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「俺の妹の観察記録」

掲載日:2022/08/14

8月1日

妹が生まれた。

両親が水の動物だったから、妹も水の動物だった。

俺と同じ大型で生まれてくると予想してたら、金魚数十匹だった。

真っ赤な和金で泳ぐ姿はすごく綺麗だった。

まとまって動いている。

たくさん、生まれたから名前つけるの大変だと、両親は慌ててた。

こんなことは初めてで、お腹にいた時は一人の女の子だったからだと。



8月3日

妹が初めて、母乳以外のご飯を食べた。

母曰く、母乳離れが早くて助かったとのこと。

同じ水中でいる時、押し潰しそうでヒヤヒヤしてたとのこと。


食べ物でカラフルなのはよく食べる。


丸いチップのはあまり好きじゃないようだ。

好き嫌いは良くないぞ、妹たちよ。

人になるの遅くなる。


8月8日


妹たちが生まれた時より二倍大きくなった。

そして数が二分の一になった。


プールでまとまって、泳いでいる。


丸いチップのも食べるようになった。

あと、お米もパンも食べるようになった。

お米とパン両方入れてみると、米派だった。


人になったら、お粥作ってあげよう。


8月15日

妹たちが大きくなった。

そして数が減った。


僕が、プールに近づくと寄ってくるようになった。

はよ、人になれ。

一緒に川や海泳ぎたい、遊びたい。


そう思って、自分のおやつを分けてたら、父に見つかって、怒られた。


なんでも、妹たちがベビーフード食べなくなるから、やめてとのこと。


8月22日


妹たちが二匹になった。

少し小さめの鯉くらいの大きさになった。

大きくなったから、一緒にプールで泳ぐ許可が両親から出た。

人の体温だと高すぎて火傷するから、イルカの姿で、泳ぐことになった。

間違えて口に入ったら困るということで、口輪をしてプールに入った。

妹たちは、俺に寄ってきてくれた。

妹たちに合わせて、ゆっくりと泳いだ。


少しからかってやろうと早く泳いだら、必死についてきて可愛かった。


両親は口が大きすぎて、口輪が使えないから一緒に泳げないと嘆いていた。


8月29日

妹たちが一匹になった。

両手で抱えるくらい大きな鯉くらいの大きさになった。

人になるのは、明日明後日くらいだろうと両親と話していた。


そして、何十名も用意していた名前は、一つに絞り込まなければいけなくなった。


仕方なく、妹に選んでもらうことになった。

名前を書いた紙を人になった妹に、選んでもらうというわけだ。


いつ、人になっても大丈夫なように両親が交代でみると言った。

俺もみると言ったら、子供は寝なさいと言われた。

変化の時が来たら起こすからと。


8月30日


妹が人になった。

朝、父のよく響く声で叩き起こされた。

急いでプールに向かえば、人に変化しかかっている妹がいる。


赤い鱗はなくなり、薄橙色の肌が妹を包む。


背鰭、尻尾が消えて、鰭が手足に代わる。


顔が魚から、人に変わる。

髪の毛がうっすらと生えている。


人に変わった瞬間、下で妹を支えていた父が浮き上がる。


そして、妹が人としての産声を上げた。

その妹を母が抱きしめ、プールから上がる。

父も人の姿に戻り、一緒に上がって俺と一緒に妹をじっと見た。

妹も俺と両親をじっと見たあと、にっこり笑ってきた。

初めてみる妹の笑顔だった。


8月31日

妹の名前は、俺が考えた金魚のラテン語にちなんだ名前になった。


「ララ」

妹が迷わずたくさんあった紙の中から、俺の名前を選んでくれたのは嬉しかった。


















「観察記録も、絵日記も、夏の工作も全部金魚の妹関係。

イル君、シスコンになったのだな」

イルの学校の先生は夏休み明け、そう呟いたのであった。


その6年後、この先生は金魚の妹のララの担当になる。

「兄弟揃って、シスコン、ブラコンかーい」

とツッコミが夏休み明けの職員室に響くのであった。

家族構成。

母、ジンベエザメ

父、クジラ

主人公(兄)、イルカ

という構成になっています。


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