第四話 再会
前回までは頭脳戦をしていたんですが今回はちょっとした戦闘シーンを入れてみました!だけど戦闘を伝えるって結構難しいですね・・・
村の中央でのゲーム後、ライはクレイに言われたとおり家で待機していた。時々扉を叩く音や声が聞こえていたが今は外に出るつもりはない。出たところで質問されるか嫌味を言われるだけ。
そんな未来が容易に想像ができて声が聞こえないように枕に顔を押し付け布団に倒れるように寝ころぶ。横になった布団からは少しだけジメジメした埃っぽい感じがして不快になりながら思う。
(そういえば最近夜に帰ってくるばかりで布団を干す時間なんてなかったな)
次の休みの日に洗濯しようとも考えるがすぐに考えるのをやめる。
(次の休みって、この村から離れないといけないのにな)
そんなたわいのないことを考えながら、思わぬところで出てきた知り合いについて考える。
ティアリス・フロレンス
孤児院で仲がよかった一人で赤髪、赤色の目をした女の子。性格は明るくて適応能力も高かった、どこかに引き取られたとは聞いていた。でも、それから音沙汰はない。
まあ、音沙汰を取れないといったほうがいいか。引き取った側としたら孤児院にいた仲間などうでもいい話。逆にたかられたりティアリスが危険な目にあう可能性もあり周りの社会的にも孤児というのは隠していいと思う。
だから行方もしらなかった。……今日までは。
「元気なのかなー」
孤児院にいたときの小さな幸せ、楽しかった日々を思い出しながらライの意識は徐々に暗闇と落ちていく。最近は夜遅くまで仕事をして夜中まで読書をしていたため疲れが溜まっていたのだ。
そのままライは睡魔に実をゆだねるのだった。
そして時間が経ち
カリカリカリカリ
どこからかそのような音が聞こえてきてライは目を醒ます。
一体どのくらい寝ていたのだろうかと窓の外を見るとすでに月が出ていた。いつもなら夕食を食べている時間帯だろう。
「にしても何か音がしなかったかな?」
音が気になり少しだけ寝台から顔を上げて耳を澄ますと
カリカリカリカリ
やはり何かの音がしている。どうやら何かで引っかいている音のようだ。
その正体を突き止めるために一応、ライは形見である二対のガントレットをつけて扉の付近にいく。
「……」
未だに鳴り続けているが人の気配はない。とりあえず外の様子をと扉を少し開け、外の様子を見ようとした瞬間足元で何かが中に入ってくる気配があった。
それに対してすぐに身を引き相手に対して身構えるがライの数歩前いにいたのは。
「ニャ~」
猫だった。しかもライにはこの猫に見覚えがある。そう、今日クレイが説明をした猫だった。
「お前ここに来てどうしたんだい?」
猫がトテトテとライの傍にやってきてもう一度「ニャ~」と鳴いたので、ライは苦笑しつつ右手のガントレットをはずして頭をなでる。
「何か用があってきたんだろうけど、あいにく猫語なんて分からないんだ。お前が言葉を喋れればいいんだけどな」
そう問いかけるも猫からは返事がない。その代わり気持ちよさそうに目を細めていた。
それにしても猫って
「どうしてこんなに可愛いんだろう」
小さく呟いたつもりだったが突然可愛いといわれた猫が反応して、照れているのか尻尾がゆらゆらと左右に揺れている。
しばらく猫をなで続け微笑ましい光景に甘んじていたが少しだけ意識を切り替える。
「さて」
そろそろお出ましのようだと。
突如ガラスが割れる音と、乱暴にドアを蹴られる音が鳴り響き、数人の男が室内に入ってきた。
「これはこれは手荒いことをしてくれますね。後でガラスとドアの修理代はどこに請求させれば?」
若干の怒気と含ませらがライは家の中に入ってきた男達に目を向ける。ライの家にやってきたのは二人の兵士だ。甲冑はフェレス王国の甲冑をまとっている。
ライが猫をなでるのをやめ右手に再びガントレットをつけるがそれまで相手は無言でいた。
「無言ってことは目的を話す必要もないってことね……いいけど少し待ってくださいね」
そういって近くにいる猫をおき、相手から視線をずらさずに話しかける。
「もうちょっとじゃれあいたかったけどお客さんが着たみたいだ。だから君はもうお帰り」
そういって、帰らせようと思ったがなんと意外な光景を目にする。
猫がいきなり前に進み始め敵を威嚇したではないか。しかもそれだけなら珍しくもないかもしれないが、敵がなぜか後ずさっている?
「この猫ってまさか」
ある仮定を導こうとして、視線を猫に視線を移そうとした隙を二人の敵は見逃さなかった。
敵二人は投げナイフを投げてきた。
「!」
一瞬だけ隙を見せただけで正確に二人は攻撃した、この二人がそれだけ只者ではないのだろう。
少しとはいえ完璧なタイミングで投げられたナイフはライに防げるものではない。方法はあるにはあるにはが、それを行うにしても距離が近すぎなのと意識を逸らしてしまった。
せめて被害を最小限にしようとガントレットで顔と胸辺りを防ぐが・・・いつまでたってもナイフによる衝撃は来ない。
「もう、心配してくれるのはありがたいけどちょっと油断しすぎ!そんなところも変わらないんだから」
変わりにやってきた音、ではなく声がしたほうを見ると一人の女の子の背があった。
燃え上がるように赤い髪をした女の子は、敵二人とライの間を挟むように立っていて守ってくれているようだった。
しかし、ライにはそれ以外のことに目を奪われていた。どこかで聞いたことのある声、そして燃えるような赤い髪。
「とりあえず色々と説教をしたいことはあるけど、まずは二人を片付けるよ!」
女の子はどこに持っていたのか槍を取り出すと二人の刺客に立ち向かっていった。
相手はこう思っただろう。このような限られた空間で場所をとる槍を選択するなど愚の骨頂と。二人の刺客は接近戦に便利な片手剣で女の子に襲い掛かる。
ライはすぐに加勢しようと足に力を入れ前に走ろうとした刹那
「ぐぁ!?」「がぁ!」
劣勢と思われていた女の子はその場に立っており
優勢と思われた男二人はその場に倒れていた。そしてその一部始終をライは目のあたりにしていた。女の子が使った武器がなぜか軌道を変化したのだ。二人にあたえた攻撃は穂先がグニャリと曲がり首を貫きそして一人は絶命、もう一人は腹を切られ床で痛みに蹲っている。
「ぜんぜん歯ごたえがないんだから。もうちょっと骨があってもいいと思うんだけどなー」
一人で何事もなかったように言う女の子は安心しきったのか二人に背を向けこちらに向き直る。
向き直った彼女の髪は燃えるような赤色をしていて、目も緋色だ。体つきは女性特有の体つきをしているがまだあどけなさが残っている顔つきをしている。
こちらが何も言わないことに「ん~?」と腕を組みながら考えていた彼女。だがすぐに何か結論にたどり着いたのか
「ああ、わかったなんでそん」
とそこでライは飛び出していたそれを見た女の子は顔を真っ赤にして
「え、あ、その、えと!?」
何を勘違いしたのか手を左右に振って動揺していた。しかし、ライはそんな彼女に目もくれず後ろのほうを見やり念じた。
念じた瞬間金属がぶつかり合ったような音が辺りに響く。
よく見ると彼女がいたちょうど後ろ辺りにナイフが二本落ちており、それが何かにより落とされたようだった。
それを見てようやく彼女は自分の勘違いであわてていたのだと気がついてさっき以上に顔を赤くすると、俯きながらお礼をライにお礼をいった。
「えっと、ありがとう」
「うん、お礼は後でいいからあそこにいる人をできれば捕まえてほしいかな」
そういって、指を差す先には一人が逃げようとしていた人物がいた。
「もう、バカ」
彼女はそれだけ言い残すとすぐに走り出しすぐに捕まえに言ってしまったのだった。
彼女がいなくなって半刻後、ライが飛び散ったガラスやドアの後片付けをしていた時に再びやってきてひと段落するとお互い家の椅子に座って彼女から説明を受けた。さっき襲ってきた刺客は全部で三人いたらしく全員捕縛したらしい。あと犯人達は王国の兵士達にまぎれていたらしかった。なぜライを狙ったかは、今回国王が言い始めたゲームの本当の目的の適合者候補だったかららしいのだ。
あの三人が偶然クレイの部下であり、たまたま自分がここにいて良い結果を残したから狙われたらしい。偶然が続きすぎて不自然とも考えられるが今は証明することはできない。
そこまで説明を受けて二人とも一息つき呼吸を整えると、ライは改めて赤髪の女の子の名前をいった。
「もうそろそろいいかな。改めて、ひさしぶりティア」
ティアと呼ばれた彼女は名前を呼ばれたことを喜ぶように満面の笑みを浮かべて答えた。
「うん、久しぶりライ」
こうしてライとしては思いもかけないところで孤児院で離れ離れになった幼馴染と再会を果たすのだった。
だがどうだろうか、まさかライ自身も気がつくことはできなかっただろう。
彼女との再会が実は町にいられなくなる理由であり昔とある三人で交わした約束を果たすための鍵だったと。
ついに一人の隠れ住んでいた馬鹿で愚図でお調子者の若者が、長い雌伏のときを空けフェレス王国という大舞台に舞い上がる時期にきたのだった。
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