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第4話 授業開始!

ダルイかもしれませんがどうか最後までお付き合いください。また疑問や間違いがありましたらご指摘ください。 批判でも構いませんので、評価・感想お願いいたします。

「いいか!自衛は他の科目の様に甘ったれたもんじゃない!生きるか死ぬか、要はサバイバルだ!」



馬鹿でかい教室に馬鹿でかい声が響いた。

こんな熱血教師今時珍しいだろ。ドラマでも見て影響されたのだろうか。


「ガーディアンは、言わばお前らの武器だ。武器は正しい使い道を知らないと、逆に自分の首を絞めることになる。わかったか!」


「はい……」


周りの生徒も完全に乗り遅れている様子。というか、先生はなんであんなにテンションが高いんだろ。


「はい、は一回だろ!わかったか!」


「はい!」


返事の大きさじゃなくてそこを指摘するのか?というかちゃんと一回だったぞ?……もしかしたらこの先生馬鹿なのかもしれない。


「なぁ、あの先生馬鹿じゃないか?」

すると唐突に太一が口を開いた。

さすがの太一も気付いたらしい、熱血さんを目を細めて見下しながら鼻で笑う。

それがあまりにも似合わない仕草でとってもおバカに見えたんだが、内心で笑うだけにしてやろう。俺は心が広いから。


「この授業ではまず人工精霊を召喚することから始める!道具はさっき配布されたものを使え!」


そのうるさい掛け声と共に生徒達がそれぞれに自分の持ち物に目を落とす。


「これで精霊を召喚できるなんて、最近はハイテクになったもんだにゃ〜」

「全くだな。お前の語尾は一々気に障るけどな」


太一は

「てへっ」と自分では可愛いと思っているらしいキモいウインクをした。正直萎えた。


しかしながらこんな道具で本当に精霊を召喚できるのだろうか。

俺の両手に収まっている物は

なんか安っぽい水晶

100円位じゃないのか?


キーホルダー的ミニライトお土産屋で300円くらいで売ってそうだな


なんかマジックで使いそうな白い手袋

500円くらい?


さっき白雪さんが落としたハンカチ

プライスレス!っていうか、絶対売らないよ?


さて、これでどうやって召喚するのだろうか。周りも同じことを考えてるらしく、みな困惑した表情で先生を見つめる。

やっぱり馬鹿なのか?と。

「いいか!まずは手袋を嵌めろ!絶対に外すな!」


手袋っと。そういえば右手用しかないが、皆同じらしい。


「次に水晶を少し前に投げろ!」


え?それは地面に落ちて壊れるだろうよ。だって安っぽいし。

しかし先生はお構いなし。どうやら投げるしかないらしい。


「見て亮太!浮かんでるにょ!」


背後にいる太一の興奮した声で振り返ると、そこには信じられない光景があった。

ただの安っぽいはずの水晶が空中に浮いているのだ。

まさかだよ。この手袋といい、これはマジックの練習なのか?


何度も目を擦るが、確かに周囲にはいくつもの水晶が浮かんでいた。


ならば俺のも浮くはず。

そう思って水晶を前方へ投げると、それは確かに浮かんだ。


「いいか!次はライトを当てろ!必ず手袋を付けている方の手でやるんだ!」


また熱血の無駄にでかい声が響いたが、どうやら気早い奴もいるらしい。その声が終わるかどうかの内に目の前でライトの光が一筋水晶に向かって当てられた。

「なんだこれ?!」

その瞬間に一筋だった光が水晶に反射して天井まで伸びる光の柱へと変化したのだ。

あまりにも唐突だったので俺を含め殆どの生徒がだらし無く床に尻餅をついてしまった。しょうがないだろ、本当にびっくりしたんだから。


すると熱血がそちらを指差してまた大声を張り上げた。

「いいか!これがゲート、いわゆる光の門だ!人工精霊はこの特殊な光の門から召喚される!魂を込めてゲートオンと叫べ!」


気早い少年は慌てて頷くと

「ゲートオン」と小さく呟いた。


「嘘だろ……!」

「ありえねぇ!」


誰もが口を揃えて唖然としてその幻想のような光景を見つめていた。

これは……自分の目を疑うしかないだろ。


その長い光の柱からにゅきっ!といきなり手が出て来たと思ったら、中から人が現れたのだ。

そいつは深紅のワンピースを着て背の低い少女だった。

誰もがその少女を見つめるが、少女は一向に言葉を発しない。


「それが人工精霊だ!そいつらは特別なの以外言葉を発しない用にできている。つまり、感情はない!召喚者を護る為だけに戦う、用は機械だ!」


一通り説明を終えたのか、熱血は満足そうに自分のちょび髭を撫でる。


それを見て皆一斉に召喚し始める。確かに自分のガーディアンがどんなのか着になるな。

あ、別に女の子がいいとか思ってないぞ?さすがにそこまで飢えてはないからな。

「見て亮太!僕のガーディアンはとっても可愛い!」

「ほぉ、どれどれ」

やっぱりこいつは早いな。太一の方を見ると、俺は真に絶望した。そこには黒いドレスに身を包んだ可愛らしい顔の少女が立っていたのだ。

神はなんて残酷なのだろう。これでは太一が機械プレイとかやりかねない。


だが当の本人はそんなことお構い無しらしく、早速ガーディアンの頭を満足げになでなでしている。

くそ、この現場を撮って警察に突き出してやりてぇ。もちろん誘拐犯として。


「そういえば亮太のは?」

「はいはい今からやるとこだっつーの」


とか素っ気なくしてみたが、俺だって実際気になるよ。これから長く付き合うことになりそうだしな。


俺は高鳴る胸を必死で抑えつつ、右手でライトを当てた。

「ゲートオン!」


その言葉と同時に光の柱からにゅっと黒い腕が現れ、ひょいと軽い身のこなしで地上へ降り立った。


俺はその姿にしばらく見入ってしまった。何せそれが期待とは別の方向に凄かったんだから。

スラッと現れた細身の男は全身黒いスーツを身につけ、深紅のネクタイをしっかりと上まで絞めている。


整った顔立ちとツンツンの頭。その出で立ちからはもはや百戦錬磨の威厳すら感じられる。

なんつぅか、すげぇ強そう。

男はしっかりと目を開くと、俺を、いや俺の心を見透かした。


「初めまして。召喚主マスター。私は人工精霊のシロンだ。以後よろしく」


「……え?」


今こいつ、喋った?



そう自己紹介すると、目の前の男はニヤリと微笑んだ。

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