その10
赤影が飛んで行き、白斬が走って行った後俺は念の為向かう事にした。理由はあの2人が仲悪い気がしたからだった。
そして案の定というか思った通りというか喧嘩していたようだ。
「何の内容で喧嘩したかは知らないが一応敵陣である事と仲間である事を忘れるなよお前ら」
一応注意はしてみる、敵陣である事は特段気にすることでもないだろうが、仲間同士で戦うのはなんの生産性も無いのでやめて欲しい。
「マスター!だってこのでかいのが勝手に殺しちゃって情報が得られないのよ?」
「だからお前の打ち漏らしは殺すと最初に言っただろう?」
なるほど、情報入手の為に生かして置いたやつを白斬が殺してしまったのか。
てかなんでマスター?そんな感じでも無かっただろう?どういう意味でのマスターなのだろうか。
「わかったわかった、とりあえず白斬はもう殺すな、情報は確かに大事だからな」
ほら見ろと言わんばかりに顔で煽る赤影
「それもそうか...すまなかったな赤影」
おっ、素直に謝れるじゃないか。なんだか白斬らしくない気もするが。
「別に分かれば良いのよ?これを気にマスターの事をわかった気になって私にマウント取るのやめてね?」
「何を言ってるんだ小娘が、ヴェルナとは5年一緒にいたし、そもそもこいつを生かして拾ってきたのも私だが?わかってて当然だが?」
「だからそのマウントをやめなさいと言っているの!」
なんだかしょうもない事で言い争ってるようなので特に構う必要も無いかとほっといた。
「おい、赤影」
と呼びかけると割と笑顔でこちらにむく。
「1人取りこぼしてるやつが居るぞ?」
そう言って何も無い所に、何も無いであろう所に指を向ける。
「ほんとだら全然気が付かなかった」
どうやら言われて気づいたらしい、言われて気づくだけでもすごいとは思うが。
そしてどうやら白斬には見えないらしい。
「良かったわ、こいつから情報を聞き出しましょう」
そう言って隠れていた1人の人間を捕縛した。
だが当然と言えば当然、情報なんか吐く訳もなく黙りを決めるばかりだった。
「いっそ廃人にでもしちゃう?そうすれば多少は出てくるかも」
それも別に構わないが情報をものすごく欲しているかと言われるとそうでも無いからな。
「おい、お前逃がしてやるからちゃんと国に帰れよ?」
と言ってみる、驚いた顔をしているようだなこいつも赤影も、白斬は慣れたようだが。
「国に帰り俺たちの存在を知らしめてこい、黒き魔人を恐ろと国が堕ちるぞとな」
別に情報戦ではあるが要するにこちらの強さを伝えさせてしまえば良い。見たところここにいたのは割ときちんとした騎士団だったみたいだから戦力位は把握できるだろう。
そんな事を考えながら敵の捕縛を解き逃がした。
「ほんとに逃がして良かったの?あれ」
「では誰が俺たちの情報を伝えるって言うんだよ」
人は恐怖に弱い、噂が噂を呼ぶと言うけれど1つの恐怖が伝染していき大きな恐怖となる。
「さて、俺たちは一旦帰るとするか」
領地争奪戦とかはしたこと無いのでこういう場合どうすれば良いかがわからんのだ。
「待て、一応領地結晶を置いて行く」
「それ何?」
「言わばここまでが魔族領地だと示すポイントなる、そこまでの範囲であればテレポートもできるぞ、四天王ならばな」
そういえばそんな事も言ってたっけ。
まぁ一旦、人間領地侵食完了という事で帰還するとしよう、初陣にしては割とよくやれたのでは無いか。
まずは西領地の1部を堕とした、次は西の領地丸々頂くとしよう。
「次は西国『アルストロ』を堕とす」
「次の相手は国か、楽しみだな」
「次も任せてマスター」




