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ちゅーちゅお待たせしでちゅ。これは3−1でちゅ。
今は朝、鐘餅家の大邸宅の窓からあたたかな日の光がさんさんとさしこめて一日の始まりを教えてくれるようです。
ところ変わって第二捜索隊+その他ご一行は、今猫のアンジェリーナの部屋の中にいます。人間に見つからないように、場所を移ったのです。
「そういえばこれからどうするつもりなんだ?」
「じゅるりっはい。あーん。」
「ひいっ!」
「はいどんどん食べてね。マイダーリン!」
「食べます。食べます。だから食べないでください。お願いします!」
「いいのか?もしかしたらうっかりなんてこともあるかもしれないぞ?」
アンジェリーナがラッキーにご飯の入った皿のキャットフードを食べさせているのを、横目に見ながら隊長は聞きます。
「ふん!くだらない質問だな。もちろん僕はこのアンラッキーを治すためにあっアンジェリーナ様に、ごっ協力をお願します。」
ラッキーは土下座しました。
「もちろんですわ。ダーリン!」
アンジェリーナは前足でよだれを拭くと、ラッキーをひとなめしました。なめられた瞬間ラッキーは体を震わせ身震いします。
「ごっ協力感謝します。アッアンジェリーナさまぁー」
「ふんっ情けない。」
「なんっだって!そりゃそりゃ僕だって、命の危険をかけてまで猫なんかに…猫なんかに…お願いなんて本当はすごく怖い。」
ラッキーは、しょんぼりした様子アンジェリーナの体に埋もれながら体育座りしていました。
「元気出してくださいな。ダーリン」
「ありがとう。君って見かけによらず性格のいい猫さんなんだね。」
「あらっネズミも猫もみな同じ。性格の悪い猫もいればわたくしのようにいい猫もおりますわ。」
二匹は、見つめあいながら手を取り合えるはずもなく、ラッキーが一方的に抱きしめられます。
「隊チュー!大丈夫なんでありまちゅか?ラッキー殿は?」
それまで空気のようになっていた隊員ネズミの一匹が聞きます。
「大丈夫じゃない!早く助けないと大変なことになっちまう!」
「むぐむぐむぐっ!」
「いけない。アンジェリーナやめるんだ!」
今まで気を使って空気を読んでいたドニが叫び、隊長ネズミが指示を出します。
「第二捜索隊!第四捜索隊!大至急!ラッキーを救出するんだ!」
「了解でちゅ!」
「良かった!忘れられてなかった。ラッキー隊長!」
第二捜索隊と第四捜索隊の面々は、一斉に飛び掛かり猫のアンジェリーナから、ラッキーを助けようとラッキーのしっぽをもって引っ張ります。
「おーえす、おーえす」
「ちょっとお待ちくだされ!」
第四捜索隊の厚底眼鏡の隊員ネズミが声をかけます。
「なんだ!」
「拙者の計算によればこのまま引っ張るとラッキー隊長のしっぽは、ちぎれてしまうこと60%でございます。」
「構わん。続けろ!」
「そんなご無体な」
「おーえす、おーえす」
隊員ネズミたちが頑張ったおかげでラッキーは勢い良くアンジェリーナー(猫)の腕の隙間から飛び出し遂にラッキーを救出することに成功しました。
「ぷはっいっ息が吸えるぞ!僕はまだ生きている。」
「駄目だよ!アンジェリーナ。ラッキー隊長を抱きしめちゃ。あのままだと君は本当に犯罪者になっていたかもしれないんだからね。」
「わかりましたわ!ドニはいつも私を叱ってくれますのね。」
「いけないかい?」
「いいえ。ただ新鮮なだけですわ。お恥ずかしながら私今まで叱られたことがなかったんですもの。」
「そうか。よかった。いいかいこれだけは覚えておいて僕はいつも君の味方だよ。辛い時も悲しい時も楽しい時もどんな時だって!」
「それは、どうゆう意味ですの?」
「いいんだ。別に特に意味なんてないんだから。」
「そうですか。」
「ちょっといいか?」
ほんわかした二匹の様子に首を挟んだ隊長ネズミの顔は渋い顔で息を吐きました。
「いい加減このふわふわした空気をかもしだすのはやめてくれ!話が前に進まん。」
「はい!隊長。」
「隊長はいい。ドニお前は、昨日わが社を退職したはずだ。」
「はい。すみません。」
「これから上層部に連絡を取って、お前たちの処遇を決定する。」
『はい。
ですわ』
「それは困る。何とかならないのかい?このままでは僕のアンラッキーが治らな・・・・」
「ラッキーお前もだ。他の隊への業務妨害、その他もろもろ。それ相応の罰を受けてもらう。」
「そんな僕が何したっていうの?」
『そうでちゅ、そうでちゅ。ラッキー隊長はないも悪いことしてないでちゅ』
ラッキーの言葉に第四捜索隊が、抗議します。
「十分しただろう」
「ひぃぃ~」
隊長ネズミの一にらみの第四捜索隊の隊員ネズミ達は身を寄せ合い震えだしました。
「ピーガガもしもしこちら第二捜索隊。違反者二名と猫を捕らえ連行しま・・」
「あ・・・君か。今・・・はそれどころじゃない。突然・・・アンジェ・・・様が本部に・・・れ社内の皆を・・・」
「ピーガッガよく聞こえんな。よしこうなったら」
オモチャの無線機からは雑音が聞こえよく聞こえません。そこで隊長ネズミはみんなを連れて鐘餅家を後にしようとしました。ですがそこにボロボロのドレスを着たネズミが現れたのです。
「あはっここにも遊んでくれるのがいっぱい!!」
「この方は誰でありますか?」
「知らん。皆んな警戒をおこたるな!」
「了解でちゅ!!」
「アンジェリーナ僕の後ろへ大丈夫!
君だけは僕が助けるからね。」
「心配要りませんわ。だって・・・・」
ドニの言葉にアンジェリーナは、軽いステップで隊長達を飛び越えるとボロボロのドレスを着たネズミの横に立ちました。
「だってこの方はこの体の本来の持ち主猫のあんじぇりーな様なのですから。」
『えーなんだって!!』
「お久しぶりです。あんじぇりーな様。元に戻る方法はわかりましたか?」
「こんなにいっぱいあるんだから……」
「私の方はまだ見つかってませんわ。」
「ふんふんふん。ごはん食べたい。」
「そうなのですか?そちらもまだ見つかってませんのね。」
「ナデナデしてほしい。」
「けど有力な情報を手に入れたですって!?」
「カリカリ食べたい。」
「数百年に生まれるというどんな不運もひょいこんで周囲を幸せにしてくれるとってもアンラッキーなネズミの涙を、私が前、別の屋敷に忘れたアクセサリーについた宝石に垂らせばどんな願いも叶えてくれる伝説のネズミ神さまが現れるですって!」
「!!!」
「ぷっぷぷそんなアンラッキーなネズミいるわけないでちゅ。」
「そうでちゅ!そうでちゅ、いくらあのラッキー隊長だって、2回引いたら必ず当たるラッキーくじ一回ぐらいは当たったことがあるでちゅー」
隊員ネズミたちは、ラッキーがいることも忘れみんな一緒に笑い出します。
「僕…一度も当たったことない。」
「え!!?」
「今まで一回もでちゅか?」
「うん。いままで一回も。しかも僕の後の子一等が当たってた。」
「隊チューこれはどういうことでちゅか?」
「だから言っただろう?ラッキーは、周りのみんなを幸運にしてしまう。とってもアンラッキーなネズミだって。」
その言葉にその場にいた動物たち全員がここにとってもアンラッキーなネズミがいることに気が付きました。
「良かったですわ。ここにアンラッキーなネズミがいて。」
「それにしてもどうしましょう?確かあのアクセサリーは、どこかの探索会社の方に探索依頼を出したっきり、戻ってきてないような……」
その言葉に隊長は、前にアンジェリーナのブローチを回収した事に気が付きます。
「そのアンジェリーナ様・・・・」
「そこにあったよーカリカリが!!」
隊長が届け出ようとしたと同時に、ネズミ(猫)あんじぇりーなが猫の首元に向かって飛び上がり、張り付きました。そして小さな手を動かして、何かを回しはじめます。
「あっあんじぇりーな様首輪を触るのはおやめになってください。痒くて痒くて・・・ふふふっ笑ってしまいます。」
アンジェリーナは思わず首を抑え笑いながら暴れ出します。それと同時に、足元では踏まれないようにネズミ達が逃げ回りました。
「ふふふにゃーにゃーにゃー」
「わっわっわっー」
「全体退避!!」
「知らないでちゅ。」
ネズミ(猫)のあんじぇりーなは何かを抱え猫のアンジェリーナの首元から飛び降り、かっこよく着地しました。
「幸子は来たよ。宝石届けに。」
「幸子って誰のことでちゅか?」
「さあ?知らないでちゅ」
「はい。幸子。」
ネズミ(猫)のあんじぇりーなは猫のアンジェリーナに何かを差し出しました。
「あっこれは!」
「あのアンジェリーナ様のブローチと同じ宝石だ!」
「なんでちゅって!!」
あの時体調が見つけたアンジェリーナのブローチについた宝石は、表面は丸くなっていて一瞬七色に光ったと思ったら、今度は完熟トマトみたいに真っ赤に光ったりするどこかにはありそうな不思議な色をした宝石でした。
「必要なのは、宝石だけ、同じである必要はない。」
あっけに取られているネズミ達にネズミ(猫)のあんじぇりーなは説明します。
「それにしても、それにしてもなでで欲しい!ごはん食べたいよ!」
ネズミのあんじぇりーなは、暴れだしました。
「総員大至急、あんじぇりーなをなでなでだ!カリカリを持ってこい!」
「第四探索隊もだ!」
「了解でちゅ!!」
第二探索隊のネズミ達は、二手に分かれ急いで作業に取り掛かります。
片方の班は、ネズミのあんじぇりーなをマッサジーして、もう片方の班はカリカリの入ったお皿を持ってきます。
指揮をとる隊長は窓を見ました。窓の外は、青空。アンジェリーナの部屋の柱時計が12時を指しています。
誰かのお腹のなる音がして、そこにいる一同みんなが思いました。
「お腹すいた。」
ちゅーちゅー3−1を読んでくれでありがとうでちゅ。まだ続くから待っていて欲しいでちゅ。