王都アルドリナ
『普通のお姫様が王宮を脱走とかあり得ないと思うんだけど?』
フィンが私にそう言ってきました。
「フィンは私が普通の皆の言う「幸薄姫」だと思っているの?」
そう思って居るのだったら心外ですね
『いや、そう言う事じゃないんだよセシリア、ただ皆びっくりしそうだなと思って!こんなに元気なお転婆姫だと知ったらどうなるのかな?と思って』
フィンは私を揶揄っているようですね……
「フィン、もうそろそろ王都に着くから私を降ろしてくれない?」
私は移動の時いつもフィンの背中に乗っているのですが、フィンはフェンリルで珍しい色をしているので目立ってしまいます。
クリスタ王国の中心にある王都アルドリナに着きました。アルドリナはクリスタ王国でも最大の都市で他国から来ている方も沢山いて、とてもにぎやかな所です。
私とフィンは護衛のジオンとメイドのエリリカの四人しか知らない王都の本道の横にある脇道でひっそりと経営している宿に行きました。
宿の名前はマリー亭と言う名前でこの宿は心配性なメイドのエリリカが手配してくれた宿です。
「おや?いらっしゃい、リアちゃんじゃないかい!また来たんだね。部屋は空いてるよ」
この人はマリー亭の店主のマリーナさんでとても優しい女性です。
「はい、お邪魔しますマリーナさん」
私はいつものように部屋に入り私の影の中にいるフィンを呼び出した。
『分かったよ、セシリアありがとう』
フィンが他の仲間達から追い出されたのはこの様に人の影に自由自在に入る事が出来、そして闇魔法が使えるから。と言う事でした。
この大陸には魔法と言う物が使えます。主な物は火、水、雷、土、風等です。そして闇魔法と光魔法があります、闇魔法の使い手は残念ながら差別を受けてしまう事があります。ですが闇魔法と言うのは冒険者や騎士等にとても重宝され、ありがたい魔法なので闇魔法の使い手は、大体国の魔法師団に入る人が多いです。
光魔法は回復等サポートをする事が出来ます。なので光魔法の使い手は教会などに所属しているのが大体です。
「さてと、準備しますか~」
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