表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/121

第37話 選ぶも何もアロイスルートなのでは?

「ええ。何を選ぶの?元のルートに戻すって言ったよね?それって、アロイスルートなんだよね???」

『そうとは限らにゃいにゃ~、ルートは可能性にゃ。絶対はないにゃ。だからマリアがアロイスよりハリス公子がいいにゃら、普通に攻略しに行けばいいにゃ』

「攻略……いやいや、しないよ。私はアロイス殿下が……」

 ……殿下が好き?憧れ??親愛???なんだろう……婚約者。小さい時から当たり前に側にいる。いつも励まし、導いてくれる。頼りになって優しい。だから?

「あ~~、わからない!!ララ、私、殿下のことどう思っているの??」

『なんで私に聞くにゃ。知らにゃいにゃ。まあ、ゆっくり考えたらいいのにゃ~』


 結局ララはそのままどこかに行ってしまった。夜中まで一人で考えたけど結論は出なかった。小さい時から婚約者だったのだ。あらためてどういう存在かなんて考えたことが無かった。当たり前に側にいる人。そのまま行けば結婚してずっと一緒にいる人。

「マリア、どうしたの?疲れてないかい?」

 あ、そうだ。殿下と馬車で登校している途中だった。

「あ……少し考え事をしていて、眠るのが遅くなってしまいました」

「そうなんだ、もしかしてハリス公子のこと?」

「え、あ……」

 いえ、あなたのことを。とは言えず言葉に出来ずにいると、殿下は不機嫌になってしまった。結局学園に着くまで会話もなく、いつものエスコートもなく馬車を降りて行ってしまった。置き去りの形になってしまった私は、呆然と立ち尽くした。こんな事は初めてだった。


 その日は結局、会話もなく、用事があるという殿下と別の馬車で王宮まで帰ってきた。

『おかえりにゃ。マリア?どうしたにゃ、どこか痛いにゃ?』

「ララ……私、殿下に嫌われたのかも。シャルくんと誤解された?何か他にしたのかも……どうしよう、私……どこかで間違ったの……自分の気持ち、ちゃんと分らないから」

 ぽろぽろと涙が溢れる。ズキズキと胸が痛い。ララが困った顔でこっちを見ている。なんで悲しいのか、胸が痛いのか……わからないよ。

 この日は食欲もなかったため、そのまま部屋にいると侍女のマーサに言ったら、ずいぶん心配されたが何とか誤魔化した。


 朝、食堂に行くと、アロイス殿下の従者が伝言を持ってきた。用事があるため先に行く。という内容だった。ショックで食欲がなくなった私は、そのまま学園に登校した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ