ヒーラー
私は特別な存在だ。
日本魔術師連合会においてたった5人しかいない、ヒーラーと呼ばれる存在だ。
会では癒手とか、治癒者とかが和訳として使われる。
でも、私はたいがいはヒーラーと自称することにしている。
そっちの方がいいと思っているからだ。
なぜ、この力を得られたのかはわからない。
はっきりとわかっているのは、10歳ぐらいのとき、友達が木から落ちた怪我を治したのが最初だ。
以来、正式な検査を受け、ヒーラーとしての力があることがわかった。
手野大学での魔術の勉強も、特別なカリキュラムが一部入れられた。
今は、救急救命士として働くかたわらで、精神カウンセラーとして、神秘省からの委嘱で働いている。
この道しかない、そう思わせてくれるような、天職だと私は思って今日もヒーラーの力を使っている。