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第30話 【行こうよ皆で、魔族国観光!】

ある程度の情報を収集することができたリベルタス一行は、せっかく来たのだからということで、観光を楽しんでいた。


ここでしか見られない貴重な鉱石やアクセサリー、下手物に見えて味はかなりの絶品の魔族特有の料理。


それらを3人でエンジョイしていると、とある店が目に止まる。


その店の看板には「魔族角専門店」と書かれており、不思議に思いながらも好奇心がそそられたので入ってみることにした。


店内に入り最初に目に入ってきたのは頭だけのマネキンに取り付けられている様々な形をした角だった。


羊のような角や鬼のような角、牛のような物など、動物の角などの多種多彩だった。


他には角に取り付ける専用のアクセサリーやネイルのような装飾を施されているものまで。



ネル「魔族は、角が、強さを、現すと、言われてる。 だから、より魅力のある、角にしたがる」


天琉「だからこんなにもあるのか。 それはわかるがなんで角のカバーみたいなのもあるんだ?」


ネル「角が、小さいのが、嫌な魔族がいる。 だから、それを、補うための、カバー」


ライアン「ようするに、髪の毛ないのを隠すにはカツラ。胸の大きさを気にする人にはパッドってのと同じ感じか」



わかりやすいようで心をえぐるような例えを聞いて天琉はツッコミをいれる。


するとライアンが普通の人間が魔族になりきれるコスプレ用の角を見つける。


取り外しも簡単にできるという優れものだ。


せっかくだから魔族国にいるしばらくの間は、これをつけておくことにする。


2人は自分に似合う角を探し、ついでにタコと玲来にお土産として2人の角も選ぶ。


その後、天琉は王道とも言えるドラゴンの角を模した角を、ライアンはミノタウロスの角を模した角をつけることにした。


タコにはヤギを模したクルクルした角、玲来には鬼の角を模した2本角を選んぶ。


2人はお互いに似合っていると評価しあったりしたが、ライアンは天琉が意外と王道な角を選んだことを指摘する。



ネル「2人とも、よくにあってる。本物の、魔族みたい」


ライアン「そうか!? 俺たちそんなに強そうに見えるか?」


天琉「そんなことはないだろ。まぁ、でも着けてるだけで気分は上がってくるな」


ネル「だって、2人とも、普通じゃない、髪色してるから、パッと見、魔族」





   「「あ、そういうこと!?」」





そう、2人の髪色は普通の色ではなく派手な金髪と緋色であるため、パッと見では普通じゃないのが普通の魔族に見えないこともない。


マインもつけたいと吠えていたので、1本の角をつけてあげると、とても嬉しそうに吠える。




    ( ( ( 超可愛い ) ) )




そんな話をしていると、自分達以外の新しい魔族の客が来店してくる。


天琉はその人を見たとき既視感があり、目を凝らして見てみると、調査の時に見つけた5本の魔族だったことを思い出す。


2人はその事を聞いて1度見てみたかったという思いからその人を見てみると、なにやら焦った表情をしながら店長のもとへと歩いていた。



5本角「店長! もう1本お願いします!」


店長「あんちゃんまたかい。これで4本目だぞ。何本つけりゃ気が済むんだ」


5本角「彼女がOKしてくれるまでです!」



そう言う5本角の勢いに負けたのか、店長は従業員に何かを伝え、その人を奥の部屋へと連れていく。


その光景を不思議に思い、店の従業員に何をしに行ったのかを聞いてみることにする。



「あれは角を取り付けてもらいに行ったんですよ」


天琉「取り付けって…。こういうコスプレみたいなんじゃ…」


「それもあるんですけど、永久取り付けってのがあるんですよ」



それを聞いたときに男2人は「ほへ?」という間抜けな声を出しながら、ネルはなにも言わずに一緒に頭を横に傾ける。


魔族には角の数が強さを現していると言われており、それを信じて角の数を増やすことで強くなるという噂がある。


コスプレのような取り外し可能な物ではダメということで、生えているようにするために直接取り付ける。


それが永久角取り付けである。


ちなみに、取り付け方はネジで物を固定するのと同じ感じ。



天琉「なんかやり方凄く危ない気がするんですが!?」


「大丈夫ですよ。魔族ですから」



説明がそれだけなのに納得できてしまうのが辛いと思う天琉であった。



ライアン「でも、さっきの人はなんであんなに増やすんだ? 彼女がOKとか言ってたけど」



聞いた話によると、好きな人に何回もフラれてまう。


その後、その好きな人が角が多い人がタイプと聞いたらしく、それから角の永久取り付けを覚悟し取り付けたのだが、またフラれたらしい。


最初は1本だったらしいが、今では5本になり、今回で6本になるというわけだ。



ライアン「え!? つまりあの人5回フラれても諦めてないってこと!? 根性スゲェな!」



その事実を知った直後、先程向かっていった奥の部屋から苦しむ声が聞こえてくる。


2人はその声を聞いて驚愕の表情を浮かべながらその場に直立不動の体制になる。


角の会計が終わったのにも関わらず。


しばらくして、5本角が6本角になって出てきた彼が店長に礼を言い、店の外に出ていき、走り始める。


3人はその姿を店の外に出て、彼に向かって敬礼のポーズをとり、心の中で「頑張れ」と叫んだのだった。


角を取り付け完全に魔族3人組となり、再び散策を再開する。


歩いているなかで、先程店で聞いた「角が多さが強さを現している」ということを聞いて、本当かどうか調べて見ようとなる。



天琉「とは言え、どうやって確かめるかなぁ」


ライアン「なんか力比べみたいなのあれば良いんだけどな」



そんなことを言っていると、マインがなにかを見つけ、チラシのようなものをネルに渡す。



ネル「2人とも、これ見て」



そのチラシの内容は闘技場での一対一のトーナメント制の大会が行われることが記されていた。


それを見た3人は大会を見る口実に、調査として観戦してみることにする。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

観客からの熱い声援が闘技場に響き渡り、中央のステージでは魔族の選手たちが殺し合いかと思えるほどの戦いを繰り広げる。


彼らにとってはこれが普通の行為であり、感覚で言えばスポーツの試合と同じ。


なので、決して殺し合いをしているのではなく、あくまでも実力を試しあっているだけである。



ライアン「スゲェな。素人の俺でも、一撃一撃が重いってのが見てるだけでわかる」


天琉「技術があるやつもいるし、力任せのやつもいるな」


ネル「大抵は、自分の角に、自信がある人が、多い」



そして見ている限りでは、角の多さや立派さを強さと比べて見ていても、角が多い魔族が少ない方に負けているところを見る限り、やはり角は強さに関係なかった。


全ての試合が終了したあと、観客たちが上位の選手に腕相撲を挑戦できるイベントが開催されたため、面白そうなので参加してみる。




ライアンVSベスト8に入った選手



「お前なかなか良い顔と角を持ってるじゃねぇか。 腕がなるぜ」



そう言って相手は自分の拳からポキポキと音をならす。



ライアン「あんたもな。 おれも腕がなるぜ」



ライアンも負けじと自分の拳から音をならし、腕を組んで準備を整える。




    審判「レディ…… GO!」




開始してから勝負は一瞬にして終わった。


ライアンは魔族の凄まじい腕力に敵わず、瞬殺される。


しかも身体が固定され、腕だけがものすごい勢いで倒れてしまったせいで腕から鳴ってはならないような音がなってしまう。


例えるとそれは「グギッ」「ボギッ」とかそう言うのである。


ライアンは「腕がぁぁ!」と叫んでおり、周りの観客と相手の選手が安否を確認する。



ライアン「だ、大丈夫…。 このくらい日常茶飯事だから…」




「「「いや大丈夫じゃないでしょ!」」」




周りの観客たちにツッコミをされた後に、その日常的にボコボコにしてくる相手がいると、ある2人を指差す。


その先には緋色髪のドラゴン角の和服男と、黒髪の鬼のような角のゴスロリ服の女がベスト8の選手に腕相撲で圧倒している姿があった。



天琉「案外勝てるもんだな」


ネル「楽勝、楽勝」



天琉は余裕な表情をし、ネルは勝ち誇るようにピースサインする


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3人は昼食をとるために近くの魔族国特有の料理のみを集めた店へと入り、メニューにあった日替わりランチを頼む。



天琉「お前、腕は大丈夫なのか?」


ライアン「応よ! 間接外れただけみたいだったからさ。魔族のマッサージ師が色々ボキボキやってくれたお陰で治った。 スッゲェ痛かったけど」



天琉はその様子を想像してみて、ライアンがそんなことをされても正気を保っている精神力にツッコミをする。


それからしばらくして、蓋をした皿がテーブルに運ばれてくる。


煙のようなものが出ていることから焼いた料理なのだと予想する。


店員が蓋を開けると、皿の上に盛ってある物があらわになる。



「お待たせしました。魔族国文化料理、虫型魔獣の丸焼きの山でございます」



皿に盛ってある料理は、魔族国に生息する虫型魔獣を丸焼きにした物だった。


見た目で例えるとムカデやコオロギ、そしてもとの世界で最も恐れられていると言っても過言ではなく、名前を呼ぶのも恐ろしい「G」のような姿もあった。



ライアン「こ、これはさすがに無理がある気が…」


ネル「大丈夫。 見た目の割に、美味しい」


ライアン「でもよぉ、流石にこれはさぁ…。なぁ? 天り……」



ライアンが天琉が同意見であることを確認するために天琉の方を向き名前を呼ぼうとするが、それを中断してしまうほど驚くべきことが起きていた。


それ以前に天琉がいつも通りならツッコミをいれるはずが、それをしなかった事にも疑問があった。


できるはずもない。


何故なら天琉は虫の料理を見てから泡を吹きながら白目で椅子にもたれ掛かっていたからだ。



ライアン「天琉!? どうしたんだ!?」


「お客さん! しっかりしてください!」



天琉はこう見えてかなりの虫嫌いで、見るだけで背筋が凍るほどで、それはホラーと同じくらいのビビり様だ


ネルは心配を師ながらも勿体無いので虫焼き料理を食べ進める



ライアン「天琉! しっかりするんだ! まだ逝くんじゃねぇ!」



そう言いながらライアンは必死に天琉の意識を元に戻そうと必死に行動するが、それは叶わずに天琉はガクッ、と完全に気絶してしまうのだった。



ライアン「天琉ぅーー!!」



「お客さぁーーん!!」



ネル「ムシャムシャ」



続く

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