第一話 Start over! 下
「蓮、早く起きなさい!!
学校遅れちゃうわよ。
入学式でしょ。」
ん?学校?
今日は仕事は休みだぞ。
「学校ってなんだよ。
今日は仕事休みだよ。
てか母さんは今日仕事じゃないの?」
俺は寝起きでまだ回らない頭で
必死に今の状況を把握しようとした。
「何馬鹿な事言っているの?
今日は高校の入学式でしょ。」
キッチンから聞こえてくる母の声は
少しだけ若い気がした。
ベッドから起きるとなんと
そこは学生時代のまだ家を建て替える前の
俺の部屋だ。
そして、体も軽い。
夢なのか、いや夢なんだろうと思い、
おもいっきりほっぺをつねったり
頭を叩いてみたが痛みを感じる。
何より夢ならこんなに自由に喋ったり
動いたりできないはずだ。
そんな事を考えていたら懐かしい声が
聞こえてきた。
「蓮、おはよう。今日は入学式だね。
父さん、行けないけど気をつけて行くんだよ。
頑張って。」
もう二度と会えないと思っていた父が
目の前にいる。
無意識で目から涙がこぼれ落ちてきた。
「父さん、俺、俺、…」
言いたい事は山ほどあるのに
涙で言葉が出てこない。
「そうか、そうか、そんなに高校に行けて
嬉しいか、けど早く準備しないと遅刻しちゃうよ」
そう言い父さんは仕事に行ってしまった。
俺はこぼれた涙を拭いながら
現状を把握した。
2007年4月9日 高校入学式の日に
タイムリープした事を。




