第四話 心絵 上
初日のホームルーム、自己紹介は低空飛行に終わった。
ただこれでいい、
俺がトップバッターであの雰囲気を作り出したから
ハメを外して大コケするやつも
大爆笑の大笑いをかっさらうやつもいなかった。
低空飛行で無事に着陸できればそれでいいんだ。
俺が決めたこの高校生活での覚悟は
黒子に徹しながらこのクラスをそれなりに
上手く、滞りなく卒業に導く。
そして叶えられなかった自分の夢を今度こそ叶える。
「天川君だよね。
料理人になりないんだよね?
何で、何で?
何でこの学校に入ったの?」
自己紹介が終わった瞬間
後ろから駆け寄ってきた女子から話しかけられた。
「笂井さん?だよね。
料理人ってかっこいいじゃん。
学校は近かったからだし
これからの時代、情報って必須だからね。」
「ちょっと真悠、そんなにいきなり質問ばかりしちゃ迷惑でしょ。
ごめんね天川君、この子初対面の人にもいつもこうなの。」
猫みたいに落ち着きのない笂井さんをなだめるように後ろから別の女子が話しかけてきた。
「私は、小相木 夢。
この子とは同中で.あっニ中ね。
えっバイトってどこでするの?」
「まだ決まってないけど
家の近くの居酒屋でしようと思ってるよ。
小相木さんもバイトしたいの?」
「そうなんだけどね、この学校って厳しいらしいじゃん?
とりあえず部活入らないと担任からバイトの許可おりないらしいし。
やるならバラウォークの中の店かな?
でも知り合いにいっぱい会いそうで嫌かも。」
そういえばこの学校バイトの許可厳しいんだった。
明日の放課後残っていろっていうのはどうせその話だろう。
「まぁ、天川君もバイト始めたら教えてね。
真悠、席戻るよー。」
「じゃあねぇー。天川君。」
変わった2人だな。
身長普通、体格普通、ルックス普通以下
スタイルが普通のお陰でかろうじて容姿普通くらいの俺に話しかけてくるなんて。
リアル(18年前)じゃいなかっ…
いや、いたか
入学当初はちょいちょい話しかけられたけど
そっけなく返してたら話しかけられなくなったんだよな。
バラウォークか。
暇だし寄って帰るか。




