第五話 Happiness 下
真悠と夢はすっかり休み時間の度に
俺の席に集まるようになった。
リアル(18年前)じゃこの2人と
仲良くなるなんて想像も出来なかった。
それよか話した事すらほぼなかった気がする。
どうせクラスの隠キャの男子どもは
リア充タヒねって思っているんだろうな。
それか俺ら女子なんか興味ないんだけどって
イキっているんだろうな。
まぁイキっているのはお前だろって。
そうなんだけど残念ながら
ラブコメ的な展開にはなる訳ない。
何故なら俺の中身が33のおっさんだからな。
女子達は同級生なんだけれど
異性とは見えない。
子供というと変で妹というのもちょっと違う。
親戚の子供くらいな感じなのかな?
とにかくそういう感情は今はない。
まぁボッチより楽しいからいいか。
それより昼休みになった今、
俺は1人、家庭科室に向かっていた。
目的はそう京目先生に会う為に。
「失礼します。
京目先生は居ますか?」
「はいはーい。
君は…
えーと…
誰だっけ?」
家庭科室の奥から出てきたその人は
作りかけで糸が飛び出ている
顔の大きさくらいのクッションを持っていた。
「天川です!
天川 蓮。
昨日、入学式の後に南校舎であった!
今日は聞きたい事があって来ました。」
「あー!!
昨日の…
もしかして倉賀野先生が言ってた子?」
「そう昨日の。
ん?倉T?
あの人、何か言ってたんですか?」
「なんかウチのクラスに調理師志望のヤツが
いるから見てもらえる事は出来ませんか?
ってね。
キミ、変わってるね。
商業高校に入って調理師とは。」
「あの人、そんな手回しをもう…。
そんな事はいいんです!
俺は何で18年前に戻ったんですか?
先生、何か知ってるんですよね?」
「天川君、キミは本当に面白い子だね。
そうだ、知りたかったら
毎週水曜日、放課後にここに来る事。
あと、先生の事はキョーちゃん先生と
呼びたまえ!
約束だからね。」
「はい?
質問の答えは?何で毎週、
ここに来なきゃいけないんだ。
俺はただ知りたいだけなんだ、この状況を。」
「はいはい。
そこまで!
昼休み、終わりだよー。
早く教室に戻った、戻った!」
今日も結局、真相には辿り着けなかった。
それにしても倉Tは意外に生徒思いなんだよな。
したたかで、根回しもちゃんとやる。
"あの性格"だけ直ればいい先生なんだよな。




