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12.今後はずっと一緒?

ピザの話を修正しました。

「ずっと一緒とはどういう意味ですか?詳しく教えていただけますか?姫様」


「今のイブは今しかいないのよ!成長していくイブもそのときしかいないの。

それにたまにしか会えないのは嫌だし〜。

夜会とか学園とか行ったら、イブを取られちゃうかもしれないじゃない?

だから、一緒にいたいの。

一緒に勉強もして、貴族のことを学んでイブに迷惑かけないようにするから〜。

お仕事も手は抜かないように頑張るわ!ね!」

マリアーナは両手を合わせ、目をつぶってお願いのポーズをした。


「ノエル様、いくつかお聞きしたいのですが」


「はい。何でもお答えいたします」


「姫様が毎日来られたら、ご迷惑ではないですか?」


「正直に申し上げますと、迷惑ではないですがこの家で働く者が緊張するかもしれませんので、

そうなりましたら、一度みなに紹介するのが必要だと思っております。

もちろん、毎日に来て頂くことがなくとも話は通達させますので」

妖精には素直に話すのが大事なため、ノエルは思った事を素直に話した。


「なるほど、、

他の皆様はご迷惑にはなりませんか?」


「姫様と毎日お会い出来るのはとても嬉しいことでございますので、迷惑なんてございません!」

「迷惑なんてことはないです。色々なお話をお聞きしたいです」

「毎日来るなら、剣の鍛錬を見てほしいし、勇者の話とか聞きたいです!迷惑なんてないです!」


「イーブ様はどうですか?」

「絶対迷惑じゃないです!一緒に住んで欲しいくらいです!!」


「そうですか。あと一つ質問なのですが、学園は通いでございますか?」


「いえ、みな寮生活になります」


「そうですか。寮生活ですか。姫様、学園にはどうなさるつもりですか?

学園まで通われるのですか?」


「ええっと、出来ればイブと一緒に寮に住みたいなって」

マリアーナは手をいじいじしながら答えた。


「それは可能なのですか?」

「えっと、、、王様とか学園の方に頼んで、、、」


「その間のお仕事はどうなさるおつもりですか?」


「たまに見に行こうと思ってるわ!連絡用の魔道具も持っていこうと思っているし」

マリアーナは両手をぐーにして真剣な表情でそう言った。


「なるほど。まぁ、五年ですし、それくらいなら大丈夫でしょう。」

マリアーナはぱあっと顔を明るくした。


「一つ条件があります。姫様」


「はい」


「チェルシーにわたくしの手伝いをさせたいのです」


「??」


「チェルシーを上位精霊にしていただけませんか。

そうしたら、毎日通うことも寮生活を為さることもお許しいたしましょう」


「あ〜、えっと何故チェルシーにお手伝いを?」


「姫様が寮に行かれるとなると手伝いの者が欲しいのでございます。

それと、やはりわたくし一人ではわたくしがお休みを取れませんので」

マリアーナは『姫様って休み無しで働かせてたの?』という怪訝な顔をみなに向けられた。

イーブはマリアーナが一緒に居られるかを気にしていたため、怪訝な顔はしていなかった。


「えっ、ちょっ、違うわよ!

前にもう何人かにステイシーの仕事をお願いしようかってステイシーに聞いたら、

いらないって言われたから、今までいなかっただけで」


「その時はそう申しました。

ですが姫様が不在の期間があるのでしたら、手伝いがいた方がよいかと思いまして。

チェルシーは中位精霊の中でも力がある方ですし、他の上位精霊にも認められております。

それにあの子は真面目ですから、わたくしの手伝いもできるかと思います」


「ん〜。ステイシーがそこまで言うなら、上位精霊にしてもいいけど、、、

やっぱりその子がどういう子か確認してからじゃないとだめかな、、

その後でもいい?」


「それはもちろんでございます」


「ん〜。じゃあこの件はどうなるの?」


「姫様。わたくしはチェルシーを推薦致しますが、もしチェルシーに資格がございませんでしたら、

他の妖精やチェルシー鍛えて手伝いをさせる形を取ってもよろしいでしょうか?」


「それはもちろん」


「ならば、わたくしも姫様のことも許可致しましょう」


「わぁ〜い!!」

マリアーナは両手を上に上げて喜んだ。


「やったぁ!!マリーといつも一緒ってこと?嬉しい!嬉しい!」

イブは体を動かして喜んでいた。かわいい。


「じゃあ、明日から朝ごはん食べたらこっちに来るね!イブ」


「うん!早く来てね!!」


「えぇ!」


「ですが、姫様。明日はマーア王にお会いになられるのではないのですか?」


「あ〜。そうだった。そっちが終わったらになっちゃうね。話し合いが終わったら、来るねイブ」

私はイブの頭を撫でた。


「わかった」

イブはしょうがなさそうに返事をした。

私はかわいいなぁ〜と少しイブを見ながら頭を撫でてから、みんなの方を向いた。


「え〜っと、婚約したい人がいるって話と認めてもらえたら、学園に一緒に通いたいって話をしてくればいいのよね?」


「勝手に話を進めてしまいましたが、皆様は学園に姫様がついてきても問題はないのでしょうか?」


「私はちゃんと学園になにをしに行くか忘れなければよいかと思っております」


「学園は婚約者を探す第二の場所になりますし、学園でできる縁というのも多いのです。

それに学園で一緒に学ぶのは楽しいものですからね。

なので、姫様はついて行かれた方がよろしいかと私は思います」


「イーブ様はどうお思いですか?」


「ぼくはマリーと一緒がいいです」


「なるほど。ならば、問題ございませんね」


「はぁー。良かった〜」

私はみなが反対しなかったことに安堵していた。


「では、姫様。もうわたくしがいなくて問題なさそうですので、わたくしはここで帰らせていただきます。暗くなる前にお戻りくださいね」


「はぁ〜い」

そして、ステイシーは帰って行った。


「では姫様。私達は仕事がございますので、申し訳ありませんが席を外させていただきます」

「失礼致しますね。姫様」


「は〜い。お仕事頑張ってねー」

ノエルとコーデリアも部屋を出ていった。



「ねぇ、イーブ。それ付与してもらった魔法確認した?」

ノアはずっと密かに気になっていたことをイーブに聞いた。


「あっ。してなかった」

イーブは魔力をブレスレットに注いだ。


すると、宝石の上にマリアーナの姿が映し出された。


「わぁ!マリーーだ!」

イブは『わぁー』といいながら、目を輝かせてブレスレットを見ていた。


「どう?変じゃない?」

マリアーナは前に言われたことを参考にポーズをとって撮影したが、

イーブを前にして気恥ずかしくなった。


「ぜんっぜん、変じゃないよ!マリー綺麗。すっごく好き」


「えっ」

好きって言った?えっ。


イーブがマリアーナに好きと言ったのはこれが初めてだった。


マリアーナはかぁっと顔を真っ赤にした。


「ねぇ。マリー」


「な、なに?」

マリアーナは手を座っている足の上でもじもじしながら、答えた。


「好きだよ」


「っっ」


「好きだよ。マリー」

イブは目を細めて微笑んでいた。


「えっ、あっ。うん」

マリアーナはか細い声でそういった。


「ははっ。マリー真っ赤だよ」


「う、うん」

マリアーナはすごく幸せな気持ちになり、幸せそうに微笑んだ。



「なぁ、兄上。僕たちここにいないほうがいいのかな?」

「いや、でも。今動いたら、邪魔にならない?」

「そ、それは、、、てことは僕たち動けないってこと?」

「いや、やっぱり。私達はこれで!ってやるべきかも」

「そうしよ〜」

二人はこそこそと話していた。


「あ、あの私達はここで失礼させていただきます」

「邪魔者は退散するぜ!」


「えっ」


気まずそうなノアとカッコつけたコリンはそのまま出ていってしまった。



「ふ、二人きりになっちゃったね、、」

二人には悪いことしちゃったな、、

つい、嬉しくて。


「ぼくは嬉しいよ」


わぁ!なになに!?なんか今日のイーブすごくない?すごいんだけど?

ど、どうしよう。


「ねぇ、イブ。私も好きよ」


「ぼくも!」

イブはぱあっと顔を明るくして、そう言った。


「はぁ。好き。大好き」

私はイブの顔に手を触れた。


「ねぇ、ぼくもマリーの顔に触ってもいい?」


「どうぞ」

私はイブが触れやすいように顔を近づけた。


「ははっ。すっごく幸せ」

目を細めて笑うイブが眩しくて、目を塞ぎたくなった。


「イブ。抱きしめてもいい?」


「いいよ」

なんだか潰してしまう気がして、ふわっと軽く抱きしめた。


「横にすわってるとハグしにくいよ。マリーの膝の上に乗ってもいい?」


「っっ!いいよ」

イブを風で持ち上げて、私と同じ方向を向かせて膝の上に乗せた。


「逆だよ。マリー」


「ぎゃく?こっちに顔ってこと?」


「そう。そうしないとハグできないんだよ!」

イブはむっとした顔でこちらを見ていた。


「た、たしかに?」

イブを逆にして、膝の上に乗せた。


なんか、顔が近くて恥ずかしい。


「マリーのお顔が近くてうれしい」


「!!!!」


「ふぅ。危なかったわ。あなた、他の子にそんな事言っちゃだめなんだからね!」


「言わないよ!触れたいのも好きなのもマリーだけだもん」

イブはむぅっとした顔をした。



「そ、それならいいけど、、、」


「マリーだって、好きとか触れたいとか愛称で呼んでとか、愛しいとかぼく以外に言っちゃだめだから!」


「!! 分かった。イブ以外には言わないよ。絶対」


そして軽く抱きしめようとしたら、イブがちょっと横からぎゅっとハグをしてきた。


「わぁっ」

イブはぴとっと私にくっついていた。

「マリーっていい匂いする」


「そうなの?」


私もイブの頭に顔を近づけた。

「イブもいい香りだよ」


「そうなんだ」


そうやって、しばらくくっついていた。



コンコンと部屋の扉が叩かれた


「?」


「はーい」

イブが返事をした


「妖精姫様。イーブ様。昼食の準備が出来ましたので、お声がけさせていただきました」


「ありがとう!」

イブがそう言うと、メイドの女性は下がって行った。


「ねぇ、マリーも行くよね?まだ帰らないよね?」

うるっとした瞳で下から見上げられた。

ゔっ。かわいい。


「行ってもいいなら行くわ。大丈夫。まだ帰らないわよ」


そして、イブに案内されながら食堂へ向かった。


「おお!」

テーブルには六人分のテーブルセッティングがされてあった

「私はどこに座ったら、いいの?」

「ぼくのとなりにしよ!」

「わかった」


「こっち?」

「うん」


長い机の向かいに二つの食事、私たちが座った同じ列に四つの食事が置かれていた。

「ねぇ、マリーもこういうの食べるの?」

「食べれるけど、栄養にはならないって感じかな。

私達はね〜。果物とかの自然で育ったものに宿る自然の魔力を食べるのよ〜。

だから、こういうのは嗜好品かな」


「しこうひん」


「嗜好品って言うのは栄養を摂る目的で飲食するのではなく、好んで食べるもののことだよ」

「へぇ〜。兄上ってやっぱり物知りだな!」

ノアとコリンも食堂に来た。


「じゃあ、マリーは一緒に食べないの?」

「イブと同じもの食べたいし、食べるわよ。食べなくても生きていけるけど、たまには食べるしね」

「わぁい!やった!」


「姫様。ハイリンヒ様はこのような食事を好まれるって本で読んだのですが、本当ですか?」

「それは本当。いっつもなにか食べてるわ。

いつも集まるとね〜、最近見つけた美味しいものを持ってきてくれるのよね〜。

会ったら、なにか食べ物あげたら喜ぶと思うわ」


「そうなんですか。ありがとうございます」


「いえいえ」


「姫様達って集まってるの?」


「たまに、お話会を開いてるの」


「それってどれくらいのペースで?」


「一年に一回はやってるわよ〜。冬になると開催してるの」


「へぇ〜。結構開いてるんだな」


「昔はそんなにやってなかったんだけど、最近気になることとか、国同士の話とか、

ちゃんと加護が行き渡ってるか〜とか色々話してるのよ」


「凄い会議ですね」


「まぁ、それが終われば普通に談笑よ」


「マリーそれって楽しいの?」


「まぁ、楽しいかなぁー。久しぶりに会うから話すこともあるしね〜」


「ふぅーん」


「? どうしたのイブ」


「マリーがぼく以外と話して楽しくなるのはなんか嫌」

イブはむっとした顔で少し小さい声でそう言った。


「!! 」


「イーブ。それって嫉妬じゃ」

隣で聞いていたコリンがそう言った。


「嫉妬?私が話すだけで?」


「!! 嫌だった?マリー。ぼくのこと嫌になった?」

イブは不安そうにこちらを見ていた。


「いえ、それはないけど、、、私が他の人と楽しく話すだけでも、嫌なの?

そんなに私のこと好き?」


「好き!」


「そう。

う〜ん。でも、イブが私以外と楽しく話しているのを想像すると私も嫌かも。

大丈夫!イブを嫌いになることなんてないし、むしろ好きになったわよ。

私のことそんなに好きなんて、、、すごく好き。

でも、大丈夫!私はイブと話してる方が楽しいし、好きだから。

それにイブが行けるようになったら、お話会に一緒に行こうと思ってるから」



「ぼくも行っていいの?」


「うん。私の婚約者でーすって紹介しようと思ってるの。

その会って伴侶連れて来ていいよってやつだから、イブさえ良ければいつでも来て欲しいな」


「行く行く!マリーと離れ離れはいや!いつも一緒がいいもん」


「かわいいねぇ〜イブは」

あぁー好き。


「コーデリア、食事が冷めてしまう」

「えぇー。だってなんか盛り上がってるから〜」

こっそり話を聞いていたらしい、二人が入ってきた。


「すまないな、コーデリアがもう少ししたら、もう少ししたらとなかなか入らなくて」


「だって!今入ったら、話が途切れちゃうかな〜って。イーブと姫様がいい感じだったから〜」


「それもそうだが、、」


ノエルとコーデリアも椅子に座った。

「では、食事にしよう」


すると、食事が運ばれてきた。


「これは?」


「マルゲリータというピザでございます」

運んできた方が答えてくれた。


「ぴざ?」


それぞれのお皿にピザがもそられていた。

私もみんながフォークとナイフで食べるのを真似て食べることにした。


「ん」


「大丈夫?マリー」

「姫様。焼きたてですのでお気をつけてください」



口に当たった所が思っていたより熱くて驚いてしまったのだけで、熱いとわかれば大丈夫だったので

うんと頷いた。


そして、噛んでピザを離そうとしたら黄色いものが伸びてしまった。


「!?」

わぁ、どうしたら?


「姫様。チーズの部分を口に入れて噛んでみたらどうですか?」

ノアがアドバイスをくれた。


伸びていたチーズを口に入れて噛んだ。


もぐもぐもぐもぐ


「はぁ。なんとかなったわ。これもチーズなの?チーズって固形のイメージだったわ」


「チーズは熱すると溶けるんです。溶けないチーズもありますが」


「ほぉー。ノアは博識ね〜」


イーブはマリアーナの隣でむっとしながらピザを食べていた。


ぼくだって博識になって、マリーに褒めてもらうもん。ん〜。


「どうしたんだ?イーブ。このピザ好みじゃなかったか?」


「ピザはおいしい」


「じゃあ、どうしたんだよ」


マリアーナはその会話を聞いて、イーブを見た。


確かに凄い気に食わなそうな顔してる。


『マリーに褒めてほしい 。ノア兄様だけずるい。ぼくだって。ぼくだって。

すごく嫌。いやいや。』

そういった考えがマリアーナには見えた。


??

褒める?ノア、、

あっ!


『ほぉー。ノアは博識ね〜』って言ったこと気にしてる?

ん〜。博識か博識じゃないかじゃなくて、私はイブ自身が好きだけど、褒められたいってことだし、、、


う〜ん



「マリーがノア兄様を褒めたのがなんか嫌だった」


「イーブって割と嫉妬深いタイプだったんだな」


「イーブ!

姫様が好きなのはイーブだし、いくら私が色々なことに詳しくなっても姫様に好かれることはないし、私は姫様を取ったりしないよ!もっと自信をもって!イーブ」

ノアは慌ててイーブに弁明した。


「なんか嫌だっただけで。別に、、」

別にマリーをノア兄様に取られるとまでは思ってない。


「ちょっと姫様!考えごとしてないで、姫様もなんとか言ってよ!」


「えっ?」


イーブはマリアーナを見た。


「イブ。何が嫌だったの?」


「マリーがぼく以外を褒めたり、ぼく以外と楽しそうにするのが嫌だった」


「そう、、、

やっぱり、不安にさせてるわよね?

ん〜。私がとんでもなく貴方が好きなの伝わってる?」


「わかんない」


「やっぱり。

少しずつ伝えていくから、待ってて。明日から毎日来るし。

それに私、あなたのこと絶対に離さないから安心して!

絶対あなたの全部を私のものしてみせるから」

マリアーナはイーブを獲物を見つめる肉食動物のように見て微笑んでいた。




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