泣いて愛を乞う婚約者を愛することに決めました
「フレデリカ様はいつライナス様を解放してくださるんですか?」
とある日、学園の教室にて。
一つ前の講義で出された課題を早々に片付けようと、机に向かうフレデリカの前に見知らぬ女生徒が仁王立ちした。ふわふわとしたハニーブロンドの髪を可愛らしくハーフアップにした彼女は、その見た目に反してキリリと目を釣りあげている。
「失礼ですが、どなたですか?」
「私のことはどうでもいいんです。名乗る程の者ではないので。で、どうなんですか?」
どこかですれ違ったことすらもなさそう。そう判断したフレデリカが尋ねれば、仁王立ちした彼女はツンと顔を逸らす。自分の情報は与えたくないらしい。どうなんだ、と迫ってくる彼女からフレデリカはふいと視線を外し、課題に向き直った。
「え、ねぇちょっと!」
「……」
「は? 無視?」
ペンを片手に資料に目を向けるフレデリカの様子に、仁王立ちしていた女生徒は信じられないと書いた顔で後ずさる。なんなのこいつとでも言わんばかりの態度に、フレデリカは溜め息を吐きつつ彼女に目線を戻した。
「無視も何も…名乗りもしない不審者からの質問に答える必要性がどこに?」
「なっ…! 不審者って誰のことよ!」
「どこからどう見ても貴方ですけれど」
「この学園の生徒よ! 見て分かるでしょ、不審者じゃないことくらい!」
キャンキャン吠える女生徒に、フレデリカは呆れ返って机に頬杖をつく。淑女教育を叩き込んでいる教員が見ていたらすっ飛んでくるだろう態度である自覚はあったが、それよりも呆れての脱力が先に立った。
「質問を変えましょう。貴方、誰に許可を取ってこの教室に入られたので?」
「は? 教室に入るのに許可なんて、」
「このクラスだけは許可が必要なんですよ、アリス・ネペント嬢」
はあ、と溜め息と共に壁際でフレデリカの指示を待っていた護衛役の生徒に目線をやる。心得たとばかりに彼らは女生徒――アリス・ネペントの両腕を掴んで素早く拘束した。
「は、え、ちょっと! 離してよ!!」
「今度から特進クラスに入られる際は、校則に則って許可を得てからにされるのをオススメします」
「特進クラス…?」
何それ、と呟きながらズルズル引き摺られて消えていくアリスに、フレデリカがそれ以上目線をやることはない。やかましいのが静かになったくらいの無関心さで、改めてペンを取る。
「あれが今噂のネペント嬢?」
「……ああ、殿下。みたいですよ」
声を掛けてきた人物を見て、無視をすることも出来ずフレデリカは再びペンを置く。相手が王族ではあしらいようもないし、溜め息をグッと飲み込んで返答した。これではちっとも課題が進まない。
十二から十六までの令嬢令息の通う貴族学校の一つ。この学園には上は王族、下は男爵位――時には特待生の平民と多くの子供たちが集まっている。その中でもフレデリカが籍を置く特進クラスは、特別なクラスだ。
まず王族とその婚約者は必ず特進クラスに所属となる。その他、他国の王族らが留学してきた際にも。他に今籍を置くのは、自ら商会を立ち上げた商会長、薬学を極め一昨年の疫病を無事収束に導いた研究者、平民出身だが特殊な魔力持ちで研究対象となっている少女、その少女の話し相手兼研究助手。皆が皆、国が目をかける逸材たち。その特進クラスには護衛が置かれ、許可なく他クラスの人間が入室することは校則により禁止されている。
学園入学前に商会を立ち上げ、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで成長するフィズ商会会長こそ、先程女生徒に絡まれていたフレデリカ・フィズである。商会の勢いそのままに、学園卒業と共に男爵位を得ることも決まっている。
「で、フレデリカ嬢はネペント嬢のことを実際どう思っているんだい?」
「どうとは?」
「それこそほら、ライナスとの仲が気になったりとか」
フレデリカはフィズ子爵家の長女だ。双子の兄が優秀なのと、本人の類まれなるアイデアを活かし、幼くして商会を立ち上げた。未成年の子爵令嬢の商会なぞ、信用も何もあったものではない。ちょうどその頃婚約話が持ち上がったシモン伯爵家と婚約を理由に協力体制を築き上げ、今のフィズ商会にまで押し上げた。とはいえフィズ家と商会にだけ旨味があった訳ではなく、婚約の前の年に起きた大規模な干ばつの被害を受けていたシモン伯爵家に金銭的・物品的支援を行ったのだ。
その婚約者こそ、先程女生徒が名前を上げたライナス・シモン伯爵令息である。
ライナスはシモン伯爵家の三男。物静かな青年だ。フレデリカよりひとつ上の彼は、フレデリカの言うことに否やを唱えることはほぼほぼない。従順にフレデリカの求めるまま振る舞う。爵位で言えば上のライナスが自分に対し過分に気を遣う姿を見て、フレデリカは早々に色々諦めた。
現フィズ子爵夫妻は、政略結婚ながら恋愛結婚だったのではと思わせるほどのおしどり夫婦だ。両親ほど、が難しいのはフレデリカも十二分に理解している。その上で、ほんの少しでも両親のような、政略を超えた関係値をいつか婚約者と築くことが出来ればと夢見ていた。だがライナスの様子を見て、それは難しかろうと思わざるを得なかった。何せパワーバランスが最初から破綻している。フレデリカとしては対等な関係性を築きたかったのだが、徹頭徹尾ライナスが下手に出るのを見ては、フレデリカの努力だけではどうにもなりようがなかった。
「私としてはどうでもいいですね」
「どうでもいいとは?」
「そのままです。ライナス様が婚約を無かったことにしたいのならそれはそれ。ネペント嬢との関係性は正直、彼女が騒いでるだけのようですからこのまま継続でも私としては何ら問題ないですね」
アリス・ネペントは本人は知らぬが有名人だ。ネペント男爵の庶子――つまりは平民だが、男爵の意向で入学。学園に入学したとほぼ同時にありとあらゆる男子生徒に粉をかけ、既に何件か学園側から注意を受けている。厳重注意に至っていないのは、これまで彼女がちょっかいを出したのが、これまで婚約を公にしていなかった家々だったからだ。だがフレデリカとライナスは違う。
本来、フレデリカ側がアリスの振る舞いを学園側に通告すれば、そのまま厳重注意となる。なんなら平民が貴族の婚約にヒビを入れようものなら退学待ったなしだ。だが、フレデリカとしてはどうでもよかった。ライナスがアリスと親密という噂は、アリス自身が流しているもののみ。フレデリカとしてはライナスが婚約継続を望んでいて、アリスとの関係性を一切認めないのであればそれが全てというスタンスだ。
ただ一つ厄介なのは周囲の目だった。ライナスはフレデリカの前でこそ物静かだが、アリスとの噂にだけは声を荒らげて反論する。その姿を、フレデリカだけを愛するからこそだという見方と、図星だから普段穏やかな彼が人が変わったように騒ぐのだと、評価が真っ二つとなっている事だ。要するに丁度いい噂話のネタにされているのだ。ネタにされるのなら尚のこと、騒ぎ立てるのは悪手。後々、不名誉な噂に加担した者には何らかしか報復できるよう情報収集だけは怠らない。そのうちライナスにも伝えてやろうとは思っている。テスト期間のせいでここしばらく会えていないが。
「フレデリカ嬢はブレないな」
「まあこのくらいは。商会で色々揉まれておりますので…」
淡々と切り返すフレデリカにひとつ苦笑いを浮かべ、何かあったら力になるからと去っていく王子を見送った。入れ替わりに王子の婚約者の公爵令嬢がフレデリカの前の椅子に腰を下ろす。
「フレデリカ、大丈夫?」
「ええ。噂は噂ですし、特に証拠もありませんのでネペント嬢とライナス様の仲を邪推する必要はないかと」
「……証拠はないにしろ、こうして噂が立っているのは貴方にとって不快でしょうに」
「まあ快か不快かで言えば不快ですが…この程度なら、まあ」
「大抵飲み込めるのは貴方の美徳なのかもだけれど、知らぬ内に溜め込まないようにだけしなさいね」
「……ありがとうございます、気を付けます」
面白がっていただけの王子と異なり、友人でもある公爵令嬢はフレデリカをしっかり労わってから席を立った。二人は確か、午後から王城に向かうのだと聞いていた。わざわざ自分のために時間を取らせたことをほんの少しだけフレデリカは申し訳なく思った。
課題をこなそうと思っていた気が、完全に削がれてしまった。これなら久しぶりに本でも読む方が建設的だ。課題は放課後、商会で書類仕事をこなす際についでに片付けることに決め、フレデリカはその後読書に勤しむ。学園にいる間に、フレデリカがライナスに会ったり言伝を頼むことはなかった。
その日の夕方。制服のまま商会の執務室で書類仕事をこなしていたフレデリカの元に、秘書が約束のない来客を告げる。
「来客? どなたですか?」
「婚約者のライナス・シモン様です。急ぎのため、お約束は無いがお会い出来ないか、と。随分慌てたご様子でしたが…」
「……お通しして。お茶は私の方で準備できますから、早々に人払いを」
課題も書類仕事も一段落ついていて良かった。一人呟いてフレデリカは机上の書類を片付け、紅茶の支度を始める。湯を沸かし、カップを温めている最中ノック音が響いた。
「どうぞ」
「……失礼する」
「ライナス様、ようこそお越しくださいました」
「急に、すまない」
「いえ、何かお急ぎとのことで。どうぞお座りになってください」
「……いや、」
歯切れ悪く、所在なさげに立ち竦むライナスを、フレデリカは再び笑顔で応接用のソファーへ勧める。二度目でようやく腰を下ろしたライナスに珍しいとフレデリカは小首を傾げつつ、手ずから淹れた紅茶のカップをライナスの前にサーブした。
「……カモミール」
「ええ、お好きでしょう?」
「……」
カモミールとダージリンのブレンドティー。ライナスから以前に好きだと聞いていたから選んだ茶葉だったのだが、その顔は暗い。はて、とフレデリカは今度こそ首を捻った。
「…先触れもなく、急にすまない」
「ああ、いえ。先程も謝って頂きましたし…どうされたのです?」
「その、あの、」
「…え、ライナス様?!」
突然ぼろ、とライナスの眦から、大粒の涙がこぼれ落ちる。言葉を探しているらしいライナスはぼろぼろと泣いていて、フレデリカは驚きに思わず淑女教育の賜物でここ数年出していなかった大声をだす羽目になった。
「え、あの、どうされたのです」
「フレ、デリカ…」
慌てて向かいに座っていたライナスの隣に回り、ハンカチを頬に当ててやる。涙を拭うこともせずぼろぼろと泣くライナスは、頬に添えられたフレデリカの指先をハンカチごと弱々しく握りしめて、くしゃりと顔を歪めた。
「俺が…俺が、うまく令嬢をかわせないがために…フレデリカに心労を、かけたと…」
「……ネペント嬢の事ですか?」
「名前は覚えてない…毎回やかましい…」
「あー…多分十中八九ネペント嬢ですね。ハニーブロンドの髪の、可愛らしい方です」
なんだ不貞の懺悔か何かか。一瞬白けたフレデリカだったが、ライナスはグズグズ泣きながら名前は覚えていないだの、やかましいだのと散々な言いようであることから、ん? と違和感が浮かんだ。とはいえこれも、婿入りするための取り入りかもしれない、と思えば相対する声音も硬くなる。可愛らしい、と推定不貞相手を評したフレデリカに、ライナスは首を振った。
「可愛いのは、フレデリカだ」
「……は?」
涙の勢いこそ止まったが、まだ泣いたままのライナスは、アリスの名前を出しながらそっぽを向いていたフレデリカの頬に手を添えた。片手はハンカチごとフレデリカの手を掴んだままである。少し近付けば唇が触れそうな距離に驚いて、フレデリカは頬が熱を持つのを感じた。
「フレデリカは、俺の初恋なのに…! 何故あんなやかましい女と恋仲だのと言われなければならないんだ…!」
「…………え?」
心外だ、とでも言いたげにまたぶわ、と涙を溢れさせて泣き始めるライナス。そして、そのライナスからもたらされた告白に、フレデリカは赤面したことも忘れ呆然とした。
初恋。読んで字のごとく、初めての恋。ライナスの初恋が、フレデリカ? そんな馬鹿なと思った。何せフレデリカはずっと、ライナスから遠慮され、一線引かれてきたと感じている。それが初恋などと。愛されていたなど、そんな。
「あの、ライナス様」
「…令嬢の事でフレデリカを不快にさせていてすまない。拒絶したことでどんどん騒ぎ立てられるとは思ってもみなかったんだ…」
「え、や、はい。あの、ライナス様?」
フレデリカの頬からは手を離したものの、握りしめたままだった指先を両手で包み込んで、ライナスはまるで自身の不甲斐なさを懺悔するかのようだった。確かに、はっきりとした拒絶から盛り上がるケースは稀も稀である。だがそこから上手く立ち回れなかったのは、ライナスの瑕疵だ。だがライナスは物静かなことと、三男という立場であまり揉め事の矢面に立つ機会もなかった。それらが立ち回りに影響することは想像に難くない。
「あー……ライナス様、一つ質問が」
「ぐすっ…なんだ?」
ぐず、と鼻を鳴らしながらフレデリカの目をまっすぐ見つめるライナスは、まるで迷子の子供のようだった。涙の膜が張って、ゆらゆらと波打つ瞳は、目尻が真っ赤になっている。泣き出すのを耐えるためか、きゅうと噛み締められた口元は、フレデリカよりひとつ上だと言うのに子供らしいというか――フレデリカの語彙力では、愛らしい、という表現にしかならなかった。
そう。子供っぽくて、可愛らしい。澄ました顔でフレデリカに唯唯諾諾と従っていたライナスの様は、もしかすれば彼なりの精一杯の愛情表現だったのかもしれない。けれどフレデリカには、それは心を開かない拒絶にしか見えていなかった。だからこそ、泣き喚いてフレデリカが初恋だと零すライナスの姿は、見ようによっては無様で不格好だが、それ以上にフレデリカの胸を打つものがあった。
初めてライナスに対して胸の高鳴りを感じつつも、フレデリカはライナスに聞かねばならない。ぽろぽろと涙を零し続けるライナスに心を鬼にして、フレデリカは口を開いた。
「……ライナス様は、私の事お好きだったんですか?」
「――っ当たり前だ!!!」
まさしく絶叫が、執務室に響いた。
ライナスの、信じられないと言わんばかりの叫びが響いて数分。何事かとバタバタとフレデリカの秘書が、人払いはしていたが流石にと執務室のドアをノックし、返事も待たぬまま開け放つ。
「フレデリカ様っ――…え?」
「……閉めてください。何事もないので」
まさか伝わってないなんて、とさめざめと泣きながら、ぎゅうぎゅうとフレデリカを抱き締めるライナス。半分ほど死んだ魚のような目で、でもどこか楽しそうにライナスの背中をぽんぽんと叩きあやすフレデリカ。予想だにしない光景に、秘書はあんぐりと口を開けた。
開け放たれた扉に気付いたフレデリカが、あちゃあ、と書いた顔で秘書に指示をする。何も無いなんてことはないのでは? と秘書は思ったが、今まで見たこともないほどに柔らかい微笑みでライナスをあやすフレデリカを見ては、何らかの雪解けが二人の間にあったのだろう、と年長者として見守る心でそっと扉を閉めた。バタバタと自分に追随していた護衛やら商会員を改めて人払いしながら、あと少なくとも二時間は二人きりの時間にしてやろう、と独り言ちる。
まさか秘書に微笑ましく見守られているとは露知らず。号泣するライナスからフレデリカが聞き出したのは、こうだ。なんとシモン家では最初ライナスの兄――次兄のユースミスをフレデリカの婚約者に挙げる予定だったらしい。だが両家全員揃っての最初の顔合わせで、フレデリカに一目惚れしたライナスが懸命に両親と兄に働きかけたと。
フィズ子爵家は格下であるし、当時商会が大きくなる見込みもなかった。更にフィズ子爵家はフレデリカの兄が継ぐ。だが傾きかけたシモン伯爵家には、渡りに船だ。長兄は伯爵家を継ぎ、あとの二人をどうするか。フレデリカと婚約すれば、商会が大きくなれば安泰だが、そうでなければ平民として商会を細々続けていく形になるだろう。それでも路頭に迷うより余程いい。伯爵夫妻の親心だった。仮に細々と商会を慎ましく続けることになる未来が来たとして、それならば愛がある方がまだ耐えられるだろう。そうした思いやりから、次兄より先に婚約者を得るに至ったのだという。
「あの日から…俺はずっとフレデリカが好きなのに…!」
まさか伝わってないなんて。あんまりだ。グズグズと泣くライナスをあやしながら、フレデリカは仕方ないじゃないかと苦笑う。ライナスはどうやら、頼れる婚約者、気の遣える婚約者を目指していたらしい。が、恥じらいなのかこれまで一度もフレデリカに好きの一言もなかった。それがあれば拗れなかっただろうに、とは思うが、ライナスの様子だけを見て没交渉だとそうそうに匙を投げたフレデリカにも責任はある。ぽんぽん、とライナスの背中を何度か軽く叩いてさすってやりながら、フレデリカはくすくすと笑った。
「ライナス様は泣き虫だったんですね」
「うっ……すまない……」
「謝らないでください。…こうしてライナス様の本音が聞けるなら、幾らでも泣いて頂いて良いです」
「幾らでも、は…なにか違くないか…?」
ようやく涙が落ち着いたのか、フレデリカを抱きしめていた腕を緩めて、ライナスはフレデリカの発言に指摘する。泣きすぎたのかぽやぽやとした眠たげな目元がやはり可愛らしくて、フレデリカは微笑みながらその眦に残る涙を、指先で拭ってやった。
「愛されてると、初めて知ったので。貴方が泣くほど私を好きでいてくださるなら…泣き顔も愛おしいなと、そう思ったんです」
「っ、フレデリカ…!」
また泣き出して抱きついてくるライナスに、フレデリカは声を上げて笑う。
両親のような、は難しくとも政略を越えた関係値を婚約者と築けたらというのが、フレデリカのささやかな夢だった。それがどうやらいとも簡単にかなってしまったらしい。思っていた以上に泣き虫で甘えん坊かもしれない婚約者の姿に驚きはするが、嫌悪感も何もないどころか、可愛らしいとさえ思える。
これは多分、とフレデリカは一人笑う。多分、両親も越えたおしどり夫婦とやらが目指せるかもしれない。
それからしばらくの間――秘書が気を利かせたタイムリミットまで。泣くライナスと笑うフレデリカは、ピタリと噛み合った半身同士かのように、仲睦まじく抱きしめ合っていた。