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第24話 「鍋にしとけば多分うまい」

人々の声が賑やかな声が昼間の中央都市の市場に響かせる中に、1人の女性が沈黙を貫き通しながら市場へとやってくる。


彼女は歓迎をするための料理の食材調達に来たが、無表情のまま悩みを抱えていた。


ネル(いつもの、市場に、来たけど、何を作れば、良い?)


いつも食材を買いに来る行きつけの市場へとやっては来たが、肝心な作る料理を決めていなかった。


ネル(とりあえず、肉屋に、行く。歓迎と行ったら、お肉)


ネルはとにかく歩いていれば思い浮かぶと思い、とりあえず最初にいつも行っている肉屋へと赴くことにした。


しばらく奥へ進むと1人の老婦に肉を渡している肉屋の店主のもとへと歩き出す。


肉屋「おっ! ネルの嬢ちゃんじゃねぇか! 今日もうちの新鮮な肉を買いに来てくれたのかい?」


ネル「うん。いつも、新鮮なの、ありがとう」


肉屋「礼なんてやめてくれや! あんたはうちの恩人なんだからな! こんくらいはお安い御用だ」


以前ネルが初めてこの市場にやってきた時に初めて買い物をしに来たのがこの肉屋であり、そのタイミングは取り立てをされているだった。


ーーーーーー


どうやら酒に酔ったときに勝手に契約させられたらしく、本人の了承も関係なく請求をさせられていた。


「オラァ! とっとと金を出せ!」


肉屋「だから知らねぇって言ってんだろうが! 知らねぇ輩共に知らねぇ契約で出す金なんて無い!」


その言葉を聞いた黒服達は強行手段をするために肉屋に近づくが、そこをネルが助けて契約書を破り捨て無効にした。


ーーーーーー


それからこの店主はネルにたいして恩を感じている。


肉屋「んで、今日は何の料理に使うんだい? またコロッケかい?」


ネル「今日は、歓迎料理。でも、なにを作れば良いか、わからない」


悩みを打ち明けて店主になにを作れば良いかを相談すると、店主は頭を悩ませて歓迎料理を考えるとひとつの案を出す。


肉屋「鍋料理なんかどうだい?」


ネル「鍋?」


肉屋「あぁ! 簡単に言うと、いろんな具材とかを鍋にブチコンでそれを煮るんだよ!」


それを聞いたネルは頭の中で様々な具材を鍋に入れて煮込む事を想像して心を踊らせると、肉屋にある全種類の肉を買うことにする。


肉屋「鍋と言えば色々あるよなぁ。『キムチ』とか『ちゃんこ』とか、一番良いのは『すき焼き』だよなぁ~。 ん? すき焼きは焼き料理だっけか? まぁいいや。にしても鶏、豚、牛を一緒にいれる鍋料理なんてなかった気が… あれ?」


色々な種類の肉を入れる鍋料理がないことに気がつき、背中を向けて鍋料理のことを考える事をやめてネルのほうを見ると、そこにネルはいなかった。


ネルはそこから移動して八百屋へと来ていた。


八百屋「あらまぁ、ネルちゃんじゃないの。今日もコロッケのためのジャガイモ?」


ネル「ううん。今日は、鍋の具材。でも、身体に良い、野菜も、欲しい」


ネルは色々なことをしておきながら日頃チームの皆に自分の事を受け入れてくれたことを感謝しているため、玲来のお祝いと同時に皆への感謝を込めた料理を振る舞おうとも思っていた。


ネルは八百屋の店主である女性に鍋に使えるであろう一通りの野菜と、アレンジのための野菜を買おう事になったが、結局全種類の野菜を買うことになった。


八百屋「あぁ~、そう言えばこの前のコロッケのときに言い忘れてたけど、ジャガイモは調理法を知っておかないと食あたりしちゃうから教え… あら?」


会計のために奥のほうへと行っていたが、ネルにジャガイモの調理法を教えようとしたときにはネルの姿は無かった。


次にやってきたのは魚屋。


魚屋「よく来てくれたね。今日は何がいいんだい?」


ネル「とりあえず、オススメを、全部」


ネルはその後もすべての売場ですべての種類の食材を次々と買い続け、ネルの次元収納の限界寸前になってしまうほどだった。


ネル(大体の、食材は、買えた。でも、もっと栄養の、あるものが、欲しい)


そう言うとネルは薄暗い裏通りのほうへと入っていくのだった。



その頃、リベルタスチームハウスでは、緋色髪の男がネルの料理の恐ろしさを知らない新人の幼馴染みにその恐ろしさを教えていた。


天琉「出会って初めてネルが振る舞ったのは、お茶だったな」


玲来「お茶って、それ普通なんじゃ」


天琉「いーや、紫色だったよ。しかも液体じゃなくてヘドロみたいな感じで泡が浮いてきてた」


それを聞いて天琉がそれを飲んで無事だったのかどうかを聞くが、自分は飲んでおらず、飲んだのはその時に居合わせたもう1人が飲んだのだと言うと、自室で爆破で散らかった部屋の片付けをしていた二人のうちの1人であるタコがクシャミをする。


タコ「誰か噂してんのか?」


ライアン「爆破で舞ったホコリだろ? 早く片付けようぜ」


タコ「うるせぇ、エロ本男爵」


その言葉を聞いた瞬間にライアンの心に「エロ本男爵」と書かれた矢印の形のパネルが突き刺さり、倒れてしまったときに爆破のホコリが舞うと、タコがまたクシャミをする。


タコ「確かにホコリのせいみたいだな」


天琉「あとはミリタリス行く前に作ったコロッケだな。あれはヤバかった」


玲来「さっきのお茶を聞いた限りだとヤバそう… 。 でも私も昔作ろうとしたけど黒いたわしになっちゃったし…」


天琉「いや、あのコロッケからは中身の具材が飛び出てた。それも何かの生き物の足みたいなやつとか良くわかんないやつとかが」


それを聞いた瞬間に玲来は思わず固唾を飲み込み、ネルの料理の恐ろしさを体験していないにもかかわらずこれから自分が死ぬ思いをすると言うことを察する。



その頃ネルは裏通りにある店で黒っぽい色の液体の入った瓶を一本購入し、それを持って出てくる。


ネル「良い、スパイスが、見つかった」


店で買った液体は店主によると自製のスパイスらしく、今まで誰も買ってくれないと言う物で興味が湧き購入した。


皆が鍋を囲んで楽しく食事をするところを想像していると、突然誰かがぶつかってきて何事かと思う。


「おっと、ごめんよぉ~」


ネルはそんなことでは怒らないため軽く見逃したが良い気分が少し台無しになり、持ち直すために先ほど購入したスパイスの瓶を見ようとするが、その手にあるはずの瓶がなくなっていた。


疑問に思ったが一瞬にして仮説をたて、一瞬にして答えを導き出す。



ぶつかってきた男+瓶がなくなった


=ぶつかってきた男に瓶を奪われた



それを確定した瞬間にネルは表情にはでないが身体に真っ赤なオーラを纏い始め、全身に行き渡った瞬間にネルは男が逃げていった方向に視線を向けると、ネルの瞳は裏通りの暗闇のせいか真っ赤に光っていた。


ネルが抱く燃えたぎるような感情、それすなわち。



怒り



その頃ネルにぶつかった男はその瓶を持って裏通りの階段の段差に腰を下ろしいた。


「へっ、あんな嬉しそうな感じを見てると盗みたくなるんだよなぁ、にしても何なんだろうなこの液体」


そう言って男は瓶の蓋を開けて人差し指に少し着けて舐めると、何とも言えない味だったらしい。


良い意味ではなく悪い意味のほうで、その証拠に顔色が悪くなる。


「ウゲッ! なんだこの味は。何でこんなもん買ったんだ!?」


そう言って使われたものが書かれている張り紙を見ると意外とそこには栄養満点な物しか混ぜられておらず味をガン無視していた。


それを見て呆れていたが、何かの効能が書いてあるのが見えて、それを確認しようとした瞬間、後ろから止まるときの足音が聞こえてきて、同時に背筋がゾッとする感覚も覚える。


ゆっくり後ろを振り向いてみると、そこには目で見てわかるほどの殺気と怒りのオーラを放つ黒髪のゴスロリ服を着た女性が立っていた。


ネル「スパイスを、返して」


確認した瞬間に男は恐怖の叫び声をあげながら逃げ出すが行く先々にネルが現れ、逃れられなかった。


何故ならネルは男が逃げる度に裏通りの屋上に登り逃げる先に走り、何度も先回りをしていたのだ。


なぜそんなことをするのか、理由は彼女が怒りを発散させるためと、こらしめるために怖がらせようと思ったからだ。


何度も繰り返していくうちに男はとうとう限界に達したのか、出会う前にその場で膝を着けて謝り続ける。


「すみません! もう許してください! 返しますから! もうしませんから!」


その言葉を聞き付けたネルは即座に瓶を渡すように指示して瓶を返してもらうが、直接的な制裁を与えるためにその場から立ち去ろうとした男の腕をつかみ天高く投げ飛ばし、キラリとひとつの星を生んだ。


その後チームハウスに帰ったネルは、早速用意した大きな鍋に買い込んだすべての具材をぶちこみ煮る。


その現状を見ながら死を覚悟していた他の四名は静かに席に座っていた。


一度逃げようとも思ったがマインが四名をケルベロス化して見張っていたため、逃亡することは叶わなかった。


しばらくして大きな鍋をテーブルの真ん中に置くが、蓋をしている状態にも関わらず紫色の煙が立ち上っていた。


ネル「おまちかねの、特製歓迎鍋」


そう言ってふたを開けると、様々な食材が紫色の液体に使った状態になって浮いており、玉ねぎは皮を向いただけであったり、魚や肉は生で入れたようにも見える。


ネル「さぁ、玲来、召し上がれ」


玲来「あ、う… うん、いただきます」


その光景を見ていて男組三人はせっかく来てくれたのに申し訳ないと思いながら、ネルが玲来に鍋の中身を入れた皿を受け取るところを見守る。


玲来はまずスープから飲もうと思いスプーンでひとすくいするが、スープではなくヘドロのような物でスープとは呼べるものではなかった。


玲来はネルの顔を見てみるが、無表情の裏にワクワクとしたオーラを放っていて、食べないわけにはいかないと思いそれを口に運び、口に入れる。




玲来「お… おいしい?」




その言葉を聞いた瞬間に男組は「ほへ?」と言うマヌケな声を出してしまう。


玲来「おいしいよ! この鍋!」


ネル「それは、良かった」


その言葉を聞いた瞬間にネルは嬉しいと言うオーラを今まで以上に放つが、男組はそれを信じきれなかった。


玲来「ほら! 天琉も食べてみなって!」


天琉は幼馴染みだけに負担をかけさせまいと自分も皿にひとすくいして食する


天琉「マジだ… うめぇぞこれ! 結構好きな味だ!」


仲良し二人組はそれを聞いて信じがたいと思い、二人は演技をしていると思ってやっぱり食べないと言いきる前に、和装二人組がスプーンにひとすくいしたスープを二人の口に入れる。



「「うまっ!」」



ネルは初めて自分の料理で皆が喜んでくれたことに喜び、食卓全体に広がり全員を覆いつくすほどの喜びのオーラを放つ。


その後リベルタスは鍋パーティを楽しみ無事何事もなく歓迎祝いは幕を閉じた。






自製スパイス、効能

使用するものの心に応じて味を変化させる。

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