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始まりの街(エンドワールド)


「オー、クレイジー、ビリヤニチャンピオン……」


「はぁはぁ」


 説明しよう、なんか勝った。

 隣の対戦相手のインド人もかなりの強敵だったが、俺はなんとか文字通り食らいついてビリヤニの皿ごと食べ切り。その後、ひたすら皿だけを食べていたら相手が降参したのだ。


「優勝特典はデスドラゴンだってにゃ!やったにゃね!」


 ピカチ〇ウが呑気そうに優勝特典を教えてくれる。似合わないほど可愛らしいピンクのリボンで飾り付けされているバカでかい殺戮者がこちらを待っていた。

 草むらとは違い、近くで見てみるとなかなか強そうだな。檻とか拘束具が無くて平気なのかよ。

 ピカチ〇ウと見比べながらこの先の未来について考える。


「…………ピカチ〇ウ、今までありがとう」


「最低にゃ!!さっき少し嬉しかっにゃのに!もう浮気にゃ!?」


 ピカチ〇ウがピョンピョンと跳ねて新しい技を披露しているが俺は新しい相棒を迎えに行く。


「よーしよしよし。デスドラ、名前を付けようなー?」


 何にしよう。長いと『行け!オーバーキルなんとか』で試合中に詠唱が終わらなくなるし、短くコンパクトでカッコよくしたい。


「gua?」


「いや、アイツとは……その女友達というか……そんな浮気とかじゃなくて……はい……はい……」


「Gyaaa!!」


「わ、悪かったよ、もう口答えしない……」


「なんで飼い慣らされてるにゃ!?」


「ずっと『女性ホルモンバランスにおける心体的負担を考えて私と接して』と訴えてくるんだが、この鉄屑」


 さっきから鉄屑がネチネチとドロドロと将来設計を再々々確認してきてる。


「た、多分モンスターテイマーとしての通訳パッシブスキルにゃね?名前はそれでいいにゃ……?」


「えーっと、あれ?オンオフできないのこれ?あ、というかだから……デスドラは家庭的なんだ……知りたくなかった、幸せの背景が不幸だなんて……」


「ga?(計画性も収入も無く私を大切にも出来ない、約束も守らない、他のメスにうつつを抜かしている、貴方にとって所詮、私はペットなのよね???ふーん、そうやって私を見てくれないのに都合の良い時ばっか戦えって頼ってくるのよね??)」


「すみません、返品で」


 俺は隣のインド人に優勝を譲ることにした。いち早く手放さないと俺も家庭的になってしまう。


「待つにゃ!どうせなら金にするにゃ!」


「嫌だ!こんな束縛メンヘラデスドラゴン俺が求めていたデスドラゴンじゃない!『ガハハ!それでこそ人間だ!』みたいな脳筋が良かった!!最終決戦は背中に乗って戦うところまで想像してたのに!」


「ペットショップまでの数キロだけにゃ!我慢するにゃ!ほら、機嫌とるにゃよ!」


「鉄屑、今日も可愛いな。お前を見てると胸が(ストレスで)ドキドキするぜ、なんだそのリボン?キスしていいか?クソ似合ってねえぞ」


「gunn(どうせ全員に同じこと言ってるくせに、これだから人間は安いプライドと安い言葉で直ぐ媚を売って、そんなので喜ぶのも同じ下等なメスだけ、私が欲しいのは本物、そう私を本当に認めてくれて私より強くて私を守ってくれてて、身長はもちろん4メートルね)」


「インド人!!!カムヒアー!ユーアービクトリー!!」


「それを言うならウィナーにゃよ……」


 そうして俺は語彙力が消滅するまで褒めちぎりペットショップを目指した。


【インド人】

ビリヤニ早食いコンテスト準優勝


【アイルロス・フェリス・コット・マウ】

通称ピカチ〇ウ


【人間】

お腹の中がジャリジャリしてる

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