その11
堕とす...とは簡単に言うけれど実際問題そう簡単ではない事くらいわかってるつもりだ。
全員が全員先程の奴らほど弱ければ一夜で堕とすことも可能かもしれないが十人十色という言葉があるように、強さが拮抗してる訳でもないだろう。
そんな事を考えながら一旦魔王城に戻るのだった。
理由は簡単、魔王に呼び出されたからである
「やぁ先日ぶりだね少年」
ほんとに先日ぶりな魔王と面会する。
「来てもらって早速だけど本題に入るよ、君が引き抜いた事で空きができた四天王の1席を君が座る事を許可しようと思うんだけどどうかな?」
つまりあれだ、四天王の選ばれた訳だ。
「君が先日人間の領地を侵食した事も聞いたし、雅楽が敗退した奴を倒したのも聞いた」
雅楽...?は知らないが随分聞き耳が早い事だ。
「まぁそれだけ功績があれば四天王になっても文句言ってくるやつはそうそう出てきまい」
「ほんとに俺に任せて良いのか?今更だが俺は人間だぞ?」
神に人を辞めたと言われたが辞めれてる気配は無いし、吸血鬼にもなれていないただの人間だ。
「そうだな...確かに人間が魔族の幹部をやる事は誠に不思議な事ではあるな」
不思議も不思議だ、俺は確かに人間の敵だが魔族の味方になったつもりはないんだがな。
「まぁ別にこの際お主が人間かどうかなんでさほど気にする事でもない、力を持っている者を上に置くそれだけだよ」
種族なんで気にしないってのは良いけれど問題になるだろう?人間ってバレない為にずっと仮面を付けていたとは言えだ。
「魔人で良いと思うがな、魔人堕黒良いと思いはせんか?」
堕黒?なんだそれは名前か?
「以前説明しただろう?上の者が下の者に名前を与えてやるのが魔族流だと」
あぁそうか四天王になるって事は魔王の配下になるから名前をね...って
「勝手に四天王になる事を決めてんじゃねぇ!」
別に四天王になりたくない訳では無いが、こうも強制的に、他動的に、他人に指図されてなるのはとても癪に障るのだ。
「まぁ良いやってやるよ四天王、ただ別にあんたに忠誠なんかはしないからな?そこら辺は期待しないで貰いたい」
「別にそれで構わないよ、なんなら私の席を狙ってくれたって良いんだよ?」と挑発的に言ってくるが実際問題まだ勝てる気がしてないのだから無理である。
それに俺がしたいのは復讐であって、支配やら征服では無いから王という立場に対してなんの興味も無い。
「それは遠慮しておく、その椅子に座りたいとは思わない」
「そうか、それは残念だ。最近の奴らは基本的に私に対して忠義がないくせして反抗精神が無いから楽しくないからお主ならもしかしたらと思っていたのだがな」
少し前に白斬から聞いたけどこの魔王は、歴代の魔王よりも遥か長く、こうやって人と魔族が全面戦争を始めれるくらい長く就任しているらしい。
それほどまでにこいつはバケモンという事だ。
流石の白斬や他の連中も無謀過ぎる戦いは挑まないのだろうな。
「それで、四天王になるのは良いけど何をすれば良いの?
「そこら辺はもう白斬に聞いてくれ、実際四天王をしていたやつに聞いた方が早いと思うからな」
ほんとにそうか?俺はこいつが四天王らしい行動を一緒にいた5年の間で見ていない気がするんだが。
「まぁとりあえずわかった、堕黒の名を頂き今日からそう名乗らせて頂くよ」
こうして俺はあれよあれよという間に四天王になった。
魔族西領地の四天王として在籍する事になり前任の四天王は白斬だったから好都合だった。
それと自分が占有する領地と魔王城はワープゲートが繋がっており、一瞬で行き来できると言っていた。
そして西国兵士達の前で挨拶をする事になった。
「本日より新たにここ、西国統括を任された、四天王堕黒だ。より効率よく確実に勝利し国堕としを目指す、皆付いてきて貰うぞ!」
おぉー!と歓声の声が上がっていく。
ここから始めようか、西国の侵食を。




