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3.返事

重苦しい空気の中、イーブは口を開いた。


「えっとね、まずね、ぼくに婚約者はいないよ。

ぼくね、姫様に会った時にこんなに綺麗で優しい人この世にいるんだって思ったんだ。


姫様と話すのは楽しいし、胸のところが嬉しくなる。

でも、隣って結婚するってこと?

結婚はまだよくわかんない。


でも、姫様を置いていくのは嫌だなって思った。

ずっと一緒にいられるならいたいって思った。


でも、結婚は簡単に決めちゃだめだって、

もし結婚したいなって思ったら、ちゃんと相談してって母様に言われたことがあるんだ。

だから、結婚は今決められない。

ごめん、ごめんね。

だから、今は返事できないけど、また逢いに来てもいい?

ぼくは姫様にまた逢いたいよ」


父様と兄様達は目を見開いて驚き、母様は驚いた顔をした後しょうがないわねって顔をしていた。


「そう・・そう!!

すごくすごく嬉しいわ。生きてきて、この世に誕生して一番嬉しいわ。

もし、あなたがノエルとコーデリアと話をして、だめってなっても私は何もしないわ。

でも、たまには会いに来て欲しいわね。


でもそうね、今だけは期待をしていいでしょう?

ふふあなたを抱きしめたいくらいだけれど、まだあなたじゃ私の魔力に耐えられないわね。

むしろその歳でこれだけ話せるのも凄いことなのよ。

魔力量が多いのね〜

・・・・ねぇ、手を握ってもいーい?」


ぼくは父様と母様の方を見た。

父様がゆっくり頷いてくれた、母様もにこっと笑ってくれた。

だからぼくは

「いいよ」

そう言ってぼくは立ち上がって姫様に近づいた。


姫様とぼくたちの間には結界があって、姫様が内側にいる。


あれは姫様達を守り、高濃度の魔力を結界内に留め、人間が傍で話せるようにといった意味があるらしい。結界があっても、この辺一帯は魔力濃度は濃いらしい。


そして姫様はその結界から手を出してきた。

「あなたなら中に入ってもいいけれど、まだ早いからね」

結界内は完全に妖精たち、妖精姫のテリトリーのため、マリアーナが認めた者しか入れない。

マリアーナが愛しいと思ってる子だけ入れるらしい。

だが、結界内の魔力濃度はとても濃いため、入ってもいいと言われても

体耐えられないため入れない者もいる。

魔力耐性のあるものしか入れないのである。魔力が多いと自然と耐性も上がるため、

基本的には魔力が多い者しか入れないのである 。

だが、たまに魔力が低くても魔力耐性の高い者もいるため、例外はあるが。



姫様はそっと震えながらぼくの手を触った。

握ると言っていたのに、触るだけだった。


姫様はゆるーく微笑み口を開いた。


「手を触るだけでこんなに愛しい存在がいたなんてね

それと加護はもう少し大きくなったらあげるわ。

私の加護は三つあるのよ。


三つもあげるほど愛しい子なんて会ったこと無かったから、普段は一つか二つあげているの。

魔力量も増えるから、体が耐えられる年齢の方がいいわ。

多分、今でも耐えられると思うけれど万が一もあるし、


それに魔力量が増えると魔力操作が難しくなるの。

あなたはかなり多い方だから、それでも苦労すると思うから。

魔法も上手くなってからね。


大きくなったら、必ず会いに来てね。

さっきのお話がどうなったとしても加護はあげたいの。

愛しい子には愛しいと伝えない訳にはいかないのよ」


「わかった。父様、母様加護もらってもいーい?」


「あっ、ああ。結婚の話は少し話し合ってからだが、愛を伝えることですらだめとはいわないさ。それに加護をいただくことは喜ばしいことだからな。だが、妖精姫様の三つの加護持ちとなれば今後がな、、」


「あなた!それも後で話し合いましょう。姫様、結婚の話はどうなるか分かりませんの。

申し訳ありません。ですが、私達の子をそんなに愛していただけるのはとても嬉しいことです。

感謝致します。」


「えぇ。イーブ、もう向こうに座っててもいいのよ?」


「ん〜。ぼくまだここにいる」


「そう。わかったわ」

マリアーナは優しく微笑んだ。



そして、マリアーナはいつになく真剣な顔をしてノエルやコーデリアの方を向いた。

「ノエル、コーデリア。

イーブが私と結婚をしてくれるのなら、王様に貴族達に一言言ってもらって、

イーブに手を出させないようにしてもらえるように言うわ。


私の将来の伴侶となるものを傷つける者がこの国から出て

私が機嫌を損ね国にとってはよろしくない結果を産むかもしれないからね。

きっと良い返事を貰えるはずよ。

出来なかったら申し訳ないけど、これは多分大丈夫よ。


結婚をしなくても、イーブを傷つけることは私の怒りを買うことになると聡いものは気づくでしょうが、そうでないものはわからないわね。

イーブの力のもたらす一端にあやかろうとしてイーブに近づくものや、イーブから私に近づこうとするものがいるかもしれないわね。

そーねぇ、イーブをなにかしらから助け、私と縁をつくろうとする者がいるかもしれないわね。」


イーブはこれからイーブに期待を抱く者や縁を結ぼうとする者など色々な人と関わっていくことでしょうね。私と結婚するなら、いつか人間社会で生きることが少なくなるだろう。

そうなればイーブと縁ができてもイーブの恩恵を何十年も受けることは出来なくなる。

そうなればイーブを狙うものも少しは減るだろう。

まぁ、恩を売りイーブや私から恩恵を受け続けることを狙うものも出てくるかもしれないが、

私と結婚するとなれば私がイーブによからぬ者が近づかぬようイーブを守るため

そのあたりのことは防げるだろう。

イーブにはイーブのことをちゃんと考えてくれる者と関わって欲しいからね〜。


ただ結婚しないとなれば、私はそこまでイーブの人生に手を出すつもりはない。

もちろんイーブを傷つける者がいれば怒りをぶつけに行くことくらいはあるかもしれないが、

そうなればあくまでイーブと私は他人。イーブは私にそんなに関わられるのは良しとしないだろうからね。

たまに会いに来てもらい話をするくらいね。

そうなると邪な考えをするものからイーブを守ることは出来ない。


ノエルとコーデリアは真剣な表情でマリアーナの話を聞いていた。

そしてマリアーナは続けた。


「王家とて私の加護や寵愛を受けるものがよからぬことに巻き込まれるのは避けたいでしょうけれど、ただ加護をあげただけで王家が出てくるのは民を平等に見ていないことと捉えられるかもしれない。

私が加護を与えられた者ならこれまでだってたくさんいるし、三つの者が今までいなかったとはいえ

それだけで王家は出てこれない。

イーブの価値は加護もあるけれど、私の加護を得た後の魔力量にもあるのだけれど、

魔力が多くて貴重だからと言って、すぐには王家は動けない。

イーブの存在が国に王家に利益があり、守った方が良いと判断され、王家が守れる立場になることが

大事ね。

でも、そうなる前にイーブが傷つくことがあるかもしれないわね。

魔法がある程度使えるようになったら、加護を与えるから多少は身を守れるかもしれないけれど。

危険がどう来るかなんてわからないし、そういう面でなくとも面倒なことはあるものね」





子どもと関わったことが少ないので、五歳児がどんな感じか分からないので

勘で書いています。

子どもたちが賢すぎたり、幼すぎるたりなど変に感じたら申し訳ないです。


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