9.ブレスレット作り〜後編〜
その後、二人は空がいい感じになるまで待つことにした。
マリアーナは妖精達と話をリチャードは研究をして待つことにしていた。
「ん〜。ちょっと空の様子見てくるわね!」
「「「「「「「はーい」」」」」」
私は話をしていた子達にそう言って、空を見に行った。
「ん〜。空のよ・う・す・は、いい感じね!撮影してもらいましょうかね〜」
「みんな〜。空いい感じだったわ!」
「じゃあ、お話おわり?」
「そうなるわね。みんなお話してくれてありがとうね。
また来たときにお話しましょうね!」
「「「「「「わかった〜」」」」」」
「また、来てね!姫様!」
「ありがとう!姫様!」
「お姿、綺麗に撮れるといいね〜」
「「またね〜」」
「ばいばーい!姫様!」
みんなに見送られ、
私は空がいい感じになるまで研究しているっと言っていたリチャードの元へ向かった。
リチャードの所まで来たので、リチャードの後ろから声をかけた。
「リチャードー。空いい感じになったから、撮影しよ〜」
・・・・・返事がない。相当集中しているみたいね。
ていうか、リチャードもステイシーみたいな感じの手伝ってくれる子募集すればいいのに。
前にそんなこと聞いたときはー
――――――
『リチャードっていつも遅れてくるけどさー。ステイシーみたいに手伝ってくれる子いないの?』
『いない』
『そう。・・・・・・私が募集してみようか?』
『いらん』
『なんでよ』
『俺のことを手伝いたいやつなどいないだろう』
『それは探してみないと』
『第一、俺一人でどうにかなる』
『なってないから、言ってるのに〜』
――――――
って感じだったな〜
でも、確かにリチャードの家の子って研究質だからかな?
あんまりリチャード様!リチャード様!って感じないんだよね〜
リチャードより研究って感じ?
でも、ほんとに居ないのかな〜
「おい!撮影できるようになったのか?」
「ん?なったわよ」
「なら、そう言え。後ろで考え事しやがって」
「えー!最初にはなしかけたわよ!!」
「聞こえなかった」
「もう!いくわよ!」
二人は空に飛んだ
「ん〜。こっち。いや、こっち。いやこっちも捨てがたい」
「・・・・・・」
「よし!ここを後ろに撮って!」
「じゃあ、撮るぞ」
「ちょっと待って!顔が変じゃないかとか確認することがあるの!」
マリアーナは鏡を取り出して、身だしなみと撮影する顔を確認した
「よし!これでいいわ!」
「準備できたか。なら、やるぞ」
リチャードの少し前にマリアーナは立ち、ポーズを決めた
両手はお腹の前で合わせ、顔は少し傾けていた
目は優しげで、口は閉じて微笑んだ
「そ、それでいいのか?」
「これでいいのよ!上手くいってたんだから、早く撮影してよ!
ちょっと待って、もう一回顔を確認して、、、」
マリアーナは顔の確認を終えた。
「じゃあ、撮るぞ」
リチャードは宝石を手に持ちながら、魔法を発動した。
魔法を付与し終わり、リチャードは映像を確認しようと宝石に魔力を流した
「・・・・動作は問題ないな。映像はこれでいいか?姫様」
「どれ〜。ん〜いいと思うけど、どう思う?」
「綺麗に撮れているとは思うが、顔は本当にこれで良かったのか?」
「はぁー?どういう意味よ!これでいいの!」
「こんな顔、普段しないだろう」
「前に『姫様は優しく微笑まれている姿がとても神々しく、美しいのです!』って言われたから、
そういう雰囲気の顔をしてみたの」
「まぁ、いいなら。いい」
割とマリアーナは記録した映像のような顔はするのだが、リチャードの前ではしていなかった
そして、映像のポーズは前に見た貴族の女性の絵画のポーズをマリアーナはイメージしていた
二人は下に戻ってきた
「ありがとうね〜。これで、宝石はばっちりだわ!お礼はどうしたらいい?」
「礼か、、、、、礼なら、そのお気に入りの子をそのうち見せてくれればいい」
「なんで?まさかあの子を狙っているって訳じゃないわよね??」
マリアーナはさっきまでの笑顔で明るい顔とは一変して、
真顔で少し目を見開いていて、どす黒いオーラを出していた
「い、いや。姫様が求婚するほどの相手だって聞いたからな。一目」
「えっ?きゅうこん?どどどどこでその話を?」
「姫様から連絡を貰った後、ミレイユが
『大変大変!リチャード大変!姫様が人間の子供に求婚したって!』って言いに来たんだ。
それで、姫様が誰かに宝石をあげようとしていると話をしてだな。
その相手と求婚した人間は同一人物ではないかとなって」
ミレイユとは八大妖精の一人で、愛のミレイユと言われている妖精である。
「な、ななななななぜ!?どこから漏れたの!!」
「俺は知らない」
「ど、どこまで広まってる感じ?」
「大体の妖精は知っているだろうな」
「わぁー!!!!!」
マリアーナは大きな声を出しながら、頭を抱えしゃがんだ
「もうダメかもしれない、、、振られたら恥ずかしいから、誰にも言ってないのに、、
生きていけないかも、、、、」
「もう知れ渡ったことだ。気にするな。
振られても、 みんな姫様のことを励ましてくれるさ。俺以外がな」
「う、うううぅ。あなたも励ましなさいよ、、、
ちょっと、もう帰るわ。お礼についてはまた今度ね」
「ああ。いつでもいいぞ」
リチャードは姫様の気に入った子供がどんな人間か気になっていた
「お礼が会わせることについても、また今度ね!帰るわ!今日はありがとうね!」
マリアーナはぷりっと怒りながら帰った
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マリアーナは自分の家に帰ってきた
本当はそのままナイトハルトの所に行こうかと思っていたが、
まずは求婚の噂をステイシーに聞こうと帰ってきたのだった。
「うわぁーん。ステイシー」
マリアーナはステイシーを見つけた途端、勢いよく抱きついた
「おかえりなさいませ。姫様。ところで、なんですか?急に」
「わ、私の求婚の話が広まってたの!なんか、知らない?」
「あー。あれですか。わたくしではございませんよ。
わたくしも起きてから把握致しました。
なんでも、姫様の独り言を聞いた方が、他のものにも話し、
これは!と思った方がミレイユ様に伝えに行ったところまでは把握しております。
リチャード様の方まで噂が広がっていたとなると、ミレイユ様がお伝えに行ったのではないでしょうか」
「ひとりごと?」
―――
それはリチャードとナイトハルトに連絡が終わった後
『よぉーし!これでブレスレットの話は進んだわね! 明日が楽しみね!』
『はぁー。とはいえ、あんなことを口走るなんて。話すつもりじゃなかったのに。
なんかあの子に言われたら話したくなって、気づいたら、、、、
待って、これって求婚したってこと!?きゅうこん、、、、
まぁ、今更だし?今更、、、、もう寝ましょ!
寝る前に考えると寝れなくって明日、リチャードの所に行くのが遅くなるものね!
よーし寝よ寝よ』
―――
ま、まさか!?あの時、誰か近くにいたってこと?
確かに色々考えてて、魔力探知とか気にしてなかったかも?
うぅーー
「な、なるほどね」
「ところで、ブレスレットの方はどこまでお進みになられたのですか?」
「えーっとね〜。魔法は付与できたのよ。ほら」
マリアーナは宝石を空間魔法で取りだして、魔力を込めて映像を出して見せた。
「これは素晴らしい出来でございますね、姫様。
姫様の神々しさ、美しさ、優しさ、全てが存分に拝見できます。」
「そうでしょ〜。素晴らしいでしょ〜。それなのにリチャードは『本当にこの顔で良かったのか』
なんてゆうのよ!ほんとにやんなっちゃうわ〜」
「それはそれは!リチャード様はまったく姫様の魅力を分かっておりませんね」
「そーでしょー」
「ところで、ナイトハルト様のところにもゆかれた方がよろしいのではないでしょうか?
その方がお早くイーブ様にお会いできるかとおもいますが」
「そうだっだわ!あまりの驚きに帰ってきちゃって、、
じゃあ、行って来るわね!」
そして、マリアーナはナイトハルトの領域に向かった
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「ふぅ。ついたわ〜」
ナイトハルトの森は落ち着いた雰囲気があるところだ
「えーっと、ナイトハルトは」
「あれ?姫様じゃない?」
「あら?リシャーナじゃない!久しぶりね〜」
リシャーナは光属性の上位精霊で、ナイトハルトの傍によくいる妖精である
リシャーナは金色の髪でツインテールをしている
ふさふさとした睫毛が金の瞳の上にあり、目はくりっと大きい
胸は控えめで、女の子らしい可愛らしい服装をしていた
「お久しぶりです!姫様〜。ナイトハルト様なら、あちらにいますよ〜」
「あら、ありがとう〜」
二人はナイトハルトの所に向かいながら、話をしていた
「へぇー。最近はそんな事してるんだねぇー」
「はい!これもナイトハルト様が作ってくれたんですよ!」
「まぁ!可愛い服だと思ってたけれど、ナイトハルトが作ったのだったのね〜」
「はい!ナイトハルト様はどんな雰囲気のものも完璧ですから!!」
「リシャーナ、褒めすぎですよ。姫様、ようこそ。お久しぶりですね」
「お久しぶりですね!ナイトハルト!」
ナイトハルトに合わせて、お久しぶりですねと言ったマリアーナ
「思っていたよりご到着が早くて驚いておりますよ。姫様」
「ごめーん」
「ではさっそくですが、その宝石を見せていただけますか?」
「リシャーナもいていい?姫様?」
「もちろん、いていいわよ。宝石はね、これよ」
マリアーナは空間魔法で宝石を取りだした。
「ふむ。いい宝石ですね。普段使いするブレスレットにするにはちょうどいい大きさです。
魔力を込めてみても?」
「ええ。」
マリアーナはうなづいた
リシャーナは飛びながら宝石を見ていた
「ほぉ」「おお!!」
ナイトハルトとリシャーナは感嘆の声をあげた
「姫様きれい!!リシャーナも欲しくなるなー
ナイトハルト様!リシャーナもこれ作ったら、つけてくれる?」
「もちろんですよ」
「わぁ!!」
マリアーナは二人を見て、微笑んだ
「この宝石をブレスレットにしたいのですよね」
「そう!それで、サイズが調節できるのがあったらいいな〜って」
「こういう感じのはどうですか?」
ナイトハルトが見せたブレスレットは留め具をチェーンに留めないと、1本になっているブレスレットで、チェーンのだいたい真ん中あたりに宝石が付いており、
チェーンの終わりの方は留め具が留められる所が幾つも繋がっているブレスレットだった。
「おお〜。これならサイズが調節出来るわね〜。こういう感じがいいわ!」
「チェーンはどれになさいますか?」
ナイトハルトはいくつかのチェーンをマリアーナに見せた。
「んー、、、、これ、かな?これで!」
マリアーナが指さしたのは、一つ一つのコマが丸みを帯びたリンクチェーンだった。
「リンクチェーンですね。ナームハ国では丸小豆チェーンと呼ぶのですよ」
「あずき?」
「楕円形をした豆のひとつです。ナームハ国で作ってますよ」
「へー。今度食べさせてよ!気になってきちゃった!!」
ナームハ国はナイトハルトのいる国である
「もちろんですよ。今度の集まりの時に持っていきますよ」
「リシャーナおぼえたよ!絶対持っていくからね!」
「ありがとう〜」
「それでチェーンはこれにするとして、、今から作りますね。
チェーンの一番後ろのところに何かつけることができるのですが、どんな形がいいとか
ありますか?姫様。
丸とかハートとかは割とありますね。このブレスレットをつける子の好みとか」
「好み??ん〜、、、、わたしとか??」
マリアーナはイーブの好みなんて知らなかったので、浮かんだものが自分しかなかった
「姫様ですか、、、その子の名前は分かりますか?」
「イーブ・ストラウドだよ」
「なるほど。では、こんな感じはどうですか?」
「いいかも〜」
その後、二人はブレスレットについて話し合った
「で、どれくらいでできるかんじ?」
「そうですね。少しすればできると思いますよ。」
「わーい!じゃあ、待ってるね〜。時間かかるようだったら、言ってね〜。
今日は帰るから〜」
「わかりました。では、作業にとりかかります」
「よろしく〜」
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待っている間、マリアーナはナイトハルトの領域にいる妖精達と話していた。
「もうお昼だね〜。お腹すいてきちゃったね」
「姫様はご飯なにがいい?」
「ん〜。りんごがいいかな〜」
「わかったー。持ってくるね!」
「ありがとう!!」
そして貰ったりんごを風魔法で切って、風魔法で浮かしておいて、手で取りながら食べていた。
手は清潔化の魔法で綺麗にしていた。
「ん〜。こっちのりんごも美味しいわね〜」
「でしょ〜」
「みかんも梨も美味しそうね」
「「でしょ〜」」
みんなでご飯を食べていたら、ナイトハルトがやってきた。
「出来ましたよ。姫様」
ブレスレットは真ん中辺りにホワイトムーンストーンがあり、丸くて小さい金色のチェーン。
ブレスレットを留めた時に垂れ下がる所は楕円形の物が着いており、『M to I』と掘られていた
ナイトハルトは出来上がったブレスレットをマリアーナに渡した。
「わぁ!いいよ!よく出来てるよ〜」
マリアーナはご満悦だった。
マリアーナはブレスレットを空間魔法でしまった。
「お礼は何がいい?むしゃむしゃ」
マリアーナはりんごを食べながら聞いた
「そーですねぇ。では、魔石をいくつか取ってきて貰えませんか?
そろそろ取りに行かなくてはならなくて」
魔石とは元々魔力の多いところにできる石で、水色の水晶のような見た目をしている。
一面が魔石出できている洞窟などがあり、そのようなところから取ることができる。
魔力を宿した宝石とは別物である。
宝石は基本的には魔力を宿していないが、魔法を付与したり、魔力が濃いところに長い間
置いてあったり、魔力量の多い者が持っていたりすると、魔力を宿すことになる。
「魔石?どこの〜?」
「魔力濃度の高いところで取れたものがいいですね。場所はどこでもいいですよ」
「なるほど。わかったー。そのうち持ってくるね〜」
「お願いします」
「あっ!りんご頂いてるの〜ありがと〜」
「私も食事にしますかね」
ナイトハルトは梨、リシャーナはぶどうを食べ始めた
「ところで、ブレスレットを贈る相手って姫様が求婚した人間でしょうか?」
リシャーナはぶどうを頬張りながら、私も気になっていた!と目をキラキラと輝かせてマリアーナを見ていた。
マリアーナは少しの間死んだ目をした後、照れくさそうに言った
「そうだけど?」
「まさかミレイユの言っていたことが本当だとは」
「わぁ!素敵です〜」
「それで結婚するんですか?」
「そ、それは返事待ちかな」
「なるほど。いいお返事だといいですね」
「そうだね」
ちなみに八大妖精で結婚しているのは今のところミレイユだけです。