その5
そして、修行して5年が過ぎた。
「白斬、次の相手は?」
修行相手に色んなやつが手合わせしてくれていたのだが。
「相手はもう居ないよヴェルナ、今日は終わりだ」
「じゃあ白斬が相手してくれよ?」
5年も経てば白斬とこんな会話もできるようになっていたりして、手合わせもよくする。
「まぁまた今度な?今日は用事があるだろ?」
そうだった、今日はここに来て5年経ったから魔王に会うのだった。
そんなこんなで、魔王に再び会う。
「やぁ、久しぶり、人の少年。いや?ヴェルナ君」
「5年振りだな魔王?」
久しぶりに会ったとしてもオーラがあるものだな。
「私が思った通り強くなってくれたようだね、そんな感じだったら勇者にも対抗しうるかな?」
「勇者がどれだけ強いか知らないが、負けるつもりもないのは確かだな」
なんならお前の座も取ってやるぞという気迫で言う。
「じゃあ君にも魔族の1人として人の国と戦って貰うから、何人か配下を付けてあげよう」
配下ね...そんな普通の配下なんか要らないんだがな。
「配下は要らない...と言いたい所だが1人だけ欲しいやつが要る」
「ほう...?配下は、ほぼ要らないと?数人でどうにでもなる訳か...でその1人とは?」
そう言われて俺は指を指す。
その指先に居たのは白斬だった。
「俺にはお前がいれば充分だ」
凄く驚いていた様子だった、魔王も、白斬も。
「あはは、なるほど、なるほどね、良いね、君の言いたいことは分かるけれどね、ただ知っていると思うけど、白斬は四天王の1人なんだよ?」
え....?知らんが?四天王?こいつが?いやまぁ言われてみれば強いやつだからそうなんだろうが。
「いやそれが言ってないんですよ魔王様」
そんな発言に驚く魔王。
「白斬が四天王である事でなにかいけないのか?」
そんな発言に更に驚いた様子の魔王。
「いや、白斬さえ良いなら別に構わないのだが」
どうだ?と白斬に顔を向ける。
「別に構いませんよ?四天王の座なんて別にどうだって良いですからね。それに私は上に立つより前線で戦ったりしてる方が合ってますからね」
驚いた、四天王という座をそんな簡単に捨てる事ができるのか?いや、簡単に四天王に戻れる実力を持ってるからこそか。
「んじゃあ白斬、よろしく」
「よろしくヴェルナ、いや主とでも呼ぶべきか?」
「そんな間柄でもねぇだろ?それにまだ白斬の方が強い」
まだ白斬に勝てた事はない、そうまだな。
「まだ...ないつか私より強くなってくれるのだろう?
楽しみにしているよ」
そんなこんなで俺と白斬の2人でチームを組む事ができた。
ヴェルナと白斬が居なくなった魔王の間では
「まさか四天王の1人を配下に付けようとしてくるとはな、さてさて少し騒動になるかな」
と言う様に魔王城内、魔族内では四天王の1人が居なくなったと大きく話題になっていた。それが白斬となれば事尚更だった模様。
「おい!魔王様!白斬が四天王辞めたってマジかよ?!」
そんな騒がしく入ってきたのは雅楽という多腕族の男で次期四天王と言われていた男だ。
「あぁ、白斬は四天王を辞めた。それは事実だ」
「んじゃあ次の四天王俺だよな?流石に他のやつに任せるわけねぇよなぁ?!」
「別に君に任せたって構わないけれど、君が西領地を統治できるのかい?」
「任せろよ?上に立つのは慣れてんだ」
不安だ、と言わんばかりにため息をつく魔王。
「では一旦四天王の権限を君にあげるから早いうちに成果を上げてくれ、そうしたら正式に四天王へ格上げといこう」
「めんどくせぇけど、まぁしょうがねぇか、任せとけよ?俺に」
と言い放って魔王の間を後にした雅楽。
「まったく礼儀というものがかなって居ないんじゃないか最近の子達はさ」
上に立つ者は大変だと遠くを見つめる魔王であった。
それと同時にヴェルナの雰囲気も気になっていた。
「彼は魔王にでもなるつもりなのかな?人間にして魔の王か...なかなか面白いね」
それほどまでにオーラは出ていたし、きちんと驚異であった。
「未来はとっても明るいみたいで良かったよ、白斬が彼を連れてきた事も、彼が勇者と対峙する事も、決まっていることだろうからね。彼の未来に口を出したりはしないけど、楽しみにはさせてもらおうかな?」
「なんなら君が四天王になったって良いんだよ?ヴェルナ君」
5年前とは比べ物にならない程の驚異とオーラを持った少年に期待を望む魔王であった。




