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8.ブレスレット作り〜前編〜

外は夜が明け、空が明るくなってきていて、まだ少し肌寒い朝が始まっていた。


マリアーナは目覚めた。

マリアーナは目覚めが悪い方なので、目が細くなっていた。

「ふぁー」

マリアーナは口の前に手をやり、欠伸をした。

そして布団から起き上がって上半身をぐいーっと伸ばした


マリアーナの目がぱちっと開いた。

「ぃよっし!リチャードのところに行くぞ!」


私は寝間着から着替えよう!っと服を選び始めた

「ん〜。これがいいかな?それともこっち?」

イブがどんな服を着たのが良いか聞いとくんだったわね


今日は宝石に自分の姿を記録するため、その後どの服にするかしばらく悩んだ


「よっし!決めた!やっぱりこれにしよ〜」

結局、昨日イブと会ったときの服にした



そして着替えて、髪を整え、木にまるーく覆われた自分の部屋から出た。


部屋から出た後、私は自分の領域にある川に行き顔を洗った。


妖精は人間のように朝に顔を洗う習慣はないのだが、

マリアーナは昔会った人間に朝起きたらそうすると聞いてから、試してみたら好きになり日課になっていた。


「あっ。服濡れちゃった。誰かに乾かしてもらおー」


てきとうに顔を洗っていたら、胸のあたりが濡れてしまった。


そうして、いつもみんなが集まっている所に行った。


「あら。早いわね〜リリア」

私は朝日が昇るときのような曙色(あけぼのいろ)の髪と瞳をもつ、上位精霊に話しかけた。


「ん?姫様じゃん!今日起きんの早くない?」


「そーでしょ!今日は大事な予定があってね〜」

いつも起きるのが遅いマリアーナは胸を張って両手を腰に当ててそう言った。


「ふ〜ん。それで何か用?」

「顔洗ったら、服濡れちゃったの〜。か・わ・か・し・て!」


「自分で乾かせばいいじゃん。姫様の風で」

「えー。このまま乾かしたら、服が冷たくなって寒いじゃない。だから、乾かして〜」

「はぁ。わかった」


リリアは炎属性の応用で、服の濡れた所を温めた。


「はい、姫様できたよ」

「ありがとう!!」


「そのためにここに来たの?炎属性の子が誰も起きてなかったら、どうしたのよ」


「えぇー。そしたら、服は冷たくなるけど自分でやろうかなって。

それにリリアは早起きだって聞いてたからいるかなって」


「ふ〜ん」

リリアは頬を少し赤く染めそう言った。


「んじゃ、お礼にハグしてあげる!」

マリアーナはよくほかの妖精、主に下位や中位の子たちによくハグを求められていたためそう言った。


「はあ〜?嫌なんだけど、べべべべ、別にハグとかいらないんだけど?

服乾かすのくらい妖精なら誰でもできるし」


「ん〜。でも、乾かしたのはリリアだよ」

そう言ってマリアーナはリリアを前からふわっと抱きしめた。

「ちょっ」



「んじゃあね〜。今日は予定あるからまた話そうね〜」


リリアは真っ赤になった顔を両手で隠していた


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ん〜。ステイシーには言ってから行かないといけないけど、、、、

そう考えながら、ステイシーの部屋の前まで来た。


私はちらっと中を覗いた


そうしたら、ステイシーはまだ寝ていた


ん〜。起こすのも良くないけど、言わないのも良くない。

私は、んーーっと悩んだ。

普段なら誰かに『ステイシーに伝えてね!』と言っておけば良いんだけど、まだみんな起きてないし、、、


リリアに頼んだら、なんだかんだやってくれそうだけど怒られそうだし、、

『はぁ?ステイシーに伝えてって、起きるまで部屋の前で待ってて言うの?

てか、伝えるの遅くなったら怒られるじゃん。やだよ』



「ん〜〜」

私はいつの間にか声に出して、唸っていた


「うるさいですね、姫様。なんですか?こんなに朝早くから。」


「わっ!」

私は両手を口の前にやり、驚いた


「ごめん、起こしちゃって」


「それより、何の用、、、

もしかしてリチャード様のところに行かれるのですか?こんな朝早くから」


「そう!それで、ステイシーに行くって伝えなきゃって思ったんだけど、寝てるから

どうしようかな〜って思ってたら、ステイシーが起きちゃって、今」

マリアーナは少し申し訳なさそうな顔をして言った


「はぁ。姫様はいつも起きられるのが遅いので、もっと遅くにゆかれるのかと思っておりました」


「いやぁ〜、私もこんなに早く起きれるなんてね〜。これが愛の力!」


「それで、私は今からリチャード様の所へ向かわれるとお聞きしましたが、いつゆかれるのですか?」

ステイシーは丁寧な言葉で『早く行け』と言った。


「やだぁーつれないわね〜。起こして悪かったわね、ステイシー。じゃあ、行くわね」

マリアーナはそう言って後ろを向き、手をフリフリして歩き出した


「かしこまりました。お気をつけてください」




「はぁ。こんなに早くから。

まったく姫様は、、、ですが、姫様に夢中になれるものができ、わたくしは嬉しいですよ」


そうしてステイシーはもう少し寝ようをしようとしたが、目が覚めてしまっており寝れなかった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「よぉ〜し、荷物は持った!服も着替えた!ステイシーにも伝えた!

あと、忘れ物は〜。まぁ、あったら取りにくればいいか!」


マリアーナは転移の魔法陣の上に立った

「しゅっぱつ!」


程なくしてマリアーナはリチャードの領域に着いた


いつ来ても陰鬱としてるわね〜


マリアーナの領域は明るく日差しがいつも降り注いでいるが、暑すぎることもなく、

暖かな雰囲気である。

対して、リチャードの領域は鬱々とした森という感じで、

あまり人間が好んで入ろうとはしない雰囲気である。


たまぁに命を絶とうとしたものが迷い込むとか、こまないとか


「えーっと、こっちの方に〜。い!る!は!ず!」

鬱蒼とした場所に似合わないるんるん!とした雰囲気を纏いながら、

マリアーナはリチャードのいる気配を感じる方へと歩き出した。


妖精はお気に入りのものはいつまで経ってもお気に入りのため、

いつもいる場所など大抵変わらないのだが、妖精は興味のないことは忘れてしまう(たち)なので、マリアーナは気配で場所を特定する方法を使っていた。


「あーいたいた。いたけど、まだ寝てる」

マリアーナは小声で喋った


なら待つか〜。誰か起きてたら話に付き合ってもらおうかな〜

えーっと妖精の多そうな場所はっと、、、、この辺とか


「おおー。誰もいない」

リチャードに似て、みんな起きるの遅いのかな?


―――

妖精は八大妖精の領域にある木から生まれてくる。

八大妖精の領域の木は妖精の魔力を常日頃浴びているためである。


木に鬼灯(ほおずき)の花に似たものが出来、しばらくするとそこから生まれてくる。

その領域の空間はそこの八大妖精の魔力が濃いのと、花がなる木はその八大妖精の魔力を常日頃浴びていた木のため、生まれてくる妖精はそこの領域の八大妖精に似た雰囲気などを持つものが生まれやすかったりする。


もちろん全然違うタイプも生まれることがある。

そういうタイプは大抵生まれた場所に合わないため、違う八大妖精の領域に引っ越したりすることもある。


ちなみにその鬼灯の花のようなものに魔力を注ぐと、その魔力を注いだ者の要素をもった

妖精が生まれる。

そのため、マリアーナのように妖精王の娘などと、◯◯の子供となる妖精はその過程を踏んで生まれた妖精となる。


魔力を注がれると子供という扱いになるため、

広義的には妖精は生まれた領域の八大妖精の子供となる。


そのため、自分の領域で生まれた妖精に八大妖精が『私の子〜』などと言うことがある。

だが、誰も本気でそうとは思っておらず、言っているときはふざけているときだけである。


―――

誰もいないので、誰か起きるまで待つことにしたマリアーナ


すんごくすんごく暇ね。イブのこと考えてましょう〜


まずこの前会った時のイブを思い出し、ブレスレットを持っていった時を想像して、

一緒に本読んだり、どこかに一緒に出かけたり、抱きしめたり、

あのふわふわってした髪に触れたとき、、、、、、


私は色々なことを想像した。


・・・・・あんまり想像しすぎると、ふられた時に悲しくなるわね、、、



そんな後ろ向きな考えをしていたところ、、


「早すぎるだろ、姫様。まだ五時四十五分だぞ」

気づいたらリチャードが後ろにいた


私はくるっと振り返った

「おはよ〜。ていうかなんで時間が分かるの?」


「ああ、俺の部屋には時計があってな」

「時計?なるほどねぇ〜。でも、時計はそのうち時間がずれちゃうからって使うのやめたじゃない」


時計は使っていればそのうち壊れるし、時間も少しずつ狂っていく、

それに妖精達は細かい時間を気にしないため、みな時計は持っていなかった。


永いときを生きる妖精にとって、すぐに壊れるものは特別必要でなければいらないのである。


経年劣化を防ぐ魔法を付与したものを時計につけ、壊れるのを遅らせることもできる。

だが、定期的にその魔法が付与されたものを新しくしたりするのも面倒だし、

経年劣化ではない理由で壊れたり、時間が狂ったりすることもある。

そのため、そこまでして使わないため、みな時計は持っていなかった。


「それをどうにか出来ないか研究していてな。いつ壊れるのかなどを見るために使っている」

「ふ〜ん。じゃあ、たまに人間の町とかに時間を確認しに行ってるの〜?」

「ああ」


「リチャードっていつもなにか研究してるからさ〜。

特に意味は無いのかもしれないけど、人間の町に時間確認に行くの面倒じゃない。

リチャードってあんまり家から出ないのに〜。そんなに時計が研究したいの?」


家とは彼の領域のことである。


「この森、暗くて時間が分かりにくいんだ。

それでよく起きる時間や食べ物を食べる時間などが狂ってしまう。

それに集まりにも偶に遅れたりしてただろう?

だから、時計があれば解決すると思ってだな」


―――

〜集まり(過去)〜


『? 今何時だ?・・・・太陽が真上を過ぎている、、、』

早く起きたから、少し研究してから向かおうと思っていたのだが、、


その後、急いで集まりに向かった。


『あ!やっと来た〜遅いわよ〜。』

拳に顔を載せながら姫様はそう言った


ミレイユは夫であるメルヴィルとイチャイチャしていた。


イレーナは踊っていた。レノアは寝ていた。


ヴィルヘルムは最近の話をナイトハルトにしていて、ナイトハルトは『ほう』と聞いていた。

『実はな最近な!』『ほう。それで?』


ハイリンヒは食べ物をねだっていた。

『もうこのりんごないの〜?』

『申し訳ありません。ハイリンヒ様、これ以上はお渡しできないのです』



『いっつも、いっつも遅れて〜。話す時間がなくなるじゃない!私は朝から居たのよ!』

『すまない。早く起きたので、研究を少ししたらと思ったいたのだが、、、』

『なら、起きるたときにそのまま来なさいっていつもいってるじゃないの!!』

―――

〜現在〜


「・・・・・時計があったって、気づいたらこんな時間になっていて〜とか言って遅刻するわよきっと。ていうか森を明るくすればいいじゃないの」


「これが自分の中で最高の家なんだ!それに時計があれば遅刻はしないはずだ」

リチャードはキリッとした顔をした


「はぁ。そう、、、それで、私の用事の話してもいいかしら?」

「ああ。だが、早くきたことを謝罪するのが先じゃないか?姫様」

「え〜。だっておきたら行くって言ったじゃない?それに起きるまで待ってたしー」

「まさかこんなに早く姫様が起きるとは思わなくてな。姫様の魔力を感じて、起きてたんだ。

姫様は俺の眠りを妨げた。謝罪を要求する。」


「えぇ〜〜〜〜。はぁ、、、ごめんね」

マリアーナは嫌そうに謝った


「いいだろう。なら、俺の研究場所に来て宝石を見せてもらおうか」


「はーい」

マリアーナは嫌そうな顔をしながら、返事をした。


私はリチャードって結構頑固なのよね。そう思いながら、リチャードの後ろをついで歩いた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

リチャードは椅子に座って、マリアーナに言った。


「では、宝石を見せてもらおう。」


「・・・・・私の椅子は?ないの?」


「ここはいつも俺だけしかいないからな。もう一つ椅子はない」


「・・・・まぁ、来たの私だし?椅子が?なくても?しょうがないかしらね〜」

私は声に怒りを乗せながらそう言った。


仕方がないので、自分で椅子を空間魔法で取り出して座った。

椅子は自分で出してくれくらい言えないのかしらね!!


そして、宝石を取りだしてリチャードに見せた。

「これがその宝石。ムーンなんだっけ?・・・あっ!そう!

ホワイトムーンストーンって言うらしいわよ〜。それでね〜。この宝石なんだけど、」


「ほう。どれどれ」


マリアーナはまだ話していたが、リチャードは宝石を掴んで見ていた。


「これブレスレットにするんだよな?」


「そうよ」

リチャードが話しかけるとマリアーナは話すことをやめ、答えた。


「この宝石、既に穴が空いていてるから開ける必要はないな」


「前にブレスレットととして貰ったんだけど、時間が経ってバラバラになっちゃったやつだと思うわ」


「それで、確か魔力を込めたら姫様の姿が映し出されるやつを付与したいんだったな?」

「そうよ」



「それでどれくらいの映像の大きさにしたいんだ?」


「それは特に決めてないわ。できるだけ、大きいとか鮮明なのがいいけれど、大きすぎるのは求めてないわ。その辺はあなたに聞いてから、決めようかなって感じよ」


「そうか。で、映し出す姿はどんな感じにしたいんだ?」


「んーっとね。顔が大きく見えるのがいいんだけど、、すっごく近いのはダメよ!程よいやつよ!

胸辺りまでか上半身くらいが見えるのがいいかなって感じかな?」


「映像は鮮明な方がいいか?」

「鮮明な方がいいけど、それで映像が小さくなるのは嫌ね」


「なるほど。なら、これくらいの映像の大きさでどうだ?」

それは大人の片手程の大きさだった



私はイブがブレスレットをつけて、この宝石に魔力を流し映像を出す様子を想像した。

想像した感じばっちりだった。

「いいわね!」


「じゃあ、姫様の映像を記録するから、ここに立ってくれるか?」


「えっ、ここではダメよ。もっと景色のいい所じゃないと」


「景色がいいところ、、、?どこだ」


「えー。ないの?・・・なさそうね、、、じゃあ、空で撮りましょ!」


「空か。まぁ、いいだろう」


二人は空に飛んだ。


「ん〜。まだ暗いわね、、、、明るくなってからがいいわ!」


「・・・・そうか。そうなるなら、もっと遅く来れば良かっただろう」


「だって〜気づかなかったんだもの。というか、あなたもそうじゃない!」


「あ、ああ。」

リチャードは悲しそうな声でそう言った

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

〜ちなみに〜

1.

マリアーナの布団は、前に布団を売っている人から貰ったものに経年劣化を防ぐ魔法を付与したものをつけて使っている。

他の上位精霊にも同じところの布団を使っているものもいる。


経年劣化の魔法が付与されたものも永遠ではないため、たまに魔法が付与されたものを新しくしたり、布団を新しくしている。


下位、中位の妖精は木でできた丸いお家があり、それぞれ好みの木の枝にぶら下げている。

そこで寝たり、お気に入りのものを置いたりしている。

家の大きさはまちまちであり、小さく寝るだけのものから少し大きくて物を置けるようなスペースがある家もある。


2.

マリアーナはその空間の雰囲気や飾り付けなどは気にする質ですが、

他の八大妖精の領域のどこに何があるかなどはあんまり覚えないタイプです。


あんまり覚えていないのは他の妖精に案内してもらったりすれば良いですし、

場所は結構妖精の気分で変わったりするためです。

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