プロローグみたいなもの
ほんと、最近書けてないなぁ。
気分転換にどうぞ。
どうやら俺は死んだらしい。
色とりどりの自然に囲まれた場所で、目の前に立つ人物にそう告げられたんだ。たぶん、そうなんだろう。
そうだよな。
ここまで来れば大体の人が察したと思う。
俺さ、転生するらしい。
本来だったら、ここで俺の過去の生い立ちやらなんやら長々と語るんだろうけど…正直に言って欲しい。
興味のあるやつっている?
どこぞの馬の骨の一個人情報なんざ、たいして興味ないだろう?しかも俺、男だぜ?
少なくとも俺は、ない。
という訳で気が向いたら話そうと思う。たぶんな。
てなわけで話を戻そう。
俺は、どうやら死んだらしい。
んで、そんな俺は目の前にいる人に異世界のバランスが魔王という存在によって崩壊の危機にあるとか なんとかで、勇者として転生してほしいんだって。
わかるよ?言いたいこと。テンプレ、だろ?
まあ、最近の小説の風潮だと、わき役として召喚!みたいなモノがメインで、勇者が主人公!みたいな話はないように思う。
まあ、つまんねーなーとかさ。読者だった俺も、好きだけど、最近マンネリ気味だなぁとか、たまには王道がみたいなぁとか思ってたよ?俺なら勇者やってみるのに!とか少し思っていたりしたよ?
でもさ。
当事者になると、考え方変わるぞ。
何故かって?簡単さ。
単純にダルイんだよ。何が?使命が。
まあ、最後まで聞いてほしい。
こういう話の大事な大事な導入ってあるだろう?
まず、なにがいる?始まりには欠かせないモノ———あるだろう?
そうだ。
目の前には純白のローブを着こなしたこの世のものとは思えないような女神様が———いると、思うだろう?
そんなあなたに朗報だ。
アレは幻想だ。
当事者である俺が保証してやる。
確認したら、女神様はそんなに暇じゃないって言われたよ。ネットスラングで言うところの草を生やしたくなるね。それはもう、大量に。
俺の担当っぽいその方は———白の対極にある真っ黒い服装で、おまけにそれがローブときた。
そもそも顔なんざろくに見えやしない。
声質は間違いなく男だろう。
その時点でその人に対する興味は失せたよね…ちくしょう。
「という訳で、君には異世界に言ってもらいたいのだ」
「なるほど」
長い長い説明を聞き流していたが———どうやら、それもようやく終わるらしい。
まぁ、たいして聞いてなかったんだけれども。
「では、受けてくれるかい?」
「たいへんありがたい申し出ですけれど、私には荷が重いです。謹んで辞退させていただきます」
俺には荷が重い。
大人しく成仏するなりして、来世を生きよう。大した未練もないしな。
…我ながらつまらない人間だな。
まぁ、そんなことを考えていたんだよ。
でもな?
「そうか。受けてくれるか!!では、あまり時間もない事だし。転送を開始しよう」
まるで、その言葉しか用意していなかったかのような———違和感のある返答。
いま思い返せば、そいつの言葉を俺が理解するまで、しばしの間があったように思う。
……こいついま、なんてイッタ?
「———はっ?…え?ちょ、待っ——————」
そんな俺の言葉も虚しく、そいつはそう言うなり手をかざし―――次の瞬間。
俺は光にのまれ、気がついた時にはどことも知れない偉そうなおっさんがいる仰々しい場所に1人ポツンと立っていた。
わかるよ?何を言いたいのか。
なにが起こったかって?こっちが聞きたい。
でも、まあ、とりあえず。目標はできたよ。
魔王を倒す為に勇者として呼ばれたんだっけ?
まぁ、この際それは仕方ない。本意ではないが、仕方ない。でもな?それはついでだ。
あくまで、ついでだ。
正直、この先色々としがらみとか出来てさ。その使命とやらにも熱ってもんが宿るんだろう。
そういう展開は嫌いじゃない。むしろ好きだし、望むところと言ってやる。
でもな?
俺の目標は魔王を倒す事じゃない。黒ローブ野郎、お前をぶん殴ることだ。
覚悟しておけよアンタ。
そのためにも、ついでにこの世界を救ってやるよ!
ウチに活を入れるかのように吠える。
待ってろよ。クソったれ!!
そんなこんなで、俺こと進藤 陽太のブチギレ譚は理不尽に始まった。
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