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女騎士は語るⅡ

見事にフラグりましたね。。

申し訳ない…。


「近衛騎士副団長ミリア、陛下の命により馳せ参じました」


「うむ、来たか。形式はよい、楽にせよ」


「八ッ」

 ミリアが形式に則り、膝をつき頭を垂れると国王は苦笑して手を振った。

 それに従い、立ち上がるとミリアは近衛騎士団長であるザイルのもとへ向かう。


「おう、来たか」


「団長―――」

 なぜ自分まで呼ばれたのか。そう問おうとしたミリアを制し、ザイルは苦笑する。


「お前の言いたいことはわかってる。わかってるから、そんな怖い顔をしなさんな」


「怖い顔なんてしてません!もともとこういった顔です!!何度言ったらわかるんですか!!」

 自分が気にしている目つきの悪さを指摘され、目の前の男を睨みつける。


「ハハッ冗談だって、お前さんは相変わらずだなぁ」


「茶化さないでください!そろそろセクハラで訴えますよ」


「はっはっは!それは困るなあ!」

 そういって笑う団長を見かねた国王が苦笑いしながら団長に声をかける。


「団長、ほどほどにな」


「わかっておりますよ、陛下」

 そう言い終わるや陽気にウィンクを返す団長は怖いもの知らずである。

 少なくともこの場でそんな芸当をやってのける肝が太い人物はこの団長を除いてほかにいないだろう。

 現に、先に集まっていた大家の貴族たちは今の団長の行為に戦々恐々としていた。

 この程度のことで怒り出すような器の持ち主でないことは分かっていても、自国のトップ相手にこういった行動を起こす輩は普通いないのだ。


 これが普通の反応だとミリアは頭を押さえる。

 まあ、だからこそ、彼の様な人物は重宝されるのだが。

 国王に堂々と意見できる人間でかつ実力を兼ね備えた人物など、ほとんどいないのだから。

 おまけにザイルは家柄も侯爵家と申し分ない。


 しかし、それでもミリアにとっては困った人であることに変わりはない。


「ザイル殿!あなたは陛下に対してもう少し礼儀というものを―――」

 それを見かねた大臣がいつものように小言を言い出し、そんな大臣からザイルは降参とばかりに手を挙げて後ずさる。

 そんないつものやりとりをミリアはため息をついて見やった。

 最初に見た時は驚いたものだが、彼女もいつの間にかこの光景を見慣れてしまっていた。

 国王もいつもの事だからこそ、このやりとりをのんびり見やっている。


 武官と文官のトップがこういう者達だからこそ他国の様な確執もなく、良好であるとわかっているのだ。

 むしろ、他の貴族に見せつけている節がある。

 アルカサレ王は優しそうな見た目に反して、中身は強かなのだ。


 (喰えないお人だ)

 だからこそ、彼には皆が付いて来る。

 アルカサレの王は、人の機微に聡いと貴族に周知され、賢王として民衆に慕われていた。


 やがて、準備ができたのか、先ほどから忙しなく動き回っていた宮廷魔術師の一団の中から他とは意匠の異なるローブを纏った女性が、国王に声をかける。


「陛下、準備が整いました」


「うむ」

 国王は一度うなずいてから、一泊()くと、徐に手を叩いた。

 それに合わせて、和やかだった雰囲気は一瞬で静まり返る。

 団長と大臣もいつの間にか持ち場に付いており、副団長であるミリアもそれに合わせて国王の横へ佇んだ。


 国王の両側に近衛騎士団長と副団長が固める万全の体勢だ。


 この布陣は重要な事態が発生しない限り、敷かれることのない陣形であった。

 ミリア自身もこの体制は話に聞いても実行したことがなかったため、内心驚いていた。

 事実、ミリアが近衛副騎士団長に就任してから、この布陣を敷く事態は起きていない。

 国王が、今からすることをどれほど重要視しているのか、推し量れるという物だろう。

 だからこそ、ミリアの疑問は尽きない。


 そして、周囲もそれを理解しているからこそ、空気がピリピリとしたものへと変わる。

 まるで、先ほどの雰囲気が嘘のようである。


 国王は周囲を見据えたのち、打って変わって厳かに述べた。


「では、これより、勇者召喚の儀を始める」


 その声を合図に、宮廷魔術師団が詠唱を開始し始めた。












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