表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/121

第16話 転落事故を阻止しましょう

「リリー、今日はお招きありがとうございます。こちら王宮のシェフが作ってくれたクッキーです。家族の皆様と召し上がってください。あと、これはエリザベスちゃんにウサギのぬいぐるみです」

「まあ、可愛いウサギですわ。クッキーもありがとうございます。さあ、奥のお部屋にご案内しますね」

 今日は、室内でのお茶会を希望した。庭でお茶を飲んでいる間に転落事故が起こってしまっては意味がない。異母妹のエリザベスの近くでしっかり見張るつもりだ。


 通された部屋は可愛らしい子供部屋だ。お茶会をするにあたり、場所はエリザベスの部屋でしたいとお願いをした。赤ちゃんが好きなのでずっと側にいたい。とかなり無理やりな理由だったが、異母妹が大好きなリリアーナは疑問に思わなかったようだ。

「この子が異母妹のエリザベスです」

 エリザベスは、緩いウエーブがかった茶色の髪に少しつり目な赤い目をしていた。

「まあ、可愛いですね。リリーにそっくりじゃないですか?」

「うふふ、髪は義母なのですが、目は父の色なのです。私も父の色で、つり目も父なのです。私の髪色は亡くなった母の色ですが、雰囲気は姉妹で似ていますの。不思議ですよね」

 ふふっと嬉しそうにリリアーナは笑った。この幸せそうなリリアーナを絶対に不幸にはしたくない。事故は必ず阻止しよう。


 和やかにお茶会は進んでいった。エリザベスには乳母がついていたが、エリザベスが寝たので席を外すようだ。

「お嬢様、少しお願いしてもよろしいですか?」

「ええ、いいわよ」

 このタイミングは事故直前の状況と酷似している。確か寝ていたエリザベスが、物音にびっくりして起き、ベビーベッドから落ちるのだ。

 ただ、前回は乳母が離れた時に私たちはいなかった。

 すやすやとエリザベスは寝ていた。乳母が離れて少し経った時だった、窓から差す光が陰ったような気がしてそちらを見ると、バンッと何かが窓にぶつかった。黒い鳥のようなものだ。私は慌ててエリザベスのベッドに近づいた。音に驚いたエリザベスは激しく泣きながらベッドの柵の方へ身を傾けた。私はしっかりベッドの柵を押さえた。遅れてリリアーナがたどり着きエリザベスを抱き上げた。

 無事に転落事故は防げたようだ。さっき窓に当たった黒いものは何だったのだろう?その後、窓の外を覗いたが何も見えなかった。ベッドの柵が外れやすそうだとしっかりリリアーナに伝えておいた。これで今後も転落は起きないだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ