その7
時は少しだけ遡る。
「んで、白斬これからどうしたら良いと思う?」
「好きにしたらいいんじゃないか?」
好きに、ねぇ?正直あれだけ広い場所から勇者を見つけるのは割と困難な気がするから気長に探したい。
「それとも元々私が統治してた領地でも見に行くか?」
「統治?あぁ元四天王だったんだよなそういえば」
「別に隠すつもりもなかったんだが、話す機会もなくてだな」
別に気にしないが、どちらでも構わんし。
「そうだな、とりあえず目的がないからそこに行くか」
元々統治してたっていう魔族西領地へ向かうことにした。
数時間歩いた辺りでなんだか騒がしい様子だった。
ここは西領地の境目辺りで、どちらの領地も近い、となれば考えうる事は1つ。
「誰かが戦っているのか」
そのような雰囲気を感じ取り、静かに向かった。
見つけた先には誰かと誰かが1VS1で戦っている様子だった。
「あれは...雅楽だな。私の次の四天王にでも選ばれここの統治を任せれていたのか」
そんな考える様子を聞く。
四天王の魔族と相手は人間だろう、お互い他の奴らは手を出さずただ見守っているようだ。
「一騎打ちって所か、んじゃあ俺らも見ておくか」
魔族側が勝つか人間側が勝つか、正直どちらでも構わないんだが、流石に魔族側を応援しておこう。
うぉー!
歓声が上がった。人間側が勝ったようだ。
「魔族側の負けか、どうする白斬」
「正直な所助けたいのだが、あれに水を差す分けにもな」
「元々部下なんだろ?良いのか?見殺しにして」
「負けた時には死ぬ、それだけの事だろう」
なんとも魔族らしい考えなこって、だが俺にはそんな考え持ってないからな。
「じゃあ俺は助けに行ってくる、って言ううか初陣だな?俺の実力がどれほど通じるか試してくるわ」
人間と戦った事などなく、ずっと魔族領内に引きこもっていたので凄く楽しみだった。
「気をつけるんだぞ、仮とは言え四天王を倒した相手だ」
そんなこんなで目の前でまた紛争が始まろうとしていた。そこの中心部へ降り立つ。
「なんだお前は?人間か?魔族か?」
警戒心丸出しの目をこちらに向ける両者。
「当然、魔族側だよ」
威圧をかけ、応える。
「ならば殺すのみ!」「死ねぇ!」
敵とみなせばすぐ殺しにかかる、まぁ大方予想通りなのでなんでも良い。
「君達は下がってて良い、俺の初陣なんだ、楽しみを取らないでくれ?」
初陣でテンションが上がっている俺は後ろに佇む魔族達に告げた。
「わ、わかった。」「武運を祈る」
そう困惑した表情の中撤退していく魔族達を後ろ目に大量に突撃してくる人間共に放つ。
《"闇"第5階位魔法ブラックリベリオン》
そう言い放った魔法は黒く大きい円ができて、その中から闇でできた黒い剣が出てくる、それに貫かれる兵士達、大量虐殺の始まりである。
「闇魔法!!??」「逃げろ!」「退避!退避!」
そう逃げて行こうとする兵士達すらも虚しく死んでゆく、人を殺すのってこんなに簡単だったんだな、それになんにも思わない。
少しくらい良心が残っているかと思ったがそうでも無いようだ。もうあれらは敵でしかないのだろう。
「ウィルシュフティム・アマ・ビエルスタ参る!」
そう名乗っていた兵士は先程四天王に勝っていたやつだった。少しは強いのだと期待しよう。
剣を2度、3度交わし
《"闇"第3階位魔法ザインランス》
闇でできた黒い槍、それを相手へ投げるが、相手は避ける、そしてこちらに剣を向けてくるようだが
「1度避けただけで終わりのつもりか?」
そう言われて気づいたのか後ろを振り返る相手、もう目の前まで戻って来ている槍、死に際である。
「まさか...わたしが...」
そんな雑魚お得意のセリフを吐きながら死んで行った。なんだ、ただの雑魚ではないか楽しみだったというのに。
そんな事をしているうちに人間側は撤退が完了してしまったようだった。
「流石に人間領地には足を踏み入れたらまずいかな」
周りを血だらけにし、多く者を屠ったがいまいち実感がわかなかった。まぁこんなもんだろうって感じだった。
「見事だったぞヴェルナ、初陣にしては上出来だ、上出来過ぎて教えることが何も無いくらいにはな」
そんな言葉で褒める白斬。
「いや、まだだよ白斬、敵の頭が残っている」
「先程のやつが頭じゃないのか?」
「何を言っている?頭が居ないのにどこに帰ると言うんだ」
当たり前だろ?という感じだったがどうやらあまり気に止めていなかったらしい。
「じゃあなんだ、人間領地を侵食でもするのか?」
「あぁそのつもりだが、流石に戦力が足りない、だから」と周りの血を見てこういう。
「なにか召喚して見ようかと思う」




