていうのは、基本的に十代の子供なのよね。だから範囲はその辺に限定されるわ」

「へぇ……この種族っていうのは……」

「今の所は人間と空人の二種類ね。空人はえーと……まあ、エルフみたいなものよ。魔法が得意で、背中に羽根があったりするわ」

「空人を選ぶと選べる年齢の範囲が広がるのは、空人は別に子供に限定されていないからか?」

「そういう事ね。物分りがいいじゃない。舞台は一応日本だから、覚醒者を選んでおけば比較的ロールプレイは楽かもしれないわね」

 なるほど、ロールプレイ。そんな要素が存在するのか。

 RPGという言葉で昨今よく耳にするようになったロールプレイ。しかし本来の意味は……要するになりきるという事だ。

 TRPGでそれは散々教えられたが、ロールプレイというのは実は結構難しい。なりきるにしても、なりきる先の知識や情報を記憶しなければならないからだ。

 例えばこのゲームでいうと、空人というのは異世界人である。もうその時点でこちらの世界の一般常識が全部通じない可能性が有る。

 勿論、プレイヤーが選べるようになっているのだから有る程度こちらの世界の知識は持っているんだろうが、始めるための敷居が高いのは否めない。

 そこを行くと覚醒者はこの世界の人間で、しかも学生と来ている。義務教育という素敵な制度が存在しているお陰で、少なくとも日本人は中学校までは卒業した経験があるはずだ。

 であれば、日本の学生の気持ち、彼らの常識についても自ずと理解しているはず。ならばロールプレイ……なりきる事もそれほど難しくは無い。

 要は自分の経験に、特別な力を使えるという設定を付与して想像するだけだ。それなら……以前TRPGをプレイした時のようにはならないだろう……。

「何青い顔してんの?」

「いや、むしろ赤くなってるというか……なんでもない」

 種族は覚醒者を選択。年齢は自分と同じと言う事で、17才を決定した。更に髪や目、肌の色や体格などのパーソナルデータを入力して行く。

「大体出来たみたいね。後はその自由設定欄を記入すれば終了よ」

「ん? 自由設定欄?」

 これまでの設定は名前を除けばボタンをクリックして選択して行くだけだったのが、ページをスクロールした一番下に、唐突に四つ空欄のスペースが出現した。どうやら文字入力を行なうようだが……。

「そこはね、そのキャラクターの設定を好きに書き込めるの。どういう過去を背負っているかどか、どういう性格だとか、内容はなんでもいいわ」

「な、なんでもいいのか?」

「ええ。このゲームはね、プレイヤーキャラクター一人一人に独自の設定をつける事が出来るの。だから、数値や容姿以外にも設定という面で自分だけのキャラクターを作る事が可能なのよ。PBWじゃ当たり前だけどね」

 なぜかしたり顔の部長を無視し、俺は入力欄と睨めっこする。

 さて、設定をなんでもつけていいと言われても……正直まだこのゲームの事をよく判っていないのでなんとも言えない。どうしたものか。

「もし迷ってるなら、今は設定をつけないっていうのも手よ。ゲームを開始してから何度でも変えられるしね」

「それじゃ設定がめちゃくちゃになるだろ?」

「ならないように、運営が有る程度チェックしてくれるのよ。それにキャラクターは冒険の中で少しずつ成長して行くものでしょう? 後々そういう成長も設定に反映させられるってわけ」

 なるほど。それにしてもつくづく自由なゲームだ。いや、しかしこの流れはTRPGのキャラクターメイキングに非常によく似ている。

 結局設定欄は少しだけ埋めて、後で作れるように空欄を残しておく事にした。こうして俺の分身となるキャラクターが、初めてPBW世界に誕生したのであった。

「へえ。クラスはパラディンにしたんだ」

 画面を覗き込む部長。なんか……こう、自分の妄想を覗き見されているようで、ちょっと恥ずかしい。いや、TRPGの時もそうだったのだが。

「ステータスの割り振りは……ふむふむ。典型的な前衛職って感じね」

「この手のゲームは特化型を作るに限るからな」

「そうとも言い切れないけどね。まあ、君は特化型好きだもんね。前にTRPGした時も……なんだっけ? 【漆黒の風】だっけ?」

「漆黒の風の話はやめろォオオオ! 人の黒歴史をあっさりと掘り起こすじゃない!!」

 ちなみに漆黒の風……と書いて、【ブラック・フェザー】と読む。こいつがなんなのかは……いや、もうこの話は……やめよう……。

「あははは、ごめんごめん! それじゃあさっそくログインしてみましょう。そうしたら少しはPBWがなんなのか、わかると思うわ」

 こうして何がなんだかよくわからないまま、俺はPBW、【鏡面世界デュリスフィア】をプレイする事になってしまった。

 ちなみに、またマウスを操作するのに俺の手の上に自分の手を重ねた部長は、一人で盛り上がって俺の側頭部を叩くという暴挙に出るのであった……。




●パーソナルデータ

【名前】:真崎 宗助

【性別】:男

【年齢】:17

【種族】:人間(覚醒者)

【髪】:黒

【目】:赤

【身長】175

【体重】64

【肌】:日本人

【一人称】:俺

【二人称】:あんた

【クラス】:聖騎士


●ステータス

【攻撃】:62

【防御】:85

【受防】:105

【魔攻】:40

【魔防】:70

【受魔】:90

【命中】:50

【回避】:33

【装備】:80

【移動】:3

【行動】:2

【HP】:80

【MP】:25


●スキル

未取得


●熟練度

【盾】:LV1

【剣】:LV1


●設定

【1】

 第1次越境防衛戦時、故郷を失う。その後覚醒者としての適正が発覚し、避難先に待つ家族や友人を残しシャングリラへやってきた。神奈川出身。


【2】

 人々を守り、自分と同じく故郷を失う者が出ないように戦う事を決意。しかし手に入れた力の使い道やこれからの事には不安を抱えている。


【3】

 未設定


【4】

 未設定

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ