ヘメロカリス
初めて短編小説書きます。誤字脱字等の間違いがあるかもしれませんが温かく見てください。
「え~、工場長。あれだけ働いたのにたったこれだけですか。おかしすぎますって・・・」儂は工場長に文句を垂らしていた。
そしたら、工場長が「仕方ないだろう。ジウ。こんな状況なんだから。みんな苦しんだから少しは我慢してくれ。」と言われ「は~い」と少し不満を持ちながら仕事場を後にした。
は~これじゃ今日の晩飯食余りものパンとコーンだけだぞ。と頭を抱えた。
チェ、どうしてうちの国はアメリカなんかに勝てると思ったのかな。だから、こんなに貧乏人が増えたんだ。後、今の総帥最低だな。多額の賠償金を国民全員に押し付けて自分は何も悪くないアピールしてあの顔もメチャクチャムカつく。あぁ、まぁ、こんなことを言えば私粛清されるな(笑)と思いながら畑の道をトボトボと歩いていた。
すると、「あれ、ジウちゃんじゃない。」
儂は「あっ、カンおばさん」とそっけなく言った。
「なぁに、疲れてるのジウちゃん。うちの野菜あげようか?」
やっぱり、カンおばさんって優しいなと思いながら「いや、いや、野菜ってそんな大丈夫ですよ。」
「いや、ジウちゃん。これは今日の英ちゃんのお給料だと思って」
「えっ、今日英拓来たんですか?」とジウが聞くと
「うん、今日ね。英ちゃんが学校終わりにね。」
「そうなんですね」
「だから、キムチ用の白菜とカボチャあげる」
「えっ、ありがとうございます」カンおばさんはやっぱり優しいな
「じゃあ、リュックサック持ってくるわね」と言いカンおばさんは家に戻ろうとした。
「いや、いや、そんな至れり尽くせり大丈夫ですよ。」と言うとすると
「ジウちゃん、片手しかないんだから重いしすぐ袋破けちゃうから。この位のことは普通よ」と言い家に戻った。そして、カンおばさんはリュックサックに大きな白菜とカボチャをパンパンに詰めてきてくれた。儂は「ホントありがとうございます。」とカンおばさんに感謝を伝え
カンおばさんは「いやいや、ジウちゃんみたいな18の子が頑張ってるの応援してるだけだから」
儂はカンおばさんにもう一度感謝の言葉を伝え家に帰った。
儂の家は家と言っていいのか分からない壁がトタン板で屋根もトタン板の傍から見ればちょっと大きな農業倉庫みたいだ。
「ただいま」儂がそう言うと
「おかえり。ジウ」と英拓が玄関に向かって走ってきた。
ちょっと家が大きいからって走らなくていいのに・・・と思いながらも「ただいま、英拓」
すると、英拓が儂の後ろを見ている。何だろう幽霊でもいるのだろうと思っていると
「ジウ、そのリュックのバカでかい白菜何?」と聞かれた。
あ~と思い「これ、カンおばさんからもらったんだよ。」
「えっ!!ホント」と嬉しそうな表情しそして、英拓は儂に家に入れとばかりに強引に入らされた。
キッチンに着き私はリュックを置いた。置いた瞬間英拓はリュックから白菜やカボチャを出した。
英拓は「うわーーーーこれで今日のご飯事足りるじゃん」嬉しそうに言った。
「ねぇ、ジウ今日のご飯豪華になりそうね」
「そうだな。英拓。今日はカボチャのコーンスープとサンドウィッチ(具材は白菜だけ)にしようか」
「うん」
「英拓、お玉取って」
「は~い」と英拓はお玉を取り儂に渡した。
「英拓、お玉持って」
「分かった」と英拓はお玉を受け取った。
「本当、片手がないと大変だね。」と唐突に英拓が言ってきた。
「そうだね。でも、手の甲失って八年になるけど段々慣れてきたよ。」儂はそう答えた。
「ふ~ん、スープ味見していい」とスプーンを鍋につけようとする。
儂は英拓の持ってるスプーン叩いた。英拓は「もう何するの」と言いやがった。
だから、儂は「ダメ、英拓。儂は覚えてるんだからな。一昨日、貴重な香辛料でカレー作ったのに味見していいって聞いて儂がトイレに行ってる間に全部食いやがって。久しぶりのカレーだったのに・・・」
「それは、ごめんって言ってるでしょう」謝る英拓
「まぁ、許すけど・・」と言おうとしたらチンとトースターが鳴る音が
「パンが焼けた。英拓取ってきて」
「は~い」と言いパンを取りに行った。
「アチュ、アチュ、アチュイ」と英拓のカワイイこえが聞こえながら英拓はパンを持ってきた。
「う~~~、熱かった」指をフウフウしながら言ってきた。
「だ、だいじょうぶ?」と聞いたが
英拓は「大丈夫。ジウ。それより早く食べよう」
儂と英拓は出来た料理をリビングの食卓に並べご飯を食べた。
「「うま」」想像以上に美味しかった。
ご飯を食べ終わり英拓は勉強をして儂は食器を洗った。
スポンジを腕ぐらいに巻き付ければ前後運動でなんか洗えることが分かって早一か月
これまでは英拓と一緒じゃないとできなかったが一人で出来たことに今、嬉しく思っている。
食器洗いが終わりひと段落してリビングに行った。英拓はまだ勉強をしている。
暇だったので儂は本を読むことにした。
「フーー、疲れた。」と英拓は床に倒れこんだ。
「お疲れ。でなにやったの?」と英拓に聞いた
「日本語」と恥ずかしそうに言った。
「フーン」
「なんで、そんな興味なさそうなの?」と英拓はなんか怒っている。
「いや別にへ~って」
「へ~ってね。」と英拓はなんか少し呆れていた。
「そうだ。これ読んでみ。」と儂は本を渡した。
英拓はその本を読むと驚き「えっ、ジウ。これ日本語で書かれてるじゃん」
「うん、そうだよ。」
「いや何でジウがこんな本読んでるの?」
こんな本とか言うなよ。と思いながら「なんか母親の形見の本らしい。儂が三歳の時にいなくなったから真意は分からないけど」
英拓はその本を読むと驚き。「すごいな。絵が描かれていて登場人物が吹き出しで喋って擬音もすごい本で斬新だね。」と英拓はすごく関心を持った。
「というか日本語分かるの?ジウ?」と聞かれ
儂は「なんか分かるんだよな。昔、少しふくよかで優しい女の人に教えてもらったような気がするんだ。」
「五年同居して初めての事実だよ。日本語分かるんだったら教えてよ。ジウ」と少し嘆く英拓
「だって、何の勉強してるのか分からなかったから」と儂は歯がゆい言い訳をした。
「それでもさ・・・・」と途中で「まぁ、でもいいや私もちょっと恥ずかしくて言えなかったから」と英拓は言ってきた。
「じゃ、ジウ。この本借りて良い?」と聞いてきた。
「いいよ。このシリーズ十一巻まであるから。勝手に読んでいいよ。」
「やったー。これで来年軍に入ってみんなに驚かれ。あわよくば軍直属の通訳の夢も叶い。憧れの日本に行ける」と嬉しそうに言った。
「ほ~、そう言う事ね」儂は少しにやけた
「なっ!」
「まぁ、頑張れよ」と一言だけ言い。
英拓は少し相槌をし「ジウ、もうそろそろ九時じゃない」と言われ
「あっ、本当だ」と言い家を出た。
なぜ儂がこんな時間に家を出たかと言うとまずはこの国の歴史ついてちょっと少し話さないといけない。
この国は第三次世界大戦後朝鮮半島の韓国と北朝鮮が統合してできた国だ。中国は自滅してアメリカ、インドに支配され中国の漢民族が朝鮮半島に避難してきたが戦後の朝鮮半島には食料が何もなくどんどん餓死者増え統合直後は漢民族がいたおかげで世界3位の人口だったのにバカの総帥がアメリカに喧嘩を売ったせいで今、500万人になった。そして、賠償金は国民全員が払う羽目になって・・まぁ、これがうちの国の歴史だ。
っで、儂が時間に出たという理由それは、黒電話総帥が作った制度‘悦び組‘で外を出たのだ。
まぁ、悦び組の話はあとでしよう。さて、目的地に着いたようだ。
そこは大きなビルだ。
ビルに着くと黒いタキシード着た男が立っていた。
タキシードの男は「こんばんわ、ジウさん。今日も美しいです。」
儂は「ありがとう。」と言うと
タキシードの男は「さぁ、こちらへ」
タキシードの男に連れられ私は大きなビルに入った。
「今日の殿方は外務大臣のキム・ドッキ様です。」そう言いタキシードの男は扉を開け
「では、いってらっしゃいませ」と言い扉を閉めた。
部屋を歩くとベットが見えた。ベットには中年の小汚いおっさんがいた。
儂は「あの、あなたがキム様ですか?」とぶりっ子気味に聞くと
おっさんは儂の手を掴み儂はベットに倒れこんだ。
儂はおっさんの耳元で「いっぱい食べてください」と甘い声で囁くと
おっさんは理性を失った野犬のように儂の服を脱がす。
そう、悦び組とは海外の要人や国の大臣級の人や官僚などのアレの処理を行うところである。
一年前、儂はある事情でこの悦び組に入った。
入った理由?タキシードの男に君は普通の人より美しいと言われて・・少し嬉しくて入っただけだ。
最初の時はすごく痛いと思っていたがだんだん痛みもなくなっていた。
でも、気持ちいいとも思わなかった。だから、儂は演技をしている。
喘ぎ声はどんなふうに出すのか男性が興奮できる声はどんなものか研究した。先輩にも聞いた。
それで、この一年間でいろんな人と関係を持った。儂的にはあまり覚えてないけど。
「ふーーー、気持ちよかったよ。ジウちゃん」どうやら終わったようだ。
気持ち悪い事後の声で儂は吐きそうだった。
「いやあー、ありがとう。これあげる。」中年おっさんはお金50聯を儂に挙げた。
儂はぶりっ子みたいな声で「うわーこんなにいいんですか」
中年おっさんは「いやいや、このぐらい・・」と謙遜してきた。
儂は「今日はもう一回シます?」と言うと
中年おっさんは理性を失い儂はまた襲われた。
「ふーー、気持ちよかったね。キムタン」本当はこんなことやりたくないんだよな。
「本当、気持ちよかったよ。ジウちゃん」気持ち悪い言い方やめて。
「そうだ。ジウちゃんには教えておこう」中年おっさんはそう言って
「今度、一般国民は海外に渡航禁止という法案が出るんだよ。」と言ってきた。
「へ~そうなんですね。でも、なんで私に?」と聞くと
「ジウちゃんが可愛すぎて」何バカ言ってるんだ。このおっさんと思い
儂は「え~ということはキムタンも海外行けないってこと?」と言うと
中年おっさんは「私は行けるよ。他にも通訳、官僚、軍人は行けるよ。」と言い「もう帰っていいよ」言われ儂は「じゃあー、シャワーを浴びて帰ります。」と言い儂はシャワーに入りビルを後にした。
「はぁ~50聯か。工場の給料よりも安いな。」と言いながら硬貨を投げた。
でも一つ残念と思ったのはもう儂は海外には行けないのかということ。
まぁ、でも通訳は海外に行けるってことは分かってよかったな。
そんなこと考えてると家に着いた。
英拓は私の貸した本を見てたんだろうリビングで寝落ちしていた。
儂は布団を出し英拓を布団の所にやり被せ儂も一緒に寝た。
儂はこの英拓と一緒の生活もあと、半年かそんなことを考えていた。
儂と英拓の出会いは五年前空腹で儂の手の甲を切り落とし食べた父が亡くなって儂は途方に暮れていた。あまりの空腹に死にそうで土とか食って空腹を満たしていた。
すると、ある外人さんがチョコレート持って来てくれた。メチャクチャ嬉しかった。
食べようとしたら向かい側で女の子が倒れていた。その女の子が英拓だ。
英拓は廃人同然になっていてハエが寄りかかっていた。まぁ、儂もハエは寄りかかっていたけど・・
儂は英拓に返事をしても英拓に反応はなかった。私は英拓にチョコレートを半分だけあげ。
雨が降り始めたので避難した。
翌日、朝起きると英拓が儂の膝元で寝ていた。
儂が驚くと英拓が起き「昨日はありがとうございました」と土下座で英拓が言ってきた。
そこから、英拓と仲良くなり一緒に暮らした。
英拓は中国から来たが親がすぐ餓死して独りぼっちだったらしい。
そして、英拓は十二歳のこともあって中学に進学。儂?手がないことで入学拒否された。
儂は二人でどうにか賄える程の生活費を稼ぐためにあの工場で働いてる。
そして、英拓は高校に進学し来年軍に入ることになっている。
この国では軍に入るのは義務だからな。
何で儂が軍に入れなかったって手がないからだよ!!
あぁ~もうこんなこと言ってもどうせ変えられないんだろうな・・・・と虚しく悲しくなり寝た。
「パパ、今日のご飯なに?」
「うん?今日はなぁ、カレーだ」
「なにそれ?あとママは?」
「カレーっていうのは、なぁ、スパイスが聞いて美味しんだ。そして、今日は特別なお肉を使ってるんだ。早く食べよう」
「特別なお肉?」
「そう、美味しいお肉。さぁ、早く食べよう」
「どうだ。美味いだろう?」
「カレーは美味しいけどお肉マズい。野良犬にやる。ポイ」
「あぁ、もったいない。それはおかあ・・」
儂はハッとなり起きた。何の夢なのかは分からないがすごく気味が悪かった。
「あっ、ジウやっと起きた。」と英拓が言う「昨日のスープいる?」と言われ
儂は「いる!」と言った。
新聞を見ていると昨日中年のおっさんが言っていた法案が可決するというニュースがあった。
「ジウ、何見てるの?」と英拓が新聞を見る。
「えっ、じゃあ私、一生日本行けないの?」と嘆いていた。
だが儂は「大丈夫だよ。英拓。ほら通訳とかは要人との海外渡航は許可されてるよ。だから、日本に行けるよ。」すると、英拓は少しほっとして「良かった。でも、ジウといけないのは残念。」
「えっ、なんで」と聞くと
「そりゃ、ジウと一緒に行って日本の文化とか体験して観光地特に江の島とか行って。めぐっていっぱい旨いもの食べて温泉でリラックスしたいなっ思って。」
「ふ~ん、そうなんだ。まぁ、私はもう行けないから。あっ、もうこんな時間行かないと」
「行ってらっしゃい」と英拓は言った。
「あれ、英拓、学校は?」
「今日から夏休みだよ。あの本きょう全巻読むつもりだから」
「あれ、昨日なんか読んでなかった?」
「あれパラパラと読んだだけだから。まったく理解してないの。あっ、江の島って文字はあった。それだけ読んで寝た。」
「あ、ハハそうなんだ。じゃあ、行ってきます。」儂は家を出て工場に行った。
工場は食べ物や工場製品の箱詰め作業を主にやっている。
といっても儂は段ボールの向きを変えるだけだが・・・この業務を始業時間8時からお昼休憩の12時までやる。結構単純で楽しい。私と英拓が同居することになって働くことになったが手がないことでなかなか雇ってくれなく途方にっていた所を今の工場長拾われた。あれは、今でも感謝している。昨日あんなこと言ったが・・・それぐらい仲良いと思ってほしい。
さて、そろそろお昼休憩の時間だ。あれでも吸おう。
休憩室に着いて儂はあれを吸い一息着いた。
休憩室にはほかに二人の同僚が居て
同僚たちがこんな会話をしていた。
「今、西洋で人喰い宗教が流行ってるらしいわ。」
「えっ!何それ?怖~~」
「日本とか中国とかでも流行ってるらしいわ」とすごく変な会話が聞こえてきた。
日本ってそんな国なのと思って英拓に言おうかな。考えていると
工場長が「ジウ、ちょっと来て」と言われ儂は休憩室を出た。
「っで、工場長話って何ですか?」儂は工場長に聞いた。
「じ、実は非常に言い難いのだけど今日付でジウ。君は解雇だ。」
唐突な解雇通知に儂は「どうして、儂が解雇なんですか?おかしいでしょう」と怒っていると
工場長は「し、仕方ないんだ。国から身体障碍者や精神障碍者は全員解雇しろとお達しだ。」
「ほ、本当に仕方ないんだ。国に歯向かえば私は粛清され家族は強制労働所送りになる。こ、これは仕方ないことなんだ。本当にすまない。」工場長は泣き崩れ儂に謝ってきた。
儂は工場長に「分かりました。今日で儂は辞めます。今までありがとうございました。」
「本当にすまない。ジウ。退職金をあげるから工場長室に来てくれ」と言われ儂は工場長室に行った。
工場長室は少し薄汚かった。
工場長は金庫を開けてお金をかき集めて「これが退職金だ。ホントにすまない」と言い儂は工場長に最後の挨拶をして工場を後にした。
お金は200000聯あったざっと三か月は生活できる。残り三ヶ月は悦び組で殿方におねだりするか・・
儂はそう考えながら畑の道を歩いて行った。
歩いていると農作業をするカンおばさんの姿が儂は「カンおばさん。こんにちわ」と大きな声で言った。
すると、カンおばさんは明らかにこちらを見たが直ぐに農作業に戻った。
あれ~、いつもなら‘あっ、ジウちゃん‘って元気に言ってくるのに?なんでだろうと思いながらもまぁ、そんなこともあるかと思い家に帰ろうとしたが今日の夜ご飯の食材を買わないということに気づき儂は市場に向かった。そして、市場に着きパンと人参を買った。結構高くなっていた。
やっぱり、ハイパーインフレションのせいで物価高くなってるな。
これじゃあ、退職金一ヶ月でなくなるな。と思った。
あとなぜかみんなが儂を好奇な目で見ていた。気味が悪いので儂は急いで市場を後にして家に帰った。
「ただいま」と家に帰ると
「ふわ~お帰りなさい。」とあくびをしながらくる英拓
「どうした、寝てたの?」
「うん、全巻読み終わって少し眠くなって・・30分だけ」
「どうだった。その本?」と聞くと
英拓は興奮して「すごかったよ。もう、主人公が狂ってて最高だった。敵をバッタバッタ倒すの痛快だった。そして、主人公が好きだった人がまさかのラスボスでその好きな人を主人公が食べるってあまりにも衝撃的だった。」と言った。
「お~そうかそうか。それは良かった。」
「でさ、私思ったんだ。ジウの一人称って儂じゃん?」
「あ~そうだな。」
「それってこの角の生えた女の子の真似をしてやってるの?」と本の表紙に書かれた女の子を指さした
「うっ、バレたか。この子儂大好きだからな。」
(後、あの人もこの子が一番好きっていていたからな。かまってほしくてこの一人称にしたんだよな。)
「やっぱり」英拓はほらな。と思ってるに違いないだろう。
「聞きたいこと聞けて良かった。じゃ、ご飯にしよう。」
儂は家に入った。
九時になり儂はあのビルに出かけて行った。
ビルに着き昨日とは違うタキシード男がいた。
「こんばんわジウ様。今日もお美しいです。」といつものことを言い
「さぁ、こちらへ」と儂はタキシード男と一緒にビルに入った。
「今日は二人の殿方と戯れてもらいます。」タキシード男はそう言った。
「へ~今日二人なんだ」儂は少し驚いた。
「はい、なんでも一人目は日本からの要人様で二人目は外務大臣のキム・ドッキ様です。」
へぇ~日本の要人と昨日のアイツか・・・
「着きました。要人様がいなくなった後はこのまま待機しておいてください。キム様がここに来ます。」
と言い「では、いってらっしゃいませ」
そして、儂は部屋に入った。
ベットにはやせ形で眼鏡をかけている男が座っていた。
儂は「あの~あなたが要人さんですか?」
すると、要人は「よろしく。というか君日本人だよね?」
儂は、はっ、何言ってるんだ。こいつはと思った。
「えぇ、私日本人じゃありませんよ?母親も父親も朝鮮人ですし」と儂は否定した。
「でも、この写真を見れば君が日本人と朝鮮人のハーフだということが分かるんじゃないかな?」要人は儂に写真を見せた。それはどこかで見たことある女の人の姿。儂はハッとした。それは、儂に日本語を教えてくれた女の人。写真のふくよかさで分かった。「でこの写真が何ですか?」と聞く
要人は「2000年代最後の拉致被害者って知っているか?」
儂は訳も分からず「なんですか。それは?」と聞いた。
要人は淡々と「昔この国が建設される前に北朝鮮という国があったのは知ってるよな?」
知ってる知ってるに決まってる。
「北朝鮮は日本にスパイを送るためスパイ育成として日本人を拉致していた。だが、2030年代全員の拉致被害者は解放された。しかし、その直後また一人日本人が拉致された。そう、それがこの写真の女。早乙女智花。君の母親だ。」
儂は頭が大混乱していた。「ちょ、ちょっと待ってください。この国は韓国とも合併して中国の人達もいます。その中にはたくさんの日本人がいたんじゃないでしょうか?」
「まぁ、君がそういうことを言うと思っていたよ。確かに韓国にはたくさんの日本人がいたよ。そして中国にも・・だけど戦争が始まって我々日本政府は韓国、中国にいる日本人を強制帰国させた。が、北朝鮮に拉致された早乙女智花は帰国できず・・」
「で、でも儂が早乙女智花との親子関係を証明するものは何もないですよね」
「でも、あるんだよ。君、悦び組の審査の時血液検査したよね?」
「はい、性病に罹ってないかって・・」
「その血とこんなことはできればしたくなかったが智花さんの母親のお骨を使って血縁関係があるか調べたんだよ。そしたら、99.9%血縁関係があることが分かった。」
儂は頭が大混乱していた。
すると、要人は「ちょっと落ち着こうか。こんなことを急に言われても頭を抱えるだけだよな。なんか食べる?」と儂にメニュー表を見せてきた。
儂は「カレー」と一言だけで言うと要人は頷き電話でカレーを注文した。
儂は少し頭が落ち着き要人に「他に聞きたいことありますか?」と聞いた。
要人はすぐに「早乙女智花は今、生きてるのか?」と言った。
儂は「儂が三歳の時に突然いなくなって・・それっきり連絡なくて」
「そ、そうか」要人はそれ一言だけ言った。
部屋のチャイムが鳴り要人は「は~い」と行きカレーを持って帰ってきた。
「ほら、カレーだ。食え」要人はそう言い
儂はカレーを頬張った。
「美味しい」
「それは良かった」
「そういえば。父がカレーを作ってくれたな」儂は三歳児の時の記憶を呼び起こした
「カレーは美味しかったけどお肉がマズくって野良犬にやったんですよ。」
「そうなんだ。っん?」要人は何かに気づいた表情をし
「なぁ、カレー作った日って母親がいなくなった直後か?」と要人が聞き
「あぁ、確かにそうだったかもですね。」
「なぁ、そのお肉ってもしかして早乙女智花の肉じゃないか」と言った。
儂は真意を知り食べていたカレーを吐きだした。
「おい、大丈夫か」要人は聞くがこれが大丈夫な訳ないだろう。
日本語を教えてくれた優しい女の人は儂の母親で父は母を殺しカレーの具材に・・儂に喰わせ・・儂はそれをマズいと言い野良犬に喰わせた。こんな考えたくないことを考えてマジで吐きそうなんですけど。
儂は要人に連れられトイレに行きいっぱい吐いた。まぁ、あんまり食べてないからそんな出なかったけど
「儂は母親を食べてそれをマズいと言って野良犬にやった。」儂は要人の膝で泣いた。
「なぁ、日本に帰らないか」と要人は言った。
儂は「人喰い宗教が流行ってる所なんて行きませんよ。」
「マンドゥカーレか。確かにあの宗教は危ないが君みたいな美人は喰わないから安心してくれ」
「ふん、でも儂には今守りたい人がいるから。まぁ、あと半年でいなくなるけど・・やっぱりなしで・・」
要人は「分かった。じゃ、もし帰りたくなったらこれに電話を掛けてくれ」と言い電話番号が書かれているカードを渡した。
そして、要人は「じゃあな」と言い部屋を後にした。
待機しろと言われたがアイツはすぐに来た。
「待った、ジウちゃん。」とアイツは変な声を出し儂に寄って集った。
そしてすぐに始まった。
「フウー気持ちよかったね。ジウちゃん」
「はい、そうですね。」本当は気持ちよくない。
「そうだ、今日の新聞見た?」
「はい、見ましたよ。可決されましたね。一般国民海外渡航禁止法」
「あぁ、見てくれた。嬉しいな。」嬉しくなんかない
「いや、これで労働力を国内でフル稼働させられるよ。」嬉しそうにアイツは言った。憎たらしい
「それで、ジウちゃん。今日急遽作った法案が通ったんだよ」
「えぇ~何ですか?」
「えぇ~聞きたい?」本当は聞きたくない
「じゃあ、教えちゃう。その名も性女働男碍死法だよ。」
「それは何ですか?」と聞く私
すると、アイツは「この国はもっと経済を回さないといけないそのためには如何するべきか考えた時男性が一番働くそれに比べ女子はあまり働かない障碍者は仕事すらしないということに気づいたんだ。だから、来年から十八歳を迎えた男子は死ぬまで働いてもらって女性には夜のサポートとして男性の性奴隷なってもらって障碍者は分かった瞬間に安楽死させる法案だよ。」と言った。
「えっ、じゃあ来年の女性の軍への入隊の義務は・・・」
「それはね。なし!女性は来年からみんな悦び組。あと、国内で働いてる障碍者は今日付で全員解雇したそして、障碍者と深く関わっていた者は処刑されるよ。」
儂は腹が煮えくり返った。こいつらのせいで儂は・・工場を解雇され、カンおばさんや市場の人から好奇の目や無視されたんだ。そして、何より許せないのが英拓の夢をぶっ壊したことだ。英拓は死ぬほど勉強してたの云うのに・・・なんだよ。性奴隷って儂みたいに気持ちよくないと思いながら生きていくとまた、あいつは‥あいつはまた、廃人になってしまう。ここで自由を手に入れないと儂ら一生こいつらに支配される。もうやるしかない。
儂は覚悟を決め「キムタンお風呂入って洗いあっこしよう」
アイツは嬉しくなり「うんそうしよう」とルンルンで風呂場に行った。
儂はキッチンにあった果物ナイフを手に取った。
お風呂場に着くとアイツは呑気にシャワーを浴びていた。
これから何させられるか知らないんだな・・・
「キムタン、入るよ」と言うと
アイツは嬉しそうに「ヂュフ」と言った。気持ち悪い。でも、これでもう、おさらば・・・
儂はアイツの後ろに着き「しねーーー!!」とアイツの背中目がけ果物ナイフで刺した。
シャワーの水を外に出さないカーテンは真っ赤な血がべっとりと付き浴槽は赤い血まみれだった。
アイツは倒れこんで動いてもなかった。
儂は体を洗い風呂場を出て急いでビルを出た。
儂は家に着き英拓を叩き起こした。
「なぁに、どうしたの?ジウ?」と聞く英拓
「説明は後で良い。とにかく逃げるよ。急いで準備して」
「何さ急に・・」
儂は声を荒げて「急いで」と言った。
英拓は「わ、分かったよ」と言い荷造りが始まった。
荷造りが終わり儂たちは家を出た。
すると、前から警官が来て「すいません。夜分遅くにキム・ドッキさん知って・・・」
ヤバイもうバレたのか。儂らたちは急いで逃げた。
警官は大きな声で「待ちなさい!」と言った。
儂たちは死ぬ気で走った英拓は「ねぇ、なんで警官から逃げるの?」
儂はゴミ箱を指さし「ここに入ったら教える」と言って英拓と儂はゴミ箱に入った。
英拓は「っで、なにがあったの?」と聞く
儂は母親のこととアイツを刺したことやその経緯を話した。
英拓は「あほ!私のためにキム・ドッキって言う偉い人をさすなんて馬鹿じゃない。」
「だ、だって英拓お前いつも頑張って勉強してただろう。それが水の泡になちゃうだぞ」儂は泣きながら英拓に言った。
英拓は儂をぶった「バカ、大馬鹿私が廃人になるです。ってならないわよ。ジウがずっとそばに居るんだったら絶対に。」
泣きながら儂は「英拓。ありがとう。でも、わ、儂見つかれば処刑されてお前も共犯だと思われ処刑か強制労働所送りだぞ・・」
「それが何!私たちはいつも楽しく笑いあってケンカもたまにしてでも楽しかったでしょう。」
「うん」
「世間はそれを絆と言うでしょう、でも、違うこれは紬なの私たちはこの紬をもっと大きくする使命がある。だから、こんなところで死ねない。絶対この支配を取っ払って自由になってやろうぜ。ジウ!」強い言葉で儂を励ましてくれた。
儂は「英拓・・・」と一言
すると、ゴミ箱が開く音がマズイ警官にバレたかと儂らは思ったが予想外の人物であった。
「ここでしたか」とあの日本人の要人の姿が
儂らはゴミ箱から出た。
「っで、なんで要人さんがいるんですか?」儂は要人に聞いた。
「あなたに渡したカードに超小型GPSを入れたからです。」
儂は怖~~と思った。
英拓は「あの、私たちを助けてください」と言った。
要人は即座に「もちろん。そのために来ましたから。」
「ではこちらに」と車に乗せられた。
「お二人さんは隠れておいてください」と儂らは隠れた。
数時間後
車は突然止まった窓を見ると一面海だった。
港と思っていると国の軍人が来て急いで隠れた。
「精密検査をする」と言い軍人は車の隅々を見た。
「行っていいぞ」という声がして車はまた走り始めた。
「お二人さん。もう隠れなくていいですよ.」と要人が言ってきたので隠れるのをやめ。車を出た。
儂が「ここはどこ?」と言うと
要人が「ここは軍艦です」と言い儂はとても驚いた。
いつの間にか起きていた英拓も「車で入るんですね」結構関心を持っていた。
「これは、特殊な例ですけどね」
「あっ、そうだそうだこれを二人にあげないと」要人は私たちに何かを渡した。
「これなんですか?」と英拓が聞く
すると、要人が「これはあなたたちの日本国籍です。」
「朝鮮人とバレたら。めんどくさそうなんで少し名前やらは変えてます。」
「ありがとうございます」と儂が感謝をすると
「いやいや、日本の親族に会ってください。」
「分かりましたでも・・人殺しにあってなにが・・・」
「あっ、それでね。今、君がいた国は革命が起きています。」
儂はその言葉に驚いた。
「国の幹部らは捕まり。総帥様は首斬り自殺、そして、君は総帥様の従兄弟に当たるキム・ドッキを倒して君は、今じゃ国の英雄になっていますよ。だからあなたは殺人犯じゃない英雄なんですから。何も恥じなくていいです。」
儂はその言葉を聞き少しほっとした。
「あと、あなたの心配事はお連れさんがマンドゥカーレに襲われることですよね?」
英拓は、ん?とした表情をした。
「大丈夫ですよ。お連れさんはメチャクチャかわいいので襲われませんよ。」と要人は豪語した。
儂は肩の荷を下ろした。
「あっ、着きましたよ。」と要人が言った
儂らは「「早っ」」と驚いた。
「まぁ、これは最新の軍艦ですからこんなの十分で着きますよ。」
「では、ここでお別れです。」
儂は最後の一つにと「あの、名前何と言うんですか?」
「僕の名前ですか?使田文哉。天使です。忘れないでください。」と言い軍艦に戻っていった。
儂は最後の最後にボケんなよ。と思った。
「ここどこだろうと?」英拓は迷っていたので辺りを見渡すと看板があった。
【横す?賀へようこそ!!!!】全然分からなかったが儂らはまぁ、いっか。と思った。
そう言えば儂は英拓に言いたいことがあったんだ「英拓。お前の幸せを考えて人を刺してしまった。罪な儂をどうにか許してほしい。そして、これからもずっと貴方のそばに居させてくれ。」
英拓は儂の頭をポンポンして「うん、いいよ」と言ってくれた。
「ねぇ、折角日本に来たことだし・・デビルハンター東京本部か江の島どっちかに行ってみたい。ジウはどっちがいい?」と聞かれたので
儂は即答で「江の島」と言った。
「えぇ、デビルハンター東京本部がよかったな・・・・」と英拓は指をもじもじさせながら言う
うん、多分デビルハンター東京本部は現実にはないと思う。
英拓は吹っ切れたのか「じゃあ、江の島に出発」と言い儂の手を掴み駆けって行った。
かくして、儂らの終わり始めた儚い青春はこの瞬間にもう一度始まった気がした
終
読んでくれてありがとうございました。
暇になったらこのヘメロカリスを連載化したいなと思っております。
誤字脱字があれば即座に報告をお願いします!!!
そして、今連載している「青い紬」もぜひ読んでみてください
(もしかしたら、ヘメロカリスとの関りが?あるかもしれません)