表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

90/121

第89話 揺れる想い

あれからアロ様を避けてしまっている.

登下校は一緒の馬車だが、まったく会話がない。アロ様も何か話しかけようとしているようだが、そのたびに黙ってしまうのだ。私からは話しかけられず、お互いに何も言えない状態。そんな感じだ。


「ごきげんよう、マリア。どうされましたか?ため息なんてついて」

「リリー、あの、ですね、少し相談に乗っていただいてもいいですか?」

「ええ、もちろんですわ。今日は、妹と遊ぶ約束もないですし、ゆっくり出来ますわよ」

「では、放課後に教室で」


そして、放課後、みんなが帰宅した教室でリリーに相談をすることにした。自分ではもうどうしていいか分からなかった。

「は?ハリス公子にキ……」

「しーっ静かに!!」

「あら、失礼。思わず取り乱しましたわ。それで?」

「シャルくんに告白をされました。そして、そうなったのです」

「まあ、それは……そうですのね」

リリーも微妙な反応だ。

「それで、抱きしめられているところに、アロ様が来て」

「ああ、それは大変ですわね。殿下は怒っておられるのですか?」

「それが、何もなくて、ずっと無言で何かを考えているみたいで……私もごにょごにょ、されたなんて言えなくて、避けてしまっているのです」

「それは悪循環ですわね。お互い何を思っているか分からないまま避けるなんて。これでは、マリアは隙だらけですわ。ハリス公子のチャンスですわね」

「そんなことには、なりません。シャルくんがなんで私を好きだなんて言ったのかもわからないし、アロ様が何も言わないのもわからない。私もこのままどうしたらいいか……」

「そうですわねぇ。私なら、とりあえず殿下の誤解を解きますわ。まずはそれからでは?」

「でも、キ……されたのは事実です。それは、どうするのですか?」

「私なら、言ってしまいますわ。隠していて、もしバレてしまったら、そちらの方が大事になりそうです。もちろん不可抗力だと説明します。殿下なら嫉妬はしてもわかってくださるのでは?」

確かにこのままは嫌だ。キスされたと話せるかはわからないが、兎に角アロ様と話をしよう。

「ありがとうございます、リリー。頑張ってみます」

「ええ、出来るだけ早い方がいいですわ。最近殿下の機嫌が悪くて執務が滞っているってチャールズ様が言っていましたし」


ここまで読んでいただきありがとうございます。

気にいってもらえたらブックマーク、評価、いいねしていただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ