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オアシスでの決着

「皆やめて――――!!!」


 少年の声が響き渡った。


 シェラハとイリジス、そしてその場にいた全員が声の主の方、オアシスの方向を見遣る。


「おじいちゃんも!おとうさんも!!村の皆ももうやめて!!」


 パミがこちらへ全速力で駆けて来る。

 村長、そして盗賊等パミが死んだと聞いていた面々が目を見張る。


「おとうさん!?」


 シェラハとイリジスも目を見張った。


「アンダンタル様!坊ちゃんが……!!」


 盗賊の1人が別の男に向かって叫ぶ。呼ばれた男は言われるまでも無く、信じられないものを見る様に目を見開いて呆然と立ち尽くしている。男は、黒ずくめの衣装を纏ってキャラバンの人間に腕を捕られて拘束されながら連れて来られた、あの男だ。


「ディアンタル!無事だったのか!!」


 黒服の男がパミへ駆け寄ってゆく。


「アンダンタル!?」


 シェラハが頓狂な声を上げる。

 パミの名前は確かパミディアン・デルティ・アンダンタルと言った。村の皆が呼ぶディアンタルは愛称。すっかり忘れていたが、アンダンタルとは確かにパミと同じ名前だ。


「何でパミのお父さんが盗賊やってんのよ!!」


 イリジスに同意を求めて目を向けたシェラハに、イリジスが苦笑する。


「お父さんだけじゃなくって、盗賊全員が村人なんでしょ」


 ぎょっと目を見開いたシェラハ。


「なに!?じゃあ、盗賊騒ぎもぜ~~んぶ、あたし達を騙す為に村人全員が仕組んでたって言うの!?」


「ミアーナに、井戸を掘らせる為にね」


 とぼけた表情で言うイリジス。

 シェラハの心中は穏やかでは無かったが、周囲の争いはパミの登場によって取り敢えず収束した様だった。






 並々と水を湛えた大塔の地下通路……いや、今ではオアシスの水を村へ供給する井戸。


 この水を得るために、村では連日の合議が行われていた。


 この大塔の祭壇前から繋がる洞穴は、これまでの測量によってオアシスの湖底まで延びる事が分かっていた。村人達はオアシスの水を今までよりも、より使いやすくする為に、洞穴を利用してオアシスと村とを結ぶ水路としようと考えたのだが、あともう一息と言うところまで穴を整えて作業を中断した。


 残る岩盤は一つ。


 しかしその岩盤を破った人間は、流れ込む水と岩の直撃に合い無事では済まない。

 村人達にそんな危険を冒させる訳にはいかない。


 そう考えた村長が一計を講じた。こちらに向かっているキャラバンの一つに、強大な力を持つ獣を飼う者達がいる、その獣を利用すれば良い。


 そして村長の血族が中心となって計画が実行されたのだった。

いつもお読みくださり、ありがとうございます。

あと1話で完結です。


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