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2.愛しいのよ、あなたが。この世で会った誰よりも


「そう魂よ。その子のそのものの色、送ってきた人生によって足された色。

色によってその子が根っこに持っている性格、考え方、経験によって変わった性格、考え方が分かるの。だから、私達は人目でその子が好みか好みじゃないか分かるの」


「そうなんだ、、」


「それでね。わたしあなたが私の領域に入ってきたときから好みだと思ったわ。

あなたが近づいてきてこの目で直に見た時もそう思ったわ。

それでね、あなたが話をしだして、緊張しているところも、頑張っているところも見て、

魂ももう一度見てね。愛しいなと思ったのよ」


姫様は悲しそうな嬉しそうな顔をして話していた。


「そ、そうなんだ」

いきなり愛しいと言われて、そうなんだとしかぼくは言えなかった。


「まぁ、人間であるあなたたちはいきなり愛しいなんて言われても困るわよね。


私達はね愛しい子に加護を与えるの。

加護を与えてね、今後を祈ってると伝えるの。

加護はね、私達妖精から見ればすぐに分かるものなの。

だから私のものよ、私の愛しい子よってみんなに見えるようにする。それが私達の愛し方よ」


「つまり、ぼくに加護をくれるってはなし?」


「そうよ」


加護は妖精に愛された人間しか、貰うことは出来ない。

だか、妖精に会う機会も愛される機会も少なく、珍しいものである。


珍しい、珍しいがそんなにない話でもないことなのだ。



う〜ん。正解したのになんか悲しそう?

母上はなにか正解すると、輝いた笑顔で喜んでくれるのに、、

『もうっ、正解!イーブは天才ね。将来は引く手数多だわ〜。困るわね〜』



「ねえ、姫様。どうしたの?悲しそうだよ。」


「・・・・・」

姫様は悲しそうな顔で目を斜め下に逸らしてから、ぼくにもう一度目を合わせ話をしてくれた。


「ほ、ほんとうは言うつもりはなかったのだけれど、言ってもいいかしら?」


「いいよ」

どんなことを言われるのかわからないが、何故か聞かなきゃいけない気がした。

父様と母様は真面目な顔をしてた。兄様達はなんだろうって顔をしている。


どんな話なのかな、どんな話でもちゃんと聞こう。

姫様は一度目をつぶり、ゆっくりと目を開けてからすっと息を吸って吐いた。そして話をし出した。

「最初はね、好みの子なら加護をあげようって思ったの、でも、(じか)に見て声を聞いて、考えること、話してくれたことを考えたら、それだけじゃって思って。


みんなね、加護を与えてもそんなに会いに来てくれないのよ。

旅で寄った人、一度私に会って見たい人、あわよくば加護なんてって思う人。

私達は一目で愛することが出来る。でもあなた達は違う。


こんなに来にくい場所にいて、違う存在の私をあなた達はその少しの時間では愛せない。


でも、会いに来てくれる愛しい子も友もいたわ。

でも、あの子達は私をおいて行ったわ。

いつ亡くなったのかもわからない。

どこに住んでいたのかもわからない者もいるわ。

私にはあの子達は愛しい子だったけれど、あの子達の一番は私じゃないの。


イーブ、あなたほど愛しいと思った子、私会ったことないの。

すごく好みで、私のことをよく見てくれて、優しい子。

あなたはストラウド家だから、関わりは多い方だと思う。

だけど、あなたも私をおいて時を重ねて、私以外の愛しい誰かを見つけて、私をおいて行く。

そう思ったら、悲しくて 。


でも、人間であるあなたに私の隣は、永きときは苦痛でしょ。

それに貴方と私はまだ会って少し、なにも判断できないでしょ。

でも今言わなければ婚約者ができるかもしれない。

貴族ははやいから。

もしかしてもう、いるのかしら。


それで悲しくてね」


結局どうして欲しいのか分からないまま、私は思いを垂れ流した。

会ったばかりの五歳の子にこの長くて醜い私の心の内の話の返事をさせることにしてしまった。

でも、もう父様もあの子も友も、そしてこの子さえも私の前からいなくなるなんて

考えたくなかった。

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