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三日間の秘密の旅  作者: 里蔵光 (協力:OpenAi ChatGPT-3.5)
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自サイトでも公開しています。

http://gambler.m78.com/hikaru/sakuhin/3days-secret-tour.html

 一行は城を出ると、再び雲の上へと移動した。其処で停止していると、周りの景色がぐるぐると回り始め、軈て雲も天地も見えなくなった。静かな広がりの中で立ち尽くしていると、神田が皆に向き直り、「この空間は、私達の次の目的地である沖縄への、パスウェイの入り口です。これはクラウンさんの能力で出現させた異空間です。然しこのパスウェイは時空の狭間の様な所を経由するので、色々雑多な邪念が渦巻いています。私達の力を試すための障害、試練と云ったところでしょうか」

 蓮と知佳の顔に緊張が浮かぶ一方、クラウンは済ました顔で聞いている。

 「道は一直線で、迷うことはありません。然しその道中には幻影の様なモノが現れます。クラウンさんの力を借りて、出来る限りその幻影を払い除けていくことになります」

 前置きが終わると、一行は移動を開始した。移動と云っても、神田が念動力で全員を一塊に飛ばして行くだけなので、飛ばされるだけの四人は唯、為されるが儘である。

 移動をしながら、神田は再び話し始めた。

 「さて、彦根城の一件ですが、平たく云えばあの男はY国のスパイだったんですよ。X国とY国が長いこと険悪な関係であることは、皆さんご承知のことと思いますが、彼は今回のX国大統領訪日に合わせて、テロを画策していたようです」

 「それを俺達が事前に防いだってわけ」クラウンが得意気に胸を張る。

 「テロって、たった一人で?」蓮が不審気に問う。

 「勿論(もちろん)背後関係がある訳ですが、その連絡ルートの(かなめ)を、我々が封じたと云うことです。Y国は身動きが取れず、テロの計画も頓挫した筈です」

 「でもそれって、知佳が聞いた声の説明にはなっていませんよね」

 「ああそれは……Y国人である彼の、文化的背景に起因するものですね。可成(かなり)歪んだ殺意を、X国大統領に向けていた様です。植民地時代の中世欧州の拷問文化が一部に強く残っている様なお国柄ですし、独自の土着信仰等とも融合して、相当に禍々(まがまが)しい風習が残っている地方もあると聞きます」

 「なんか……余りそれ以上は聞きたくないかも」蓮は嫌な顔をした。

 「ちなみに笙の音の様なものは、通信機から聞こえてくる暗号化された音声でした。(いにしえ)の文化と最新科学の融合した、いかにもY国らしいガジェットですね」

 「ええと、つまり、私達がテロを阻止したんですね?」と知佳が確認する。

 神田は頷き、「そうです。連絡ルートを断ち切ったことでY国は足止めを食らいました」

 その時。

 突然空気が変わった気がした。すっと耳元を、小さな風が吹き抜けて行った様な気がする。

 「来るで!」クラウンが突然叫んだ。次の瞬間、知佳は頭を締め付けられる様な感覚を覚え、目を閉じ掛けると、体が吹き飛ばされそうになった。クラウンが知佳の腕を確りと握り、「目ぇ開けとけ!」と叫ぶ。

 蓮も、ユウキも、苦しそうにしている。神田に視線を移そうとした時、胸の奥の方から何かが()り上がって来る様な気がして、思わず口を押えた。

 「幻覚や、惑わされるな!」相変らずクラウンが叫んでいる。

 知佳は目に涙を一杯溜めた儘、前方を見据えた。――母が居た。

 「知佳、いつ帰ってくるの?」

 「え、あっ……えっと」

 「幻覚に反応すな!」

 知佳はハッと我に返る。母は居なかった。

 「知佳ったら。何泣いてんの?」蓮が目の前でケラケラ笑う。然し背後でも、蓮の声がする「(いや)だあぁぁ! 知佳あぁぁ!!」

 目の前の蓮は煙が崩れる様にして消えた。

 「なにこれ……やめて……」知佳が頭を抱えて倒れ込みそうになった時、唐突にすっと楽になった。

 「試練、終わったで」

 知佳は息を()きながら周囲を見回す。クラウンや蓮、ユウキも同じ様に疲れ切った様子で立ち尽くしていた。

 「これが……幻覚の試練か」神田がふらつきながら云う。

 「大抵のもんは、ワシの力で無効に出来るけど、今のは鳥渡手に余ったわ」クラウンは笑ったが、いつもより力弱い笑い方だった。肩で息をしているし、相当に疲弊している様だ。「ま、あんなのがまた何回か来ると思うけど、よろしく……」

 「よろしくって……」ユウキが息も絶え絶えに呟くと、蓮が後を受け継いで「シャレにならないよ……」と云った。神田も稍ぐったりしている様だ。

 「この道通らないとダメ?」知佳は弱気に発言する。

 「こうしないと間に合わないんですよ……X国大統領の命に関わるので……」神田が肩で息をしながら答えた。「ホスト国として、大統領を護り切れなければ、我が国とX国の友好関係も危うくなります」

 「でも阻止したんじゃ……」

 「選択肢の一つを消しただけです。Y国は次の手を用意してますよ」

 その後も幾度か幻影の試練を経験し、一行の疲労が頂点に達した頃、再び景色がぐるぐると回り始めて、通常の景色が戻って来た。それと同時に、眼下に島影が現れた。

 「皆さん、あれが沖縄です」


「試練のあるパスウェイ」なんて云い出したのは ChatGPT です。何それって感じで、必死で受けました。

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