その6
俺の名前は雅楽。
他のやつより腕が多く、色んな点で勝っている男だ。魔王は俺をあんまり評価しねぇけどそこらのやつより全然強いだろうな俺は。
なんて思っていたんだよ正直、あの鬼が現れるまではな。
あの鬼、白斬つって最初は女の鬼が強いなんてイメージはなかったからな、舐めてた訳だが知らん間にボコられてた。意味がわからなかった。
あの女は正真正銘の化け物だった訳だ。
そいつが俺を差し置いて四天王に成り上がりやがった。だが、俺も心の奥では納得しちまってたんだ。
「だがっ!そんな女ももう四天王を辞めた!今こそ!俺の力を存分に見せつける時!」
俺は強いんだよ、魔王と同等かそれ以上には。
白斬は女っ気がねぇが、まぁ嫁にでもしてやろう。
俺の物語はここから始まる訳だ!
「ダーッハッハッハ!」
「おい、なんだよこれどうなってんだ」
なぜうちの軍が人間ごときに押されているんだ。
「雅楽様!次の指示を!」「雅楽様飛行部隊がやられました!」「雅楽様!」「雅楽様!」
うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ!
「うぅるせえぇ!」
なんでこんな上手くいかねぇんだよ、ちくしょう!
「俺が先陣切って行くからあとから付いてこいよ、俺が全部叩き潰してやる」
西の領地、人間領地と魔族領地の境目で戦争していたわけだが、負ける訳ないと思っていた。いや、負ける訳には行かなかったんだ、せっかく四天王になれたって言うのに!
「おい!うちの軍を止めてる人間はどいつだ!」
群がりながらこちらへ前身してくる人間ども、すると1人声を上げた。
「私がここの指揮官だが君がここの指揮官かな?」
とこちらを値踏みするかのように聞いてきやがる。
「だったらなんだ!人間が!」
貴様らに負ける我々では無いっ!普段なら恐れおののくはずであろうあいつらもなぜかは知らんが我らとやる気らしい。
「素直に投降する事をおすすめしますよ、この戦力差に戦略差、分からない程馬鹿でもないと思いたいのですが」
投降...?投稿...だと?ふざけるなよ!そんな馬鹿げた事が!いや...。
「わかった、うちの者共は下がらせよう、ただ俺は引くつもりは無いから俺と戦って貰うぞ」
戦力差?戦略差?そんなもの俺1人の戦術でひっくり返してやる。
「わかりました、ではうちの副団長"ウィルシュフティム・アマ・ビエルスタ"が相手致しましょう」
「副団長だと?俺を舐めてるのか?俺は四天王の1人"剛腕の雅楽"だぞっ!」
舐めているな完全に、こいつら人間はそういう生き物なんだ。
「まぁ良いだろう、その程度の相手はどうって事ない」
なんて言ったが負けた、普通に負けた。
強かったらあいつはちゃんと強かった。
俺はなんてダメなやつなんだ、クソ。
最悪だ。
白斬、お前ならどうした?勝てたかあいつに。
「悔しいな、負けるってのは」
そう言って息を引き取った。




