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わからせ屋  作者: wootan ch.
17/19

ピース2


美味しそうにお菓子を食べながらニコニコしているサツキ


「そういえば、お婆さん。さっき小さい頃から変わってないってたけど、

それって渡良瀬さんの事?どんな子供だったの?」


「そうじゃな、あやつは小さい頃からやんちゃでなー」と

渡良瀬が子供の頃の話をしはじめる




渡良瀬が3歳の頃婆さんが出資している孤児院へと入ってきた

父親は分からず、母親が仕事に出ている時に事故でなくなり

家で衰弱していた渡良瀬を近所の人が見つけたのがきっかけだった


最初はおとないい子だったが、渡良瀬が4歳の時に入ってきた

一つ年下の女の子の存在で変わり始めた

女の子は渡良瀬を兄のように慕い、

渡良瀬も妹の様に可愛がった


しかし女の子はとても可愛らしい子だったのもあり

男の子達がちょっかいを掛け始める

好きな子に振り向いて欲しいが為の可愛らしいちょっかいだったが

いつも渡良瀬と居るので、次第にちょっかいの対象は渡良瀬にも及ぶ

喧嘩もしょっちゅうしていて、いつも痣だらけだった。


そんなある日。女の子がプールに落ちたと先生達が慌てているのを聞く

助け出されたがケガもなく、お風呂に入れられていた


夜、熱が出たのであろうか、うなされている女の子。

渡良瀬にはどうしようも出来ず、ただ手を握って元気づける

その内眠くなり手を握ったまま寝てしまう


そして朝起きた時には女の子は息をしていなかった

すぐに先生達を呼びに行き、救急車に乗せられていった


その後女の子は死んだと知らされた・・・・


絶望の最中建物の影で話し合っているいつも自分達をイジメていたグループを見つける。

隠れながら近づき話を聞いてみると

女の子をプールに突き落とした事が原因じゃないのか?と聞こえてきた


どうやらイジメっ子のリーダーらしき人物が女の子を呼び出し、渡良瀬と一緒に居るなと

言っていたが、女の子が拒否した事に怒り、プールに突き落としたようだった。

お前が落としたのが悪いだの、お前が悪い、いやお前だと言いあっているが、

結局その後怖くなりみんなで逃げたから、この事は内緒だぞと言っている

渡良瀬は怒りに震えるが、その場を離れる


女の子が死んだ原因を知っている、夜抜け出してプールの所に来いと書いた手紙を

イジメっ子達の荷物置き場に置いておく


そして夜になりプールに集まる渡良瀬とイジメっ子

何かを話す前にリーダーに掴みかかり一緒にプールに落ちる

そしてリーダーに乗りかかり溺れさせ動かなくなるまで押さえつける渡良瀬

動かなくなったのを確認してプールから出て、お前たちも同罪だと伝えるが

震えあがるイジメっ子達は、突き落としたのはリーダーだ、自分たちは悪くない

ごめんなさい、ごめんなさいと泣いている


この事で何か聞かれたら、リーダーが、女の子が死んだ原因がプールにあるから、

お祈りする為に夜抜け出すと言っていたと言うように言い聞かせる。

じゃないとお前たちも殺すと脅して部屋に戻る


次の日の朝、先生達がまたもや慌てていた

イジメっ子達は先生に聞かれ時に渡良瀬の言う通りに答え

渡良瀬達が子供だったこともあり、殆ど疑われずに

女の子の件もリーダーの件も事故として扱われた

しかし孤児院側は対策の為にプールを使用禁止にする事を決める




「そんな事が・・・」と誰が言ったか、声がこぼれる


「ある程度大きくなった時に、孤児院で先生をしておった、渡良瀬にとって

母と呼べる存在だった、マリアと言う女性に話しておった」


どこか悲しそうな顔で婆さんはそう語る





そこから渡良瀬はあらゆる格闘技を習う事になる

曰く強くなって守りたいものを守れるように、と


しかし強さを求めるうちに目的が薄れ

喧嘩ばかりするようになり、破門のような状態になる

それでも絶えず人に絡んでは喧嘩になっていたところ

割り込んできた、後に師匠と呼ぶことになる人物にボコボコにされる

師匠曰く、界隈で有名になっていたこともあり

何とか出来ないかと、かつて普通の武術を教えてもらっていた人物達に

相談を持ち掛けられていたらしい

師匠は裏の稼業で用心棒のような事をしており

このままだと渡良瀬は確実に裏の人間に殺されると伝えるが

そんな事では止まらないと師匠自身も分かっているので

ならばと殺しの武術を教える。

しかし、殺す技術を教えるが、それは殺されない為だと

常日頃から言い聞かせる


そしてある日、勉強の為だと言い、裏の人間であるヤクザの親分を紹介される



その後は親分とは、親子のような、友達のような付き合いになり

夜の山に連れていかれ銃を撃たせてもらったりしていた

師匠も親分も、渡良瀬を可愛がっていたが、常に裏の世界には絶対来るなと言っていた




孤児院では里親が見つからない子達はでも義務教育を終えると、職員たちの紹介で

住み込みの仕事に就く

渡良瀬も例にもれず仕事をし始めるが、何をやっても今く行かない。

それもそのはず、嫌な上司や同僚に食って掛かりどこへ行っても浮いてしまい

すぐに辞めていた

浪費が少ないのと辞めはするが空がなく働いていたこともあり

アパートを借りて暮らせてはいた


そんな風に職を転々としていた時にホストクラブで働くことになる

仕事はきついが自分自身の力でやれるホストは楽しかった

先輩も厳しい人だったが、色々教えてくれた

嫌な奴の対処法なども教えてもらい、うまくやっていくうちに

わずか半年でNo1になる




「ちょうどその頃ね、徹ちゃんと出会ったのは。

ホスト時代の源氏名は違うけど、言うと怒るし徹ちゃんは徹ちゃんだけどね

あ、源氏名って言うのは芸名見たいなものね」とママが言う


レイア達はどんな名前だったのだろうと想像しているようだが

教えないわよと微笑むママに諦めたようだ


どうやらキャバクラで働いていたママが、アフター(仕事終わりにお客さんと出かける事)

でキャバクラに連れて行ってもらった時に渡良瀬と出会ったらしい

ちょくちょく連れてってもらっては渡良瀬を指名して仲良くなったと


連れてってもらっていたのは自分のお店を出すのが夢で

貯金をしており、お客さんにホスト代を出していてもらっていたからと

当時を思い出し懐かしんでいるママ






そんなホスト時代にお客さんで来ていた女性を好きになり

一緒に暮らすようになる

とても明るい女性で渡良瀬はどんどん惹かれていったとマリアに話していたようだ


彼女の家族は借金があり貧乏であった

お金を稼ぐために彼女は単身東京にやってきて、少ないながらも仕送をりしていた

そんなある日家族がケガで入院していまい、返済がきつくなり

彼女自身も借金をするようになる。普通の所では回らなくなり

闇金に手をだし、返済不能で風俗に落とされる

最初のうちは悩んでいたが、性格もあり明るくがんばって借金を返し終わり

余裕が出来てきたのでと、お祝いもかねて仲良くなった同僚に連れてきてもらったのが

渡良瀬のホストであった

渡良瀬とすぐに惹かれあい、ホストとお客さんの関係から恋人になるのは

そんなに時間はかからなかった










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