一話『影が薄いと精神的に耐性が付くよ』
僕たちを覆う眩い光が消え一瞬の静けさが僕ら2-Aを襲う。
それから数分後あの不思議な光のせいで痛めた目の痛みが引いてきて周りが見れるようになり判断できる様になったクラスメイトは混乱した。その理由は周りを覆い隠す光がいきなり自分たちを飲みこみ目が覚めたら誰も知らない場所に居たからだ。しかしここで更にみんなを不安にさせる出来事が起こった。それはみんなが混乱してる今の状況でいつもなら率先して纏めるはずのカガナミが今もなお地面に倒れ伏しておりクラスメイト全員が起きたのにも関わらず目が覚める気配が無い、カガナミと同等かそれ以上のカリスマ性でこのクラスを纏められる人はこのクラスには居ない。そうすると次にみんながすがりつくのはこのクラスの担任であの光に巻き込まれた唯一の大人、石風先生にみんなは意見を聞こうと周りを見渡した。しかしこの場にイシカゼ先生は居なかった。僕は確かにイシカゼ先生があの光に飲み込まれるのを見たんだけどなあ……と一人考えに耽っていた。
周りは四方が完全に塞がれた箱の中のような部屋、いや出入りする為のドアやそれに準ずる物が無いのを考えると檻? 壁と床は石製で冷たい、その密閉された空間は不安を煽るような設計で誰も逃がさないとでもいうようだ。もしかしたらクラスメイト達が不安になってる理由の一端ではあるかも知れない。
その頃、やはり周りを見てその威圧感に圧倒され不安になる人が出始めた。
やはり大人の先生や頼れるリーダーが居ない状況の中でどんどんみんなの不安が募っていった。そして遂には「帰りたい」と泣き出す人や顔を真っ青にし怯える人、不安ながらもそれを悟らせないように騒ぎ出す人などが増えていきクラス内の纏まりが崩壊しかけた時みんなの耳にずっと待ってた心の拠り所と呼ぶべき存在の声が聞こえた。
「み、みんな落ち着こう。ここがどこかは分からないがまず纏まらないと……なにもできないと、おも……うんだよ!」
声がする方向を向くと何故か辛そうにしながらも息も絶え絶えに訴えかけるカガナミの姿があった。最後はほぼ叫ぶ感じだったがそれでも精一杯だったのだろう。
つぎの瞬間生まれたのはみんなの歓喜だった。その喜びは様々だったけど元は同じ、クラスがまた纏まった瞬間だった。
――それからみんながカガナミの復活(?)を喜んだ後、この現状についての話し合いが行われた。この会議はカガナミやが司会となって現状の確認や今後の対策などを話し合った。ほとんどがその会議が行われてる円の外回りに座り今の自分たちの状況を把握しようとしていた。僕もその輪から離れずその話し合いに耳を傾けていた。
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現状確認の会議 side:kaganami
「それじゃあ俺が話を進めるけど何か問題があったりしたらちゃんと指摘して欲しい」
俺がこの不可解な出来事についての今 分かる範囲内での共有や対策を練り上げる為に提案したこの会議。……というのは建前で本当は――。
「でもよ、何でこのメンバーがこの話し合い? に指名されたのかわかんねーんだけどよ……特にオタガキとかよ、そこんとこの説明をお願いしてもいいか」
この暑苦しいゴリラが僕の親友を名乗る不届き者の……シンタ? だったけな。
「ああそうだ、まずはそこを説明しないと何で呼ばれたかも何を話せば良いかも分からないか……ありがとうシンタ俺じゃぁ気付かなかった」
シンタは「俺らの仲じゃねーか礼なんていらねーよ」と鼻をふふんと鳴らしながら嬉しそうにそう言った。
正直すぐにミンチにしたかったがそのイラつきを顔に出さない様に笑顔で対応し話を進めた。
「まず今回この話し合いに呼んだ……やっぱりさっきシンタが言ったように指名したと言うけど、どうしてこの四人を指名したのかを説明しようと思う」
ゴリラと同じ表現を使いたくなくて「呼んだ」と言ってみたがあのゴリラの的確な「指名」発言のせいで俺が言い直すはめになった。今すぐ報復したいがここはぐっと抑えて笑顔で対応する。
「まずは一つ聞いて欲しい。みんなが見えてるか定かでは無いが僕の前には薄い板のような物が見えるんだ。そこに書いてあるのは俺の名前と能力の総合値? という項目そして職業とスキル? というのが見えるんだ」
ここは俺の能力を秘密にしておきたかったがこの手の作品は少数だが読んだことがある。この後の展開として一番ありえるのが教皇様とかどっかの王様とかが出てきてステータスの確認をするなんてのが王道だった気がする。なので最終的にバレる可能性が高いのでここで晒したのだ。まあ俺は無知ですよ、とぼやかす事であくまでこの謎の板に書かれてる内容を読み上げただけです、と思わせるように仕向けた。もし今の場所を曖昧にせずにしたら最悪、猿共が俺に反発してくるかも知れないぁらな。ここで俺の慎重さが伺えるな、ふっ
「そして俺にはスキルの所に三つのスキルの名前っぽいのが書かれてたんだ。その一つが鑑定、他の二つのスキルはまだ良く分からなくて多分いまの話し合いには必要ないと思うからそこは端折って、鑑定なんだけど俺が使ってみた感じだとさっきも言った「人名」と「総合値」、「職業」と「スキル」が見えるだけなんだ。他は何も見れない、ただこのスキルは俺以外の人や物も鑑定出来るっぽいんだ。それで総合値が高くて職業やスキルも俺の偏見で強そうなのを得ている三人と色々この手の事に詳しそうなオタ……ババガキ君の合計四人を指名したんだ、そのプラスで俺が入って五人で話し合いをするって風にしたんだ。どうだろう」
もちろん俺の提案を拒否する奴なんて出てこなかった。やっぱり考える脳の無い猿は人間様の言う事に従うことしか出来ないか。
俺が選んでやったのは暑苦しいゴリラと立場をわきまえずに俺に惚れてしまったブスとまあ彼女にしてやってもいいと思ってる幼馴染のチビそれにこの俺様の彼女(違う)に「僕っ子とかまじ天使」とか言いながらエロい目で見てる糞オタ。
そこに俺が入って情報交換したり現状についての心情などを語り合った。
途中で外野の猿共が最後は全員が一人ずつ語り合う事になった。くそっお前らの意見なんか聞いて無いんだよ、ミク以外の猿の意見なんてあの三人で充分だっつーの! めんどくせー
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main:shinjyo
話し合いが始まり司会の存在が強く依存し順調に話し合いが進んだ。途中でカガナミがいつもと違う顔をしたりババガキ君を睨んだりしてたがまあ順調に進み最後は僕を除いてみんなで心情を語り合っていた。自分の気持ちが言えたからか少し前よりだいぶ不安がとれたみたいだ。それからカガナミがここから抜け出す方法をみんなで探す事を提案しそれにみんなが乗っかり今まさに出口を探そうとしたその時四方の壁の一つが光だしみんなが警戒しつつもその明るさに耐えられずに目を瞑る、たっぷり十秒くらい目を瞑ってゆっくり目を開くと70は超えそうな年齢で優しそうな顔をしたおじいさんと人生で苦労しないような美貌を持つ女性が居た。
終わりが不自然というか変でごめんなさい。